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NPO法人GRAの活動や考えを伝えます

彼らの無事な帰還を! ご家族のため、国のために、

2011-03-26 20:47:20 | 日本の被災対応
本日(3/26)の時点で、海洋汚染や大気汚染が未だ収まっていないとの報道が
目立っていますが、“臨界”現場で彼らの作業範囲が一気に広がっている事も
報道されています。

どうか、今なお厳しい環境の中で力を尽くしている彼らに声援を贈りましょう。


【 作業している人は 数百名レベル 】

報道からは、福島第一原子力発電所での作業は一段と進んでいるようです。

3/25 には、1号機 と 3号機 の原子炉へ注入していた海水を、より安全性の高い
真水 へと切り替え、3/26 には 2号機 の原子炉への注入は 真水 へと切り替え
が終了していて、 本来の設計環境へと近づいた事で 原子炉の作動状況も好転
しているようです。

そして、同時に 使用済み燃料棒用のプールへの注水 も 真水 へと切り替え作業が進んでいるようです。
3/26付け NHKニュース より

外部電源のコントロール室への引き入れの作業も、3号機、1号機 に続き、3/26
には 2号機へと進み、 同時進行している 各種計器類やポンプ、配管などの
チェック作業と相まって、着々と作業が進んでいます。

しかし、現場は 地震と津波に襲われた施設ですから、TV では 水素爆発した
建屋ばかり目立ちますが、破損した 施設の中での作業は 通常の作業以上に
手間が掛かっているでしょう。
産経ニュースより 「津波で破損した施設」 画像

さらに作業を困難にしているのは、原子炉コントロール室内や 別棟のポンプ棟
で 計測されている高い放射線量です。

これだけの環境の中、これだけの作業量ですから、被ばく量を一定以下に抑えて
作業を進めるために、施設に残っている数百名の人達全員が協力し合って交代
しながら作業にあたっている事が容易に推測されます。
本当に、彼らの活動や行動力、熱意には感謝しきれないほどです。


【 許容被ばく線量 の意味するもの 】

さて、“臨界”の現場で作業を進めている彼らの健康については、全ての人が
関心を持っていると思いますので、彼らの人生を守るためにも、 許容被ばく
線量に関する資料を見てください。

原子力安全・保安院 が、平成18年4月に まとめた資料を掲載します。
原子力安全・保安院 発表資料より/ PDF資料

許容被ばく線量 の 計測管理方法の詳細な手法は不明ですが、1年 または 5年
の間に被ばくする 放射線量 に限度を決め、身体機能や生命を守るために その
“限度量” を超えないようにする事が重視されているのが分かります。

その中にも明記されていますが、原子力施設で作業にあたる人は、1年間あたり
許容される 放射線量が 50 mSv(シーベルト)となっています。
ただ、今回はあまりにも危機的な状況でしたから、緊急に政治的判断によって
50 mSv から 100 mSv へと改訂され、数日も経たない内に 250 mSv / 年 へと
変更されています。

実は、今回緊急で設定された数値は、とても大変に大きな 放射線量で、彼らの
今後の健康が多いに心配される レベル なのです。

他の例を挙げてみましょう。
現場の放射線量の高さから、派遣活動を何度が躊躇していた 防衛省・自衛隊は
50 mSv /年 で、 作業遂行圧力もあって 緊急時設定の 100 mSv/年 としてから
活動を始めた経緯があります。

また、海外メディアからも高く評価された 東京消防庁・ハイパーレスキュー隊 の
場合は、隊員の家族の事も配慮しつつ苦渋の選択の活動で、最大被ばく線量が
27 mSv でした。

これらの事実からも、被害を最少で喰い止めようと現場に残って作業をしている
方々が いかに過酷な状況の中で作業されている事が理解できます。

・ ・ 自衛隊員(ヘリ放水時) : 60 mSv
・ ・ 消防隊員(放水活動時) : 27 mSv ( 1名/実測最大値)
・ ・ 一般医療従事者(X線技師): 50 mSv

・ ・ 原発作業員(今回の緊急設定) : 250 mSv

ハイパーレスキュー隊が 「救世主」、「現代のサムライ」であるならば、彼らは
どんな評価の仕方がふさわしいのでしょうか。思いもつきません。


【 一日でも早い、無事な帰還を! 】

3号機 および 1号機などの ポンプ棟 地下通路に貯まった“水”が問題になって
いて、それが原因となって作業に遅れが出ているのが心配です。

その“水”の 放射線量が どれほどに高いのか、発表から読み解いてみましょう。
3/25付け 産経ニュースより 1万倍 の発表に沈黙!

