プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

安倍バブルの「罠」

2013-05-08 10:41:14 | 日記
 日経平均が1万4千円を回復し、バブルはさらに加速しています。しかし(『週刊文春』によると)昨年来の円安・株高の「アベノミクス」を演出したのは外国人投資家だそうです。昨年11月以降の3ヶ月で、(東証一部の)買い越し額は3兆2千億円、しかしその外国人投資家も3月には売り越しに転じています。4月は国内の個人投資家が「買い越し」となっており、バブル崩壊は目前のようです。実はこの間、日本の銀行も保有株を売り越しており、(日本企業の99%を占める中小企業に貸付を期待されている)「肝心の銀行が景気回復を信じていない」状況なのです。

 また、(『週刊新潮』によれば)日銀は国債や社債を買うだけでなく、「ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)に大規模な資金を出し」、「つられて株は上がるし、・・・不動産価格も上昇していく。これがアベノミクスの構造」だと言います。つまりバブルで儲けることができるのは、バブル以前に株や土地を買っていた、買えるお金のあった人たちなのです。少なくとも4月以降にバブルの踊らされた人は、「一攫千金を狙って、なけなしの金で博打をするようなもの」だと警告しています。このようなバブルを招来させることは、自国の国民を意図的に罠に嵌める施策であるとも言えます。

 株だけではありません。円安になっても、「日本のメーカーの殆どは生産拠点を海外に移して」おり、「資材や燃料の調達費から人件費まで外貨建てで決済しているため、円安の恩恵は全く」なく、
(未だその徴候はありませんが)「たとえ円安で輸出が好調になっても、国内の雇用創出には全く繋がらない」。「結局、人は物を買わず、消費も盛り上がらないのでデフレ色は残ったまま。一方、手元にあるお金は、円安で貨幣価値は下がる。そのため・・・株やFX、不動産、金など投機的商品に手を出してしまう」というカラクリ(仕組み)なのです。(読者の中にはおられないと思いますが)どうぞこの「罠」に嵌らないようにと祈るだけです。

 (株は上がれば下がるのは当たり前なので、下がっても国際的な信用を失うことはありませんが)最も心配なのが債券市場です。(安倍さん及び黒田さんの目標とされる)「物価が2%上昇すれば、長期金利も2%あがるのが常識」だそうで、こうなると、現在の国債償還費用22兆円が、30兆円にも膨らみ、予算すら組むのが困難になります。さらに、金利が上がれば当然債券価格は下がりますが、「大量の国債を抱える銀行や生保は巨額の含み損を抱える」ことになります。(既に損切りは始まっているようです)

 また、短期国債では購入者の45%、長期国債でも18%が外国人だそうです。円安が進めば、彼らの持っている国債の価値が下がるわけで、彼らが円安を嫌い国債を手放せば、国債の暴落の引き金となる可能性もあります。実際、日本国債を大量に購入している中国の格付け会社は、日本国債の格付けを下げています。アベノミクスが国債の信用を落とし、暴落を招く危険性すらあるのです。バブルには関係のない多くの国民も、円安による様々な物や料金の値上げで首を絞められています。その「罠」(アベノトラップ)に、もう既に嵌っているということなのかも知れません・・・

P.S. 安倍バブルの恩恵を最も被っているのは証券会社でしょう。連日の大商いで手数料収入も大幅に増収で、大手証券会社も軒並み黒字だそうです。その陰で、多くの個人投資家が「罠」の餌食となるのかと思うと憤りを感じます。ハイリスク・ハイリターンの自己責任と言われる(投資ではなく)投機ですが、多くの個人が殺される仕組みがある以上、それを自己責任だとだけ言うのは無理があります。それも外国人投資家が儲けて、日本人が損をする仕組みを日本政府が先導しているとなると、尚更のことです・・・

P.S.2 今朝の『朝日新聞』に、福島第1原発の航空写真と掘られた12本の井戸の位置が記されていました。(おおよそ西から東に流れている)地下水の流れがよく把握できていなので、取り合えず南北に井戸を掘ったという感じです。汲み上げた地下水には放射性物質が混じっているそうですが、東電は「十分低い値」として、海へ放出したいそうです。(その数値がわからないのですが、放射能汚染水であることに変わりはありません)それでも、1日400トン流入する地下水のうち、100トンしか防げないそうです。汚染水の混ざらないように、もっと手前からさらに井戸を掘りたいところですが、汚染水タンクがびっしりと並んでいます。どうにもちぐはぐな対応としか思えません・・・

P.S.3 放射能汚染水が漏出した地下貯水槽ですが、東電は「二重のポリエチレンシートに遮水効果がある」として、余り(粘土層)ベントナイトには「関心」がなかったようです。シートが破れますから、漏れたものを吸収させて、漏れ出すのを遅らせるのがベントナイトの役割です。(専門家会合で)破れたらすぐに移送すると「豪語」した東電ですから、処分場ですら50ミリのベントナイトを6.4ミリでも構わないと思ったのでしょう。(処分場問題に関わったことのある私には、到底考えられません)それを承認した専門家も専門家です。政府が発足させた「汚染水処理対策委員会」の初会合が開かれました。その会合で、井戸の手前に遮水壁を造って、地下水を迂回させようとの計画が提案されたそうですが、技術的には難しいそうです。それでも、造って少しでも地下水の流入を減らしていくしかないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月8日)

純度100%の蜂蜜

2013-05-06 09:42:12 | 日記
 1週間ほど前に、蜂の巣箱は帰っていきました。蜂たちの頑張りの成果でしょう。蜜もまあまあ集まったと、養蜂家の方が言われます。この方の販売する蜂蜜は純度100%の蜂蜜です。でも、皆さんは、「純度100%」の意味をご存知でしょうか?(以下、養蜂家Aさんとのお話です)

 巣箱が持って来られる時には、巣箱には蜂の餌が入っています。砂糖です。雨や強風では蜜は集められませんから、(飢えないよう)蜂たちの食料が予め入れられています。ある程度蜜が集まると、蜜を採ります。この蜜には、食べ残った餌の砂糖が、どうしても1~2割は残ります。Aさんはこの蜂蜜は利用しません。知り合いのレストランに引き取ってもらっているそうですが、お金にはなりません。

 大抵の養蜂家の方は、この蜜を精製して(精製蜜)、蜂蜜と混ぜ込みます。普通3割ほど、多い人では7割もこの精製蜜と混ぜるそうです。水飴を混ぜると聞いたことがありますが、こうなると最早、蜂蜜というよりも「蜂蜜風味」の水飴です。この精製蜜が混ざっていない物が、本当の純度100%の蜂蜜ということになります。

 お話をお聞きすると、養蜂だけでやっていくのはとても大変だそうです。現金収入を増やす為に、蜂を増やして、ハウス栽培をしているところ(高知など)へ出荷すると言われます。養蜂だけでなく、こうした技術や伝統・文化を継承する後継者が、最早日本には殆どいなくなっています。本当に残念で仕方がありません。

 ところで、餌の砂糖が1、2割混じっている蜜と、純度100%の蜂蜜ですが、Aさんが味見しても差は分からないそうです。それなら、二束三文で手放すよりも、その1、2割混じっている蜜、つまり純度90%蜂蜜、純度80%蜂蜜をブランド化して、値段を下げて売り出して下さいとお願いしました。勿体無いですし、純度100%の蜂蜜は(高くて)買えない人も、値段を下げてもらえれば買えます。Aさんの収入も増えます。ちなみに、「純度90%蜂蜜」試作品第1号は、私が戴けることになりました。味比べができます。楽しみです・・・

P.S. 皆さんは蜂が水を飲むのをご存知でしょうか?正直、蜂が来るようになるまで、私は考えたこともありませんでした。私が最初に見たのは、川に生えている水苔に止まって水を飲んでいる蜂たちです。Aさんにお聞きすると、「飲みますよ」と当たり間のように答えられました。そう言えば、蝶が水を飲んでいる映像をよく目にします。(砂漠の虫たちも朝霧を体で受け止めて飲んでいますが)昆虫たちは私たちの知らない所で、(生きるために)水を飲んでいるいるのでしょう。そんな当たり前のことを、私たちは知らない(気にも留めない)だけなのでしょうねえ・・・

P.S.2 (先日の)家を買ったら、1円も出ない元高校教師の避難住民の方の話ですが、後日談があります。(引用は『朝日新聞』)家を買った後、月10万の精神的慰謝料(実質的生活費)が「0円」になったそうです。電話の問い合わせに対して担当者は、「家を買ったということは、浪江町に戻る意思がないないとうことなので慰謝料は打ち切ります。それが会社の方針です」と答えたそうです。「浪江町に戻る意思」と慰謝料との間に、何の因果関係があるのでしょうか?再度の抗議の後、慰謝料は復活したそうですが、避難住民の方々の中には、家を買うと慰謝料が貰えなくなるとの噂が広まり、家の賠償請求を求めない「泣き寝入り」の風潮ができてしまったそうです・・・

