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『 危険な車体挙動 』を知って欲しくて、記事、書きました

2021-05-03 22:34:55 | 基本講座・車両セッティング

Q&A コーナーに、「 駆動方式による車体挙動の違いは 」という質問が届き、それに対して 3ページに亘って回答と解説をしました。が、この回答を書いている最中に、「 車体挙動 」の危険性についても書き留めておく必要を感じて、4ページ目を追加する事を決めていたのです。
追加ページで伝えたい事は、危険な車体挙動がある事を知って欲しいという事と、車体挙動の確認方法と適正な調整方法がある事です。それを、スキーやスノーボードでの膝の使い方を例に挙げて解説をしています。


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「危険な車体挙動、確認と調整方法について、Q&A,より」

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 「危険な車体挙動、確認と調整方法について、Q&A, より」
       
とても意外な事ですが、オートバイ大国と言われる日本の業界では、危険な車体挙動は転倒を招く危険性がある事への認識が一般的でなく、当然ですが、その確認や調整方法を適切に解説した資料が乏しいのです。その上、市販車両の状態のままであれば危険性はさほど大きくはないのですが、リアサスペンションユニットを交換している場合、その車高調整やプリロードなどの適切な調整がされてないので、交換前よりも危険な車体挙動になっている車両を数多く見掛けるのです。

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 「危険な車体挙動、確認と調整方法について、Q&A, より」
      
急に、「 危険な車体挙動に気をつけよう!」と言われても、きっと、ほとんどのライダーは面喰ってしまって、「そんな事、知らなくても大丈夫 ・・・だろう」と思うでしょう。ただ、「 危険な車体挙動 」は間違い無く存在しています。 いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを過ごす為に、知識の一つとして読んでもらえると、いいと信じています。



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シャフトドライブ車の車体挙動の解析と対策 / Analysis and countermeasures for shaft drive vehicle body behavior

2021-04-07 15:46:27 | 基本講座・車両セッティング

   
オンライン Q&A に届いた質問 「 シャフトドライブ車は何故リアが浮くのか? 」へ解析を交えて回答文を掲載しました。

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https://gra-npo.org/lecture/bike/Q&A_reaction_driving_force/drive_reaction_3.html


シャフトドライブ車の解説では「アクセル操作でリアが浮く」という表現が溢れて定説の様に言われていますが、それは一部のシャフトドライブ車が持っている挙動であり欠点です。

同じシャフトドライブ機構を採用している車両でも、表現される様な挙動を起こさない車両がある事の解説と、「リアが浮く」という挙動はリアタイヤのグリップ力を失わせる原因になっている事の解説に繋げています。


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二輪雑誌などで見かける様な身体感覚と物理法則を混同した解説を鵜呑みにせず、適切な力学的な理解をする事と、リアタイヤのグリップ力を高めて安定させるリアサスペンションのセッティングの大切さを解説しています。
どうぞ、オートバイを安全に気持ち良く走らせたい人は、チェーンドライブ車やシャフトドライブ車に関係なく、スイングアームの垂れ角調整の大切さの理解に繋がる解説記事を、是非、ご覧下さい。

In the explanation of shaft-driven cars, the expression "the rear floats when the throttle is opened" is used as the established theory, but that is a drawback that some shaft-driven cars have.


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『 たかが、バーエンドウエイト、されど ・・・ 』(第3話)掲載しました

2020-09-19 12:29:04 | 基本講座・車両セッティング

最適な重さのバーエンドウエイトを見つけるために、高速道路から一般道、テスト専用エリアで試走を行なった結果、たった1gの違いでも操縦性や安定性に微妙な影響を与える事と、最適な候補が 30gか32gだと判明した。
拳銃のグリップも多少の違いでバランスが崩れると聞いた事があるが、それと良く似た事がオートバイでも言えると判り、真鍮棒での製作に挑戦しました。

 

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『 たかが、バーエンドウエイト、されど ・・ 』第3話
http://gra-npo.org/lecture/bike/bar_endweight/bar_ends_3.html



< 以下、一部転載 >

すると、ウエイトの僅かな違いでオートバイの表情や動きがはっきりと変化するのが確認できた。
特に、一番大きな違いが出たのは、深くバンクさせて、ブレーキングを行ない、125度から180度位のターンをする時だった。 24g だとブレーキングの後でアクセルを開けるまでの短い間にフロントが微妙に揺れるけれど、48gだと ピタッと安定している上に ターンの回転方向の先へ先へと進んで行く感じなのだ。

そこで、その中間のウエイト・36g にすれば、安定しつつ勝手に先へと進む感じは少ないので、帰路は 36g 仕様で試す事にした。 やはり、コースだけではなく高速道路絵から極低速走行まで バランスが良くないとダメでしょう。
こんな グラム単位での調整をしてみて、拳銃のグリップについての記事を思い出した。拳銃のグリップも形状と重さを バランス良く整える事が大切だと詳しく書かれていたけど、やはり道具の良し悪しはバランスに大きく依存しているのだろう。