東京都内などで検出されて報道された上水道の 許容基準量は、乳児対象の
場合には、水 1 L(リットル)あたり 100 ベクレル で、成人対象の値は 同じく
水 1L(リットル)あたり 300 ベクレル です。

そして今回、発表された “臨界”現場の“水”の 放射物質濃度は、水 1cc あたり
390 万ベクレル です。
上水道の場合と同じように 水 1L(リットル) あたりの数値に換算すれば、なんと
39 億ベクレル / L となり、決して飲む事は無いにせよ、かなり過酷な状況で
ある事が理解できます。

この“水” がどこから来ているのか? これを解決しなければ 汚染を食い止める事にならず、彼らは 解放されない様子が報道からも伝わり、ますます心が痛むばかりです。

どうか、心より彼らの一日でも早い帰還・帰宅を願いましょう。
彼ら自身の 健康のため、人生のため、そして 彼らの ご家族のため。

放射能汚染の問題解決が一日でも遅れるほど、農業や漁業だけでなく、あら
ゆる産業、経済、国家財政などにより大きな影を落とし、それは 私達の生活や
人生にも より大きな影響を与える事に繋がります。

どうか、私達の生活のため、国全体の運営のため、彼らの一日でも早い帰宅が可能になる事を一緒に願いましょう。


ご家族のため、国民のため、氏名の公表を!

2011-03-25 22:50:21 | 日本の被災対応
福島第一原子力発電所に残り続け、今なお“臨界”の現場で日本の未来を守り
続けている人達の氏名を公表する事を、東京電力 および 政府に求めます。

【 ご家族の事を忘れている! 】

彼らのご家族の方々は、日本一、危険な“臨界” の現場に彼らが居る事を充分
に理解していらっしゃる事でしょう。
そして、3月11日以来、日本の将来の被害を最少に喰い止めるため、健康や生
命を賭けるようにして奮闘している事を理解しつつ、日々休むに休めない苦痛
が続いていることでしょう。

TVニュースで状況を確認する日々が続く中、恐れていた“被ばく” 事故発生の
知らせが あったのですから、その時のご家族の心情を察するといたたまれなく
なります。

現場に留まって作業している方の人数は 5 ~ 700名 ほどと推測されますが、
その方々のご家族総てが、ニュース発表と同時に凍りついた面持ちだった事で
しょう。
そして、氏名が発表されない事から、会社を通じての通達連絡が入るまでの
数時間は、苦痛と怯えでとてつも無く長く感じられた事でしょう。
( 3/22 付け 産経ニュース より )
( 3/25 付け 産経ニュース より 「被ばく作業員の方は ・・」 )


【 今なお進行している 放射能汚染&被ばく 】


震災と津波で被災した広大な地域ですが、徐々に復興の手配を進んでいます。
また、福島第一原子力発電所では、給水活動や外部電力導設工事が進んで
おり、一見小康状態になっているかのように見えています。

しかし、普通の震災とは異なり、今なお 被災 が進行していている事を理解し
なくてはなりません。

現に、水 や 野菜 への放射能汚染で 様々な問題・課題が現われていますが、
放射能を今も放出し続けている “臨界” 現場を収束させない限り、問題は
もっと広範囲な物産や経済に影響を与えていく事になります。

つまり、福島第一原子力発電所の 放射能放出を食い止めない限り、日一日、
日本の将来は 問題や課題が大きくなり、経済面での損失や個々の人生設計へ
の悪影響として影を落としていくのです。
そして、これは単に 被災地域だけの問題でなく、日本全体・国民全員におよぶ
影響として残っていくのです。

“臨界” の現場で、今も 自身の身体に 被ばくという被災を増やし続けている
あの方々こそ、日本の未来を左右する方々なのです。

そういう方々の 人数や氏名を正確に公表する事によって、その方々の功績を
正当に評価するだけでなく、課題の本質を正しく認識して心を一つにして国の
復興へと国民の意識をまとめることに繋がる事は間違いないでしょう。