P.S.3 他にも東電は、「避難中に結婚した女性に『結婚で生活基盤が整った』として慰謝料を打ち切った」そうです。東電は、「担当者によって事実確認が曖昧なところがあったかもしれない。今は徹底しています」と応えていますが、実際には恣意的な判断で、個別のケースで支払いを切っていく「指示」が出ているのではないかと私などは疑ります。泣き寝入りせずに、誰かに相談し、サポートしてくれる方を見つけて交渉していかなければいけないと思います。大変ですが、そうするしか他にないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月6日)

トルコへの原発輸出

2013-05-04 09:01:42 | 日記
 福島第1原発事故後初の、海外での原発受注が確定しました。受注したのは三菱重工とアレバ連合で、トルコのシノップに建設予定の4基で、総事業費は2兆円を超えるとのことです。(以下、引用は『朝日新聞』)過去最大の貿易赤字に苦しむ日本としては、現実的に現在最も外貨を獲得できる商品として、アベノミクスの海外戦略最大の目玉というところでしょう。トップセールスにも力が入るはずです。

 福島第1原発の事故後、世界でも脱原発の動きも出てはいますが、一方で新興国を中心に原発の需要はさらに大きく、2030年までには(100万kW級で)90~370基もの需要があります。核(原発)は拡散し続け、世界中が核の格納庫となる日は近いと思われます。テロの標的がここまで増えれば、最早テロを防ぎきれるものではありません。私たちは常に、地震や津波に加えて、テロによる核の恐怖を感じながら生きていかなければならないということです。いずれにしても、この核(原発)拡散の流れは、(虚しく、危険過ぎますが)今後も変わらないということだと思うのです・・・

P.S. 昨日は憲法集会が全国で開かれました。私自身は改憲には反対です。何故なら、日本国憲法は米国が日本を縛る為に作ったものですから、その分日本政府には都合の悪いものです。その都合の悪い部分は、日本政府に盲従したくない(私のような)日本人には逆に都合が良いものとなります。それを武器に、闘う(暴力を振るう)「よすが」となるからです。ただ、このような小さな暴力で、何かが変わるとも正直思えません。安倍さんは、その都合の悪い部分を改正し、米国の呪縛から逃れたいのでしょうが、これもまた小さ過ぎる足掻き(暴力)であって、仮に改憲できたとしても、現実には何も変わらない、米国の桎梏から逃れることなどできはしないということだと思うのです・・・

P.S.2 福島第1原発から約10キロの所に自宅があった元高校教師の方が、事故後、仮設住宅では母親の介護も十分に出来ないと築19年の中古住宅を購入、リフォーム代300万を含め合計2,000万円を退職金で支払い、東電に対して家の賠償金を請求しましたが、回答は「1円も出ない」だったそうです。(それ以上詳しく掛かれてないのでわかりませんが)やはり裁判をやるしかないのでしょうか?紛争解決センターではどうにもならないと思います。これがモデルケースだとすると、避難し損害を被った方々は、さらに極めて苦しい状況の中で闘い続けなければならないということになります。(自分勝手な私は)他人事だと思っても尚、本当に大変なことだと思わざるを得ないのです・・・

P.S.3 経産省の元事務次官、菅総理当時は内閣官房参与、その後損保ジャパン顧問に天下りした望月氏は、今年2月の講演で、「私は『原発役人』と言われてきましたので、まあ、それなりの責任をきちっと取らないかんと思っております」とのたまわれたそうです。原発を推進し、事故時はその対応に責任があった方として、立派なお言葉だと思います。今年の6月には住友商事の社外取締役にも就かれるそうですが、法外な報酬を、被害に遭われた方々に対して、せめて寄付でもされるお心積もりなのかも知れません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月4日)

痛恨の平成の「大徳政令」

2013-05-02 10:36:35 | 日記
 小泉内閣当時の2002年、東京電力のトラブル隠しが発覚、経産大臣だった平沼氏は、「言語道断」だとして経営陣の退陣を迫り、相談役を含む歴代トップ4人が退任しました。同時に、トラブル隠しの調査を遅滞させ、(内部)告発者の氏名を東電に漏らしたとして、保安院の次長を含め経産省幹部が処分されました(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 しかし2007年の(電力会社12社による)トラブル隠しやデータ改竄が発覚した時、経産省が「悪質な法令違反」と認定したにも拘わらず、その責任は一切問われませんでした。このことを経産省内では、「平成の徳政令」と呼んでいるそうです。その「徳政令」の恩恵を受けたのが、当時東京電力社長だった(今は会長の)勝俣氏です。しかし、この「徳政令」がその後、福島第1原発過酷「人災」事故を招く大きな要因となったのではないかと思わざるを得ません。事故は「人」によって起こされるのだと思うのです。