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トラ君の、フロント スプリングの交換

2020-08-26 11:44:42 | 基本講座・車両セッティング

トライアンフのフレームとサスペンションのマナーの悪さに手を焼き、探究と改良を重ねてきた。その一環としてフロント スプリング を変更して、設計の欠点をクリアする試みを繰り返し、ようやく最適な特性のスプリングに近づいてきた。

これは、その最新のスプリング変更の記録です。

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『 トラ君の、フロント スプリングの交換 』
http://gra-npo.org/policy/yokai_column/garage/202007_replace_Fspring/F_spring_1.html



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< 以下、一部紹介 >
     
トライアンフ ( 2006年式 ストリートトリプル)のフレームとサスペンションは良い設計ではない。

欠点を列挙すれば、リアサスペンションはリンク式を採用しているのにプログレッシブなレート変化せず、フリクションも高いのか動き始めがとても鈍く、低い荷重域でグリップを失い易く、場合によってはリアから一気にスリップダウンしてしまう。フロントサスペンションは更にシリアスで、サスペンションを支えている フレームのステム部の剛性設計が悪いのか、ステム部が 周波数約 240 Hz で上下方向に楕円を描く様に揺れるので、舗装路面上で大き目の段差乗り越え時にタイヤとスプリングの振動数が 240 Hz付近になってしまうと ステムまで共振してしまい、瞬間、コントロールが出来ない時間帯が生まれてしまう。その上、不足気味のトレール量でフロントタイヤの方向安定性も欠けているから、公道上で安心して走れない時がある程に、トライアンフのフレーム・サスペンション設計者は良い仕事をしているとはとても言えない。
    
そんな設計のお蔭で、トライアンフを購入して以来、この問題の解決に随分と悩まされつつ、知識を深め、色々な思考錯誤の改良を施しつつ楽しんできた。正に、後ろの百鬼・どろろの心境だ。
そんな事情から、フロント スプリングも15セット以上のスプリングを試してきたけど、車体の他の箇所の改良効果もあって、より適したフロントスプリングの特性も絞れてきたので、今回の フロントスプリング の交換(変更・セッティング)にはとても期待できる様になった。
      
きっと、同型車(初期型 ストリートトリプ、デイトナ 675 )に乗っている人の中にも怖い思いをした人は居ると思うし、他の車両でも車体の安定性や操縦性に悩んでいる人も居ると思うので、今回はフロントスプリングの交換の話だけど、参考になる事は必ず一つはあると思うので、ぜひ、ご覧ください。


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「 たかが、バーエンドウエイト、されど ・・・ 」(第2話)掲載しました

2020-08-22 17:18:44 | 基本講座・車両セッティング

最適な重さのバーエンドウエイトを見つけるために試作と試乗を繰り返した結果、直進走行時の乗り心地や安定性に大きな効果があるだけでなく、バンク直後の安定性を高めてキビキビとした操縦性の実現にも効果がある事が分かった。
   
この事から、最適なウエイトへと調整をする事でオートバイの印象は大きく変わる事、そしてハンドル周りに様々なアクセサリー類を装着する事は操縦性と安定性を損なう事が確認できました。
  
  

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『 たかが、バーエンドウエイト、されど ・・ 』第2話

http://gra-npo.org/lecture/bike/bar_endweight/bar_ends_2.html



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< 以下、一部転載 >
   
オートバイのハンドリングが一番不安定になるのがバンク開始時だから、直進走行時の乗り心地や安定感が良くなっても満足はできない。そんなテスト走行が可能な専用のエリアで、最初は 60g仕様のまま、直進状態からバンクさせてターンインを開始させた直後のステアリング周りの安定性を確認するテストを行なった。 その結果は、一般道・直進路で感じた時と同じく、「 重さは感じられるが、安定感は高くなった 」だった。



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■ 最適なウエイト探しの提案 ■   Importance of optimum weight setting

〇 一般に バーエンド ウエイトは重い程に 安定性が高くなり、軽いほどに操縦性が良くなるが、最適なウエイトはオーナーの使い方や体格、感性によって決まるものだ。だから、車両の現在の操縦安定性に多少でも我慢しているのなら、最適なバーエンド ウエイト(重り)探しを提案したい。社外製品で多くの種類も販売されているのだ。
   
〇 特に、高速道路では不満は無いけど、狭い市街地道路では車両の重さを強く感じてしまう場合には、より軽いバーエンド ウエイトへの変更も一手だ。
   
〇 ステアリング(ハンドル)周りに用品を追加装着している人は要注意! グリップヒーターやスマホスタンド、ドライブレコーダーなどを装着した場合には、それが 100g程度の用品だとしても、必ず操縦・安定性には悪い影響が出る事は認識すべきで、特に左右非対称に用品を装着すればもっと影響は大きくなります。 車両自体の安全性能を高く保つ事を考えるならば、そういう追加装着は最小限に留めるべきだろう。


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