プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「風評」の払拭

2014-06-21 13:09:31 | 日記
「根拠のない風評を払拭していくためにも、しかりと正確な情報を提供していく」安倍首相のお言葉です。情報を一元管理して漏洩を許さない、そんな姿勢を見せている首相とは、相容れ難い「お言葉」です。本当に、正確な情報を提供して下されば、「風評」はなくなると思います。只、思い出すのは事故直後、文科省は既に3月15日から、(今では)ホットスポットとして知られる浪江町の赤宇木の(モニタリングカーによる)モニタリングを開始しており、確かにHP上に同地区の3ヶ所の空間線量(毎時330μSv)を公表していますが、地名は隠しています。同省によると、地名を伏せたのは「風評」が広がることを恐れたからでした。

 330μSvと言えば、年間そこに滞在すれば、約1,435ミリSvという信じられない程の大量被曝です。当初は同地区には原発周辺から住民が避難して滞在しています。同地区に避難指示が出るのは事故から約1ヵ月半後です。「風評被害」という架空の(原発維持のための)システムによって、被曝という「実害」が生じていたのです。その架空の「風評被害」(つまり原発が維持できなくなるの)を恐れて、「被害」が広がってしまったのです。今尚「風評被害」というシステム(目くらまし)のために、「実害」が生じ続け(隠蔽され)ているのです。

 政府(復興庁)は、F1の原発事故を受けた「風評被害」対策として、被災地農作物を対象として新たな指針を出しました。同指針では、被災地の農産物を対象に行なっている放射性物質の検査継続結果を断続的に公表していく(*当然のことだと思います)、また諸外国に対して、輸入規制の緩和や撤廃を引き続き働きかけてゆく(*チェルノブイリ事故の時日本は、当然ながらかなり厳しい輸入規制を敷きました、一方で外国には、規制を緩和しろとは)、また経団連の会員企業窓に対し、被災地の農産物と社内販売や贈答品として活用するよう求める(*会員企業はノルマを与えられて、経団連のお偉いさんや、企業の幹部は食べずに、多くの社員が無理やり買わされるのでしょう)、また修学旅行を含めて国内外の観光客の誘致に積極的に取り組むのだそうです。(事実を知らずして被曝させられる生徒や観光客はどうなるのでしょうか?)

 (何度も繰り返して恐縮ですが)「風評」というのは事実を隠すための「システム」です。今、福島やその他の汚染地区で起きていること、被曝やそれに伴う身体の不調、そしていずれ現れるであろう様々な疾病、これは明らかに「実害」です。農産物や畜産物、魚介類、そして水や(山林や平地、住宅地など)土壌の汚染は「実害」です。きちんと調査や検査を通して実態を把握し、加害者である東電に損害賠償を申請していくべきものだと思います。(しつこいですが、もう一度)汚染と被曝は「実害」です。決して「風評」ではありません・・・ 

P.S. 丸森町筆甫地区の「振興連絡協議会」の事務局長で、個人として放射線量を測定し、「放射線マップ」を作成した(先日書きました)男性に対して、「個人で放射線を測って、出まかせの情報を流している人がいる」との批判が起こり、同事務所に名前を名乗らない男性から「あんたらのやっていることが、丸森全体の風評被害につながっているんだぞ」とマップの作成を強く非難する電話が掛かってきたそうです。わたし的に言うと、情報を隠蔽しようとする行為や(心理的なものも含めた)システムこそが「風評」なのであって(原発が「安全」というのも「風評」(デマ)です)、同男性の行為は、事実を明らかにし、「実害」を把握するために必要な行為だと思います。こうした「非難」を醸成する雰囲気こそが、「風評」(デマ)を生み出すのであって、彼らこそ、実は「安全」であるものを「デマ」によって禁忌(きんき)する類の人々だと思います。彼らこそが、この「風評」のシステムを支えているのです・・・

P.S. 宮城県が丸森町の空間線量の測定を始めたのは11年4月5日、しかし筆甫地区では測定されません。同町が線量計を入手したのは5月になってから。モニタリングポイントはたったの4ヶ所だったとのことです。汚染状況を把握するには、同男性の活動は欠かせなかったわけです。「坑道のカナリア」的な、非常に大切な仕事を犠牲を払って行なわれた立派な行為だと思います。こうした方が沢山いれば、「風評」(そして「差別」)などは起こりえないのですが、残念ながら、(私も含めて)現実はそうではないようです・・・

P.S.2 情報やデータを公表することが、「風評」(デマ)を一掃する最大の方法だと思います。安倍首相の「お言葉」、是非実行して戴きたいと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年6月21日)

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