残念ながら、その「人」は、事故後も全く変わってはいません。当時の(雲隠れ)清水社長は役員に納まり、実質指揮を取っているのが勝俣氏です。誰一人事故の責任を取らず、全く同じ経営陣のままで、まだまだ続く事故対応及び(汚染水等の)処理を行なっているのです。これこそ、平成の「大」徳政令と言えるかと思います。しかし、責任を取るということは、人的な責任所在を明らかにすると共に、人身の刷新によって、新たな体制を作って自浄作用を働かせる第1歩となります。それがなければ、何も変わらないどころか、どんなエラーを起こしても、不問に付されるという「慢心」を生んでしまいます。さらなる事故が今後も誘発される危険性が高いということです。

関電の値上げで野菜工場が閉鎖し、6人の方が職を失ったそうです。借金も残るのでしょう。一方、電力会社は値上げをすれば、(カットしたとはいえ)役員や社印の給料は賄(まかな)えます。ちなみに東電の場合、電気料金値上げで約3,700億円、燃料費調整制度で約1,600億円、合計5,300億円の燃料費上昇分を料金から調達しています。(純粋な燃料費の総額が分からないのですが)「高く」買っている燃料の殆どを利用者に課しているわけで、それでも赤字経営(料金値上げ)だというのなら、それこそ経営責任が問われる問題で、つまり経営陣は辞任しなければならないというのが道理だと思うのです・・・

P.S. 原発を1基動かしても、年間で800億しか業績に寄与しないそうです。例えば3基稼動しても2,400億円、これぐらいなら、高く買っている燃料の調達費を何割か安く買えれば良いだけです。そもそも電力会社は、それぞれが個々に買い付けをして、高いコストで燃料を輸入しています。何かにつけて「お仲間」を大切にしてつるんでいる電力会社ですが、何故全社共同で燃料の買い付けを行なわないのでしょうか?それだけで、買い手有意に交渉を行なうことが出来ます。また、世界一輸入している化石燃料であり、電力供給に最も大切な燃料の調達ですから、(また産業や国民の家計に直接響く問題ですから、小麦粉のように)政府自ら買い付けを行っても良いのではないかと思うのです。そうした努力がもっと払われれば、燃料費による赤字を吸収するどころか、逆に電気料金を下げていくことも可能かもしれません・・・

P.S.2 これまで値上げ、及び値上げ申請したのは、東電、関電、九電、東北電、四電、北海道電力の6社、この6社は発電量に占める原発の比率が3~5割、一方原発の比率の低い北陸、中部、中国、及び原発のない沖縄電力はコストカット等で燃料費上昇分を賄っています。これを考えれば、やはり経営責任が問われるべき問題だと思うのです。また電力供給の観点からすると、最早電力会社だけに依存するのではなく、もっともっと民間が電力を供給できるように発送電分離等の改革を推し進めて、リスクを分散していかなければいけないのではないかと思うのです・・・

P.S.3 住宅ローンの金利が上がりました。長期金利の目安となる国債の金利が上昇しているからだそうです。金融緩和で下がるはずの金利が上がっているのは、大手銀行などが、金融緩和で今後も金利が下がるのではないかと(もっと安く買いたいから)国債の購入を手控えているのが理由のようです。また、国債を損切りしている金融機関もあるそうです。何か全くのアベコベです。「アベコベミクス」です。(今朝の「経済気象台」には)「国民が日銀に望んでいるのは、物価が安定した上での安定成長であり、物価上昇を自己目的とする金融政策ではない」、「長期的観点に立ち、国民経済にとって何が有益かを考えなければならない」、「国民に対する責任は実に重い」として、「チーム安倍の一員」となってしまった日銀の責任を問うています。また、「只単に『期待』に働きかける」「ブードゥー(おまじない)経済学」としてアベノミクスを断じています。消費税を上げるためには、(実体経済が変わらない今)「ブードゥー」を連発するしかないのでしょう。国民には、「呪い」の言葉でしかないのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月2日)