プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「自主避難者」による損害賠償訴訟

2014-03-14 10:27:13 | 日記
 福島県から松山(愛媛県)に避難している6世帯12人の避難者の方々が、東電と国を相手取って(1人当たり550万円の)損害賠償訴訟を松山地裁に提起しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)12人のうち、5世帯8人が自主避難されてきています。野垣弁護団長は、「日本の避難基準はチェルノブイリ原発事故の時より危険。当然の避難なのに、自主避難に対する国の補償が少ないのはおかしい」としています。実際(間違っていたら済みません)、「原賠審」の指針では、子ども1人に対して40万円だけの支給です。自主避難で原告の渡部寛(ひろし)さんは、「自主避難者にも、避難の権利を認めるよう、国の政策転換」求めています。「支援法」はできましたが、実質的に「自主避難者」への支援は殆どないのが現実です。

 避難者の方々を全面的にバックアップされている、石手寺の加藤ご住職は、自主避難された方々の思いを綴って冊子を作られています。「訴訟は被害の回復だけでなく、事故原因を明らかにするため」と話されている(上記、自主避難で、福島同様に農業を継続されている)渡部さんは、「政府が・・・適格な支援策を講じなければ、個々人が独力によって自らの展望を見出すのは難しいこと」だと(冊子の中で)述べておられます。実際、専業農家として再出発するのに、2011年だけでも200万の支出をされています。

 また福島県いわき市から(娘さん2人をつれて)自主避難されているお母さんは、「自主避難の為東京電力の仮払いは受けておらず、引っ越し費用約40万円や、借りたアパートの保証金なども自前」、「愛媛県には・・・民間賃貸住宅の借り上げ制度もないため、家賃5万8,000円も全額負担する必要がある」と述べられています。殆どの支援のない中、経済的な負担が重く「自主避難者」の方々に圧し掛かっています。

 経済的な負担だけでなく、精神的な負担が「自主避難者」の方々にはあります。(皆さんの声を綴ると)「自主避難という立場は、同じ被災した仲間を捨ててきた罪悪感が常に付いて」くる、「自主雛なので、故郷の役所は『勝手に行ったんだろ』と、態度は勿論、女性の職員には口でも言われた」、「国が福島市や群山市を危険と認めてくれないので、夫婦間も意見が合わず関係に溝ができてしまった」、「精神的被害を受けたのは避難区域だけじゃない。原発事故で線量が何十倍になった地域にも損害金(慰謝料)を支払うべき」「福島市も決して低い放射能の数値ではない。住み続ければ、必ず危険なはずなのに、群山も(福島市も)、福島の人はたちは見捨てられた感じ」、(茨城県から自主避難したお母さんは)「地元に残った人が普通で、私は、おかしい、んです」と述べられています。

 「自主避難」をされた方々が、経済的にも精神的にも非常に追い詰められているという現実があります。さらに訴訟となると、大変な負担となると思います。石手寺での交流会を通じて結成された「自主避難の会」では、「(自主)避難を正当と認め、移転費用などの支援を受けられる『避難権利区域』を広く設定するよう求めて」います。「支援法」の基本計画は未だ作られず、明確な汚染区域の設定はありません。「ウクライナ法」同様、年間被曝1mSvを超える地域を、「移住の権利ゾーン」として設定し、移転費用や住居への支援、また雇用支援を行うべきだと思うのです・・・

P.S. 福島県から自主避難されている方は5万人以上おられるそうで、(上記の茨城から避難している方など)それ以外の汚染地域から自主避難されている方々を含めるともっと沢山おられるのだと思います。(避難指示が出た原発避難者の半数ぐらいに上るのではないでしょうか)そして、避難解除される田村市都路地区の、帰還しない方々は、今後その(1年間はありますが)賠償のない「自主避難者」となります。「自主避難者」が増えていくということになり、益々その方々の支援が必要な状況になってくるように思うのです・・・

P.S.2 (自主避難者、避難指示のある方も含めてた)訴訟が全国的に起きています。岡山地裁では、34世帯96人が、「原発事故で平穏な生活が奪われたとして」、1人当たり1,100万円の損害賠償を求める訴訟が、東京地裁には、福島、栃木の住民や首都圏への避難者など278人の方々が集団損害賠償請求訴訟を起こしてます。本来あるべき補償があれば、大変な負担を抱えながら裁判など起こす必要などないのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年3月14日)

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