【 情報と人員の補填を 】

現場に居る方々の奮闘のお陰で、外部電力が施設に引き込まれたようです。

これによって、作業時間だけでなく 休息時間にも電気を利用する事ができる
ようになったでしょうから、多少は心労が癒されているであろう事を願うばかり
です。

しかし、喜びへの期待 と同時に 心配もあります。

今までは外部と遮断された “結界” の様な場所で、情報も無く作業を続けて
いらっしゃったでしょうが、これからは (きっと) TV を受信視聴できるもの
と思います。

ですから、TV を通じて 作業している人々の氏名を発表するニュースを見る事が
できれば、日々の作業の大きな励みになる事は間違いありません。
その上、TV を通じて ご家族の方からの 「励ましメッセージ」 を届けられれば、
作業している方々はもちろんの事、全国の方々にとっても 大いなる“ 励み ”に
なるのは間違いありません。

しかし、TV で そういった発表や「励ましメッセージ」が無く、作業をしている
方々の存在を意識させない報道がこれからも続くならば悲劇と言えるでしょう。

日本の未来を守っている彼らの行動が、誰にもさほど注目もされず、“臨界”の
現場から見れば 僅かな 汚染に右往左往している 民衆の行動を見せつけられて
しまうからです。

3月11日の事故発生以来 2週間が過ぎて、かなりの 疲労や心労、被ばくも進ん
でいるはずです。
氏名の公表と彼らの名誉を守るのは当然必要ですが、人員交代や人員補填が
必須の状況となっている事も忘れてはなりません。


水パニック の ようですが ・ ・ ・

2011-03-24 21:55:11 | 日本の被災対応
群衆心理としては当たり前の事だが、集団パニック症状を経験した事のある
人は多い筈。

1973年に勃発した 第4次中東戦争をきっかけにして、トイレットペーパーなど
の買い占めパニックが日本で発生し、あらゆる店頭からトイレットペーバーが
無くなった “ オイルショック ”を記憶している人も多いでしょう。

最近に発生した同様な症例では、2009年に発生した “ 新型インフルエンザ禍 ”で、 全国の店頭から マスク が無くなりましたが、これは 殆どの人が記憶にあるでしょう。

そして、2011年、“ 水パニック ” です。

集団パニック、または 集団ヒステリーと称してもよい症状は、上記に挙げた
例でも明らかなように、実際の被害・実害に対して過剰な反応によってもたら
されると言えます。

しかし、記憶力と学習能力があり基礎学力が高いと言われる国民であれば、
出来る限り 集団パニック による実害を避ける知恵も備えていると信じたい
のだが、どうでしょうか?


【 東京の水が ・・ と言うけれど、 】

関東地区だけでなく、調べた範囲では 離島などを除く全国隅々のコンビニエンスストアの 店頭から “水” が無くなった様子。 (3/23 現在)

震災発生以後、震災地への移送需要や今後の防災用品としてのストック需要があった後に、東京地区での放射能検出の政府発表が一気にパニック症状へと
高めたと言えるでしょう。

それにしても、東京の水の安全性を一番最初に発表する必要がどこにあった
のだろう。

今回の大震災によって、水道水の安全性が一番懸念されるのは 福島県を
始めとする被災地である事ははっきりしている。

被災され生活環境が一転しつつも、残されたライフラインなどの環境の中で、
生活を立て直そうとして体力的にも精神的にも苦労されている方々がいらっ
しゃる事は誰にも想定できる筈。

そんな人々の 水道水・飲料水 の心配を一番最初に心配せず、ただでさえ
道路運送手段を損なって 生活物資が不足している地域からも 水 を奪う結果
を引き出す行為、それに加担した人は反省をするべきだろう。

集団パニックの経験や学習を活かせず、必要以上に “水” 確保に走った人は
当然の事として、 不用意な政府やマスコミには 更に大きな反省を求めたい。

特に、必要以上に東京中心の情報配信へと走り、ジャーナリズムとして求めら
れる行政活動への適切な指摘や叱責を行なわないマスコミの責任は大きい。


【 最悪な 放射能汚染 “水” は 】

では、最も 放射能に汚染された“水” はどこにあるか知っているだろうか?

それは、“臨界”の現場にあり、今なお 懸命に 日本の未来を守る活動を続け
ている人達の 前に立ちはだかっている。

本日(3/24)、福島第一原子力発電所 の 3号機の復旧“臨界”現場で、不幸
にして 放射能に汚染された“水” によって被ばく負傷され、病院に救急搬送
された方が 二名居らっしゃる。

防護服だけでは守りきれない劣悪な環境の中で、放射能汚染した“水”が直接
に肌にかかり、170 ミリシーベルトを超える被ばくを受けたとの事。
3/24付け NHK ニュース より

オーストラリアABC(TV局)の報道では、「 現代の サムライ 」 とまで称賛
された、東京消防庁ハイパーレスキュー隊員の最大被ばくが 27ミリシーベルト。
その被ばくであっても、東京消防庁の記者会見で明らかなように、決死の覚悟
が必要なレベルである事は間違いない。

“臨界”現場の最前線で、氏名も明らかにされず、記者会見も受けられず、
ただひたすら最悪な環境の中で、日本の未来を守り続けている人の心情を
考えれば、「 東京の水 」はいかばかりのものだろう。

それよりも、せめて 負傷搬送された人の氏名は発表すべきだ。
当然、負傷された方の家族や親族の方には通知されているだろうが、
現場には 数百名の方が居らっしゃるので、このニュースによって一層不安な
時を過ごすはめになってしまったご家族の心情を考えれば心が痛む。

負傷された方の氏名を発表するだけで、数多くのご家族の方々の気苦労が
少しは軽くなるだろう。

“水”が無くなった店頭の映像を放映する前に、もっと汚染された“水” に
苦しめられている人々の事を、少しでも良いので報道すべきだ。

それが、迷う “人” に冷静な判断を呼び起こすきっかけになるのだから。


プールの水と言うけれど ・ ・ ・

2011-03-18 20:04:22 | 日本の被災対応
例え 情報収集や情報公開の手法が未熟であっても、
例え 責任者のリーダーシップが未成熟だったとしても、
福島第一原子力発電所の状況がこれ以上に悪化するのは、今後の日本の
経済を始めとする様々な生活や人生のために、食い止めなくてはならない。

今は、震災後も現場に残り続け、“臨界”の最前線で格闘を続けている方々の
無事に帰宅を願う。


【 プールへ注目が集まる理由は 】

炉内の水の量や炉心溶融の対策から、現在は 使用済み核燃料棒が入った
プールへと報道の主眼が移ったのには理由がある。
例え使用済みの燃料棒だとしてもメルトダウンの可能性があるからだ。
メルトダウンを抑制できなければ放射能物質の放出が一気に高まり、現場環境
での作業が極めて困難となり、最終的には献身的な努力をしている人々も退避
する事になるからだ。

すると、考えたくもないが、制御不能となった6基の原子力発電所が次々と・・


だから、現場の人々は挑み続けているのだ。
彼らこそ、未来の日本を救っている“英雄”だ。


【 プールに必要な水の量は 】

既に報道されている様に、本来は使用済み核燃料棒のプールの水の量は多い。
1100 ~ 1200 トン 程という。

3号機への放水作業によって立ちあがる“水蒸気”を見れば、既にプールの水が
少なくなって、使用済み燃料棒が露出して加熱されている事が想像できる。

では、実際にプールにどの程度残っていて、燃料棒はどういう状態なのか?
これは、誰にも確認が出来ない状態だから、全て推測するしかないが ・ ・
米国の原子力規制委員会の委員長は悲観的な観測を発表している。
3/17付 npr_website より ) ( 同訳引用ブログ

プールに水が残っているとしても、本日(3/18)昼間に行なった 50トンの放水
では不十分だからこそ、自衛隊を始めとして夜間の作業継続を検討の最中だ。

この大きな問題は無事にクリアされる! と願っているし、信じている。
“臨界”の分かれ道に差し掛かっているからこそ、全ての人は最大限の注目と
祈りを注ぐべきだ。


【 努力に報いるリダーシップと注目を 】

最後になるが ・ ・ ・、

日本の意識ある人々は “臨界” の現場で働く人々の事を心から応援している。
そして、同じように世界からも同じ注目が集まっている事を伝えたい。
3/17付 産経ニュースより

そして、1~2号機 への外部からの電力供給工事が無事に完了して、1~2号機
および 作業を行なっている方々の部屋へ電気が供給される事と、1~2号機の
冷却系統が電気によって作動する事を切に願う。

そうすれば、一つの山を越えられるだろう。

ただ、山はまだまだ残っている。
3号機のプール以上に 4号機のプールは一層大変な状況だ。
3/18付 YOMIURI ONLINE より

政府の適切な情報収集とリーダーシップ、そして適切な広報対応が、一層向上
する事を望む。
それが、日本の未来を救う事に繋がり、何よりも“臨界”現場に留まり奮闘する
人達の願いであり、私達の願いだ。



「がんばって!」は、 時として惨い言葉に ・ ・

2011-03-17 22:48:43 | 日本の被災対応
「がんばって!」は、 よく聞く言葉。

平時、ありふれた日常生活の中では 特に害の無い言葉でも、
時として惨い(むごい) 言葉になる事があります。

言葉を掛ける側の人と、掛けられる側の人、

お互いに 同じ様な環境、立場、境遇の場合なら問題無く、
立場や環境に大きな差がある時には注意が必要になります。

特に、一方だけが様々な理由や条件によって、精神的に
打ちのめされている場合には 最大の注意が必要です。

「がんばれ!」って 声を掛けられる以前から、
掛けられる言葉の回数の 何百、何千倍以上の回数で
自分自身に対して励まして、なぐさめ、激励し尽くし、
それでも変わらぬ状態に陥ってしまった人は 多くいるのです。

そんな時、身近に寄り添い、見守りもせず 、
遠くから 「がんばれ!」と声を掛けられても ・ ・ ・


* * *

人は さまざまな“衝動”によって 突き動かされ行動するものです。

哀しい体験をした人を見ると ・ ・ ・

□ 「 何かしてあげたい! 」 という “衝動” と
□ 「 何かをして、責任から逃れたい 」 という “衝動”

これら 二つの“衝動”が 同時に心の中に生まれるものです。

前者は 人としての善良な心から生まれ、後者は 偽善的な心から生まれる
と、よく言われてはいますが ・ ・ ・、

哀しい体験をした人の側にとってみれば、
どちらも大きな違いが無い行為になる事が少なくありません。

そう! どちらとも、「 偽善的な行為 」・・ と見えるのです。


* * *

その理由は、とても簡単です。

哀しい体験をした人も“人”ですから、 他の人に 「 がんばれ! 」と
声を掛けた時に、自分自身の中に“ 偽善性 ”を感じた経験があるから
です。

ですから、一方の立場が大きく異なる場合、特に 相手の立場が
追い込まれている状況では、単に 「 がんばって! 」と声を掛けるだけ
では、誤った “サイン”を与えてしまいます。

却って 相手を更に追い込む危険性がある事を 理解しなくてはなりません。


* * *

ボランティア の話に移りましょう。

例えば、震災の現場へ行って、避難所へ行って ボランティア をしたい!
と 考えた場合には、 慎重に考えを巡らす必要が あります。

遠くから、「 がんばって! 」と 言うだけの行為よりも、ずっと尊い
行為になる可能性 は 確かにあります。

しかし、避難所へ行って、その場の人にでも出来る事をしているだけ
では、被災してしまった人を 単に “被災者”扱いしているだけで、
被災という現実から 自分自信の力で 立ち直ろうとして自分自身で
叱咤激励している人 の 心を挫く事になってしまう危険性を 充分に
理解しなくてはなりません。

所詮、ボランティアとして行く あなたには “戻る場所”や “戻れる
生活環境”があるのです。
そんな人から、安易に 「 がんばって! 」と 施しを受けつつ聞かさ
れる身は、とても辛い響きにもなるのです。


そんな危険性を避けてボランティをするには、その場に居る人達には、
自助努力では成し得ない行為・技術 を発揮するのが最善です。

例えば、「 医療従事者による医療・医療補助行為 」とか
「 弁護士や司法書士による法律相談・手続き 」は、適切な手続き
を踏んでの行為であれば 歓迎されるでしょう。

他には、「 運転免許取得者による車両持込み運搬作業 」、
または 地方自治体や役場などの 要請に応じての 行為 であれば
有効です。


* * * *

ボランティアをしたい! という心 や、「 がんばれ!」と 声を
掛けようとする “衝動”は 自然だし、人らしい行為です。

しかし、それを 受ける側の人の “パーソナリティ” を無視して、
施しを与えるという意識が混入したままの行為であれば、
決して 良い結果を招かない場合があるという 危険性 を しっかりと
認識をすべきです。

「 美談 」 と 「 悲劇 」は、時として 裏・表 の関係にあるのです。