プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

食品輸入大国日本の検疫制度

2013-05-17 14:27:43 | 日記
 食肉偽装が発覚した中国からの加工肉ですが、鶏肉の49%、豚肉の64%、牛肉の77%を中国から輸入しているそうです。中国や日本での検査で二重三重のチェックはあっても、生産地から加工工場でのチェックはしていませんから、全く意味がありません。偽装肉でも、安全であればまだ良いのですが、どうも余り安全ではないようなのです。中国では、ある程度の資産のある中国人は、自国の食料ではなく、香港経由で外国産の物を食べているそうですが、一方多くの日本人は、安全かどうか分からない中国産の食料を知らないうちに食べているということのようです。(以下、引用・参照は『週刊文春』)

 中国からの年間輸入量は年間約400万トン、水産物や野菜、お菓子まで多岐に渡っていますが、例えば中国が最大の輸入先である水産物ですが、中国近海は工場廃水による汚染が深刻です。ウナギからは発癌性をもつ合成抗菌剤が検出されています。アサリからは除草剤のプロメトリンが、カキからは下痢性貝毒が検出されています。(95%が中国産)のハマグリは、A型肝炎ウイルス汚染の危険性が指摘されていますが、日本の検疫ではA型肝炎やノロウイルスなどの検査は殆どされていません。しかし発症しても、(潜伏期間も長く)産地をトレースできません。大量に輸入されているミックスフードなどは(材料の重量が50%を超えていなければ)産地を表示する必要すらありません。

 さらに、煎餅(せんべい)を作るお米ですが、中国の耕作面積の2割、2千haが汚染され、特に南部の穀倉地帯の汚染が深刻で、米どころ長江の汚染データを見ると、水銀が(日本の環境環境基準の)244倍、鉛3,500倍、砒素、1,400倍、カドミウム4.2倍など、体内に蓄積し排出されない重金属類が信じられない数値で検出されています。また(同様に蓄積毒である)DDTやBHCなどの発癌性のある有機塩素系化合物が検出されています。(かつての日本の環境汚染も酷かったですが、もっと深刻な状態のように思います)

 輸入食品の場合、重金属類の検査は義務付けられていません。日本産の食料でも、土壌汚染地域で産出された農産物でなければ検査の対象にはなりませんし、それもカドミウムだけです。(日本産だからといって安全である保証は無いわけです)最近の日本人の血液からは有機塩素が検出されそうですが、「汚染された土壌で育った穀物には必ず有機塩素が含まれ、それを鶏が食べると10倍から100倍に濃縮される」とのことで、安い輸入物に頼らざるを得ない多くの日本人の健康が、いつの間にか脅かされているのです・・・
 
P.S. Oさんから原田正純さんの言葉を聞き、「水俣病」という名に閉じ込められた患者の方々の苦痛と苦悩を思いました。「認定」という「差別化」に振り回され、僅かの補償金で(二度と請求しないと確約させられ)口を噤(つぐ)まなければならなかった歴史を思います。公式確認となった患者さん、田中実子さんを介護されている義理の兄の下田さんが、「たとえ認定されても患者の苦悩は決して終わらないことを知って欲しい」と訴えられています。公害事件が「認定」とその「基準」に矮小化され、補償を持って被害者が忘れられていく現実があるのです。そして加害者がいつの間にか雲隠れしてしまわないように、水俣「チッソ病」を忘れないようにしたいと思うのです・・・

P.S.2 チッソが当時の通産省から排水浄化装置を指示された時、その浄化装置が全く効果が無いことを知りながら、「世論の手前」装置をつけたそうです。(引用は原田正純『水俣病』)当時の社長は竣工式で、実は汚染の無い水を、浄化装置を通した物だとしてデモンストレーションして飲んで見せたそうです。その後も(有機水銀の)汚染水は流され続けていたのです。(3本も)パイプを引いて、排水を直接海に流してさえいたそうです。何か福島第1原発がダブって見えてくるのは穿(うが)った見方でしょうか?少なくとも、その汚染や事件を生む構造、そして加害者・被害者の置かれている状況は、間違いなく酷似しているのは確かだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月17日)