プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

避難者の家屋・土地のまともな補償を!

2013-05-13 10:43:12 | 日記
 先日から連載の「プロメテウスの罠」(『朝日新聞』)における避難住民の方々の土地・家屋の賠償についての記事を読むにつけ、余りにも理不尽な東電の態度に沸々と(他人事にも拘らず)怒りが湧き上ってきます。もし自分が同じ立場に立たされれば、最早怒りも限界まで達するのではと、思わざるを得ません。でもそれも、余り長くは続きません。(私であれば)やがて泣き寝入りするか、鬱状態に陥るのが関の山でしょう。それでも、事実をきちんと知って、整理ぐらいはしなければと思うのです。(以下、まとめさせて頂きます)

 まず最初に思うのは、東電に賠償を任せていることです。窓口や実務を東電が負うというのは構いませんが、あくまで(原発を国策として推進してきた)国が賠償の主体となるべきです。(それでもまともな賠償はしないかとは思いますが)現在、賠償の主体は東電で、土地や家屋の査定は東電が行なっています。先日の(改築費込みで)2000万円で中古住宅を買った方の場合、東電の査定では700万円弱、購入額の3割ほどしかありません。これでは、蓄えのない方が(中古の)家を購入することは不可能です。

 実は、ダム建設で立ち退きをする場合、同じ規模の家を入手する金額を「再取得価格」と言うそうです。国の「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づいて土地・家屋の補償額が決まります。その基準で計算すると約2,000万近くになります。これまで生活してきた物を再び手に入れることができます。しかし、この基準を適用するのに最大の障壁があるのです。それは、放射能汚染された土地に「戻る」という前提です。戻れるのだから、その土地や家屋を賠償する必要はない、あっても極わずかで構わないという「前提」です。

 浪江町の馬場町長も、迅速な賠償を政府に申し入れておられますが、同基準ではなく、(スズメの涙の)固定資産税の評価額での賠償しかできないとの回答を得ています。放射能汚染された土地に、帰ってはいけないのです。多くの避難者の方々はそう考えています。まっとうなお考えです。原発事故により被曝し、一瞬にして家も土地も仕事も、コミュニティーも失った方々が、何故ダムの立ち退きの補償額すら得られないのでしょうか?無駄な公共工事をするのなら、避難者の方々の家を建て、内需を喚起し景気を下支えすべきだと思います。借金してでも行なうべき、これが本当の「公共」工事だと思うのです・・・

P.S. トラクターなどの農機具や果樹など「償却資産」の賠償額も、極めて低い額に抑えられています。領収書があっても「鉄くず同然」だそうですが、無い場合は農機具全部まとめて50万、小型の農機具や工具はやはりまとめて10万だそうです。はっきり言って、50万で買える新品のトラクターはありません。(最低でも100万でしょうか、私の場合は中古を15万で買って20年近く使っていますが)コンバイン(収穫機)などは数百万、高い物で500万はします。(私は買えないので、お金を出して刈ってもらいます)それに土地とその「土」は違います。良い土を造るのに何十年と掛かるのです。果樹だってそうです。何十年も手塩にかけてきたのです。二本松の住民説明会では「馬鹿にするな!」との怒号も飛んだそうです。それに対して東電は「また変わるかもしれない」と言ったそうです。住民の顔色を見ながら、値踏みをしているのでしょう。(国もそうですが)卑劣そのものだと思います・・・

P.S.2 避難された農家約5.400戸のうち、避難先で農業を再開された方は1%余りの77戸だけだそうです。そのうち32戸が県外、そして耕作放棄地を活用した例が9戸のみとなっています。(チェルノブイリ事故後の旧ソビエトのように)土地と家屋を提供し、営農してもらう仕組みを作れば、避難している方が再び元の生活を取り戻すことが可能になります。過疎や放棄地に悩む自治体にも、積極的にそうした制度を作って戴きたいと思います。そして国は法整備とともに、自治体への助成制度を確立して頂きたいと思うのです・・・

P.S.3 原子力委員会が「もんじゅ」に対して「使用停止」を命じるそうです。当然だと思います。もう既に止まっていますが、何年も「点検放置」をしてきた驚くべきサボタージュ、そして危険極まりない原発施設を、これ以上使って欲しくはありません。水で冷やせない同原発、万一のことを考えると怖くて怖くて仕方がありません。維持費もばかになりません、それも電気料金で負担しているのです。早く、廃炉にして頂きたい。それが心からの願いです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月13日)

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