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『 間違ったリアの車高調整 』 / リアの車高調整・動画 3

2021-07-18 00:21:56 | 基本講座・車両セッティング


『 間違ったリアの車高調整 』

オートバイの専門誌やWebサイトでは、「 リアの車高を高く設定して、機敏な運動性能を狙ったセッティングがしてある 」とか、「 リアの車高を低く調整して、足つき性能を向上させている 」などと書かれているのをよく目にする。
しかし、これらの文章を書いた者は、車高調整の本来の目的を全く知らないか、或いはライダーの安全を完全に無視している事を私達は知っておかなければなりません。

つまり、リアの車高を乗車時のスイングアームの垂れ角だと考えれば、オートバイの安定性と適正な運動性能を保障するリアの車高(スイングアームの垂れ角)は、実は、たった一つしかない事が明らかです。

 

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図で示したのは、リアタイヤが駆動されて回転し、そのアクスルシャフトがスイングアームを前方へと水平方向に押し、その力によって車体が前方へと進む力と スイングアームを車体に固定しているピポット部を上方へと押し上げる力が働く様子を示しています。
そして、同時に、車体を前方へと押し進める力(加速度)によって、車体荷重が前方から後方へと移動して スイングアームピポット部を押し下げる力(リアサスペンションを沈めようとする力)が働く様子を図で示しています。
     
この時、スイングアームピポット に対して上下方向に働く力に注目すれば、どちらかの力がもう一方の力よりも大きいと、リアサスペンションの作動を妨げる力として働くので、リアタイヤのグリップが適正に保たれなくなりますので、ピポット部に働く上下方向の二つの力が等しくバランスする様にスイングアームの角度・つまりリアの車高を調整する必要があるのです。

 

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特に、バンク中に加速する際、加速する力によってリアサスペンションが適正に作動しない状態になれば、必ずリアタイヤのグリップ力は失われ、最悪の場合には転倒を招く事になりますので、リアの車高調整はバンクさせた状態で加速した時のリアタイヤのグリップ感や挙動を確認して行なう必要があります。
つまり、オートバイのリアタイヤのグリップを常に適正に保ち、どんな場面でも安全を保つ為には、必ずピポット部での力のバランスを取るためのリアの車高調整を行なう必要があります。そして、バランスがとれる調整位置を無視して、高目の調整をしたり、足つき性の為に低く調整する事は安全を無視した間違った行為なのです。






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『 リアの車高調整 』の 第2編です / オートバイとライダーのための “クリニック” より

2021-07-16 23:32:58 | 基本講座・車両セッティング

   
9m四方(正方形)のセクションコース(4本四角パイロンコース)で走行確認を行なったところ、車両の挙動を充分に掴み切れないという事になり、改めて 10m四方に変更したセクションでの走行確認の様子です。バンク中のアクセル操作でリアが外に出る挙動が確認できます。





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セッティング動画 11編、作成中です

2021-07-15 17:29:12 | 基本講座・車両セッティング

先日・7/11、COVID-19の影響で長い間開催しなかったイベント・『 オートバイとライダーのための “ クリニック ” 』を開催しました。
週間天気予報では決して良い空模様ではなかったものの、当日は朝から晴れて、肌が焼けてしまった程に好天に恵まれ、熱心な受診者にも恵まれて、成果を出せた一日になりました。 ただ、久し振りの開催と暑さのためか、翌日にはすっかりとエネルギーが切れて、身体中の筋肉痛に見舞われてしまったため、すっかりと遅くなってしまいましたが、当日の『 クリニック 』の報告をします。

受診した人の要望が 「 リアの車高調整がしたい 」と「 トレール量と旋回性との関係を体感したい 」、「 オートバイの構造を理解して安全な運転を続けていきたい 」という事だったので、 オートバイの働く力学的作用を一つひとつボードを使って説明した後、実際に車両を調整して走行確認を行ない、その変化を体験しながら調整を進めていきました。

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更に、その調整と走行確認の様子を動画で撮影して、『 クリニック 』を受診する事が出来ない全国の多くのライダーに届けられる様に、セッティング動画の編集も進めていますので、是非、ご期待ください。
この7月11日のクリニックを題材にしたセッティング動画は、全11編のシリーズ動画になりますが、その第1編をまずはご覧ください。





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【 チェーン調整 】に関するアンケートです

2021-06-02 01:54:08 | 基本講座・車両セッティング

  
オートバイのチェーン調整、または適正なチェーン調整についてのアンケートに協力お願いします。

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みなさんからの回答を参考にして、より多くの人と適正なチェーン調整についての知識を共有して、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを保つ意欲ある人の応援をしたいと考えています。

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アンケートは無記名方式ですから氏名の記入は必要ありませんし、アンケート項目は 6つで、回答は選択式ですから、「あっ」という間に終わってしまう程に簡単です。が、アンケート回答は良い記事を作成する為の貴重な資料になると信じています。

< 以下の 文字・リンクをクリック、または QR コード読み取りで「アンケート」ページが開きます >

チェーン調整の実施に関す るアンケート


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<Q&A> Z1000、 サスペンションの減衰力調整は、何クリック目? / About recommended damper setting

2021-05-24 03:28:22 | 基本講座・車両セッティング

     
サスペンションに装備されている 減衰力調整装置についての質問がありました。
減衰力調整装置は、オートバイの最適な運動特性を整える為の装置ですから、その質問と回答を公開します

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【 質問 】

2015年式のカワサキ Z1000 に乗っていますが、サスペンションの減衰力の調整方法がよくわかりません。
フロントサスペンションは右側フォークに伸びと縮みの減衰力調整がついて、左側にプリロード調整がついています。リアサスペンションはプリロード調整と伸び側の減衰力調整があります。
       
普段使う場合、何クリック目にすればいいでしょうか。

 

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【 回答 】

はじめまして、問い合わせの質問をくださり、ありがとうございます。
    
さて、サスペンションの減衰力の調整については、長年に亘って開催してきた『セッティング講習会』でも、一番自信を持って最適な調整を行なえる事の一つです。
ただ、サスペンションの調整・セッティングは、プリロード調整を始めとして、ライダーの体重や体格、経験、そして車両のコンディションに合わせて行なうのが基本です。つまり、同じ車両でも、ライダーが違えば最適な調整・セッティングも異なりますので、車種ごとの推奨値は無い事を最初にお伝えします。
      
最適な調整方法については、私共が開催している 『 オートバイとライダーのための クリニック』(旧名称 : ライディング・セッティング クリニック )へ来場される事をお勧めします。
また、「 誰にもできる、最適な減衰力調整方法 」(仮称)を 公式Webサイトで発表する予定ですから、是非、ご期待ください。
    
最後に、紹介した イベント の案内と、そのイベントで 減衰力調整を行なった人の「感想文」を紹介しますので、参考にしてください。
ありがとうございました。



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     * * * * イベント紹介 & 「 感想文 」紹介です * * * *

 

『 オートバイとライダーのための  クリニック 』
https://gra-npo.org/schedule/clinic/clinic_top.htm



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□ 「 感想文 」。ライディング・セッティング クリニック 来場者から
https://gra-npo.org/publicity/impress/2019/20190908_imp.html





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