goo blog サービス終了のお知らせ 

GRA 公式ブログ・サイト

NPO法人GRAの活動や考えを伝えます

オートバイ ライディング 『 基本の “き” 』シリーズ、 近日公開予定です

2020-10-28 19:35:21 | 基本講座・ライディング

オートバイ ライディング の技術を高める記事『 基本の “き” 』シリーズを近日公開予定のお知らせです。

オートバイの運転技術を基本から見つめ直して、確実に運転技術を高めたいと願っている人の為の記事で、運転の際に操作する要素ごとに分けて、誰でも簡単で確実に技術を高められる練習方法を詳しく紹介します。

どうぞ、ご期待ください。

f:id:youkaidaimaou:20201028192751j:plain

    
  

< 以下、一部を紹介します >

『 まえがき 』

実は、オートバイの運転は、ピアノの演奏よりも難しいのです。
何故なら、ピアノは両手と右足で演奏ができますが、オートバイでは両手と両足以外に、上体や両ひざを使って運転するうえ、視線の動かし方によっても大きな影響を与えるからです。その上、ピアノと違って、操作の間違いによっては人の生命を奪ってしまうので、ピアノの演奏よりも遥かに難しいのです。

しかし、ピアノ演奏の技術習得では右手、左手と要素に分けての簡単な基本練習を行なうのが常識ですが、オートバイの場合には要素に分けて基本練習を行なう意識がまったく欠けており、複数の操作要素を同時に使う練習を強いています。そのため、運転技術のレベルが充分でないライダーが多いだけでなく、狭路(一本橋)走行や 8の字走行、パイロンスラローム走行が基本練習だとする誤解が溢れています。

右手でのアクセルとブレーキ操作に始まり、左手、右足、左足がそれぞれに担当する運転操作毎に要素を分けて、その一つひとつを意識して練習が行なえる練習メニューこそ、真に求められている基本練習であり、オートバイの楽しさと安全を高めると信じています。

 


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ページ中の画像は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています
文章等は許可無く転載することを禁じます / Copyright GRA All Rights Reserved.



 http://gra-npo.org






 


『 “サークル練習”が教える、正しい調整とライディング 』を掲載しました

2020-10-22 19:13:26 | 基本講座・ライディング


10月11日に開催した『クリニック』の報告書として、【 サークル練習が教える、正しい調整とライディング 】を掲載しました。
   


f:id:youkaidaimaou:20201022190214j:plain


http://gra-npo.org/publicity/report/2020/20201011_rep.html



 
円の外側を周回走行だけの、簡単な “サークル練習”を条件を変えながら行なうだけで、ライディング姿勢の修正やフロント車高の調整、そしてオートバイ本来の特性に合わせた適切なライディングを身に付ける事が出来ます。

そんな “サークル練習” のリポートが、みなさんの安全で楽しいオートバイライフに役立つ事を願っています。


 


f:id:youkaidaimaou:20201022190239j:plain





【 以下、その一部を紹介します 】

ライダーがオートバイに対して行なうべき操作は一つしかありません。それは、“荷重コントロール”です。タイヤの中央部なのか、それとも右側なのか左側なのかを決め、正しい位置でブレーキやアクセルを使ってオートバイ(タイヤ)へ荷重を与える事だけです。
   
そんな“荷重コントロール”を意識して適切に行なえる様になると気付く事が二つあるでしょう。一つ目は、上体や上腕を使った無駄な操作よりも、殆ど何もしていない様に見える程にシンプルで少ない操作でオートバイは自由自在に走る事。 二つ目は、荷重が正しく与えられたタイヤの表面(トレッド面)にはそれを示す摩耗痕が残る事です。


 


f:id:youkaidaimaou:20201022190406j:plain




よく言われている言葉で、「上手くなりたかったら 8の字練習をしろ」 とか 「8の字を描く走行練習はライディングの基本だ」という言葉があります。が、私はそうは思いません。旋回サークルの大きさを想定せずに、走る度にまちまちな旋回半径で走るだけの練習は、“キー(音程)”を合せず意識もせずに歌を歌う練習をしているのと同じで、ただの自己満足な行為に留まっています。

オートバイの声を聞く会話を深めつつ、オートバイのライディングを上達させたいと願うならば、“キー”である一定の回転半径の円(サークル)を路面に描き、それに合わせた“サークル練習”を行ない、オートバイとライダーが一緒になって“キー”を覚える事が基本なのです。



f:id:youkaidaimaou:20201022190517j:plain


 


f:id:youkaidaimaou:20201022190624j:plain


 









クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ページ中の画像は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています
文章等は許可無く転載することを禁じます / Copyright GRA All Rights Reserved.



 http://gra-npo.org








キャンバースラストではなく、旋回モーメントを理解せよ

2020-02-21 18:07:50 | 基本講座・ライディング

2020年 2月20日開催 『 整備・セッティング セミナー 』で解説した内容の一部を紹介します。
 


『 オートバイはなぜ曲がるのか? 』

オートバイはなぜ曲がるのか? どんな力が働いて旋回できるのか?
とても基本的な疑問ですが、多くのライダーはこの問い掛けに対して回答する事はできないでしょう。
 
よく理解している人でも、「斜めに傾いたコインが旋回するのと同じ」という内容での理解であったり、「キャンバースラストが働いて ・・」という四輪用の解説書で書かれている文章の一部を抜き出して専門用語を使って説明している人もいます。
しかし、コインもキャンバースラストも細い自転車のタイヤの場合だけに成立するