プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

失敗したアベノミクスの行方

2014-01-28 11:57:08 | 日記
 日本の貿易赤字が3年連続の赤字、過去最大の約11兆5,000億になりました。円安にも拘らず、輸出は伸びず輸出の実数は1.5%減です。自動車も前年比約6万台減っています。いくら円安に誘導しても、輸出は伸びない「構造」があるのです。(「経済気象台」の啄木鳥氏によれば)「脱デフレ」は金融政策では実現しない、産業構造の転換しかないと言われています。その通りですが、現実は極めて困難で、歴史的にこの「構造」の転換に成功した国は(残念ながら)今までにありません。

 昨年7月に稼働した埼玉県寄居町にあるホンダの最新式の自動車工場では、ロボットが自動車のタイヤを数秒で取り付けるそうです。しかしこれは増産のための設備ではなく、別の工場の設備などを整理して、(国内の新車の販売台数の伸びが期待できないので)生産能力を減らすためだと言います。世界NO1となったトヨタも需要の伸びる中国や北米での生産は増やしても、国内生産を増やしたり、設備投資をする積もりはありません。雇用も伸びず、賃金も上がりません。
 
 一方で、円安の影響で輸入価格は上がり、輸入額は押し上げられています。早大ファイナンス総合研究所の野口顧問は、「震災後の電気料金値上げで、加工貿易型の企業のコストは上がり、『貿易立国』は既に成り立たなくなっている」と指摘しています。電気料金値上げは液化天然ガスなどの化石燃料費の上昇が原因だと各電力会社は主張していますが、世界最大の液化天然ガスなど化石燃料の輸入国が、世界で最高に高い価格で買っていること、そうしたコスト意識のなさや様々な癒着による莫大な無駄、事故や廃炉の費用を殆ど無視してきたことが、世界一高いと言われる電気料金(そして今回の値上げ)の最大の原因なのです。

 「アベノミクス」による異例の金融緩和で、円安誘導や(私などが考える以上の)バブルは演出できました。膨大な赤字国債発行による公共工事でなんとかGDPも下支えもしています。しかし、この異常な状態をいつまで続けられるのか、非常に暗いものがあると思います。第3弾にも及ぶ「異例」緩和を行なってきた米国は、ついに昨年12月、FRBによる米国債の購入額を月850億ドル(100円換算で8兆5,000億円)から750億ドル(7兆5,000億円)に減らしました。今月末には、さらに650億ドルにするとの憶測もあります。米国も日本も(緩和や公共事業でなどの)カンフル剤でいくら先延ばしにしても、いつかは「付け」を払わなければいけない時が来ます。その時は、来た道を戻る(国債や株の「大暴落」)しかないのだと思います。願わくば、(付けの払いを逃れるために)「戦争」という「覚醒剤」だけは使って戴きたくはないと思うのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年1月28日)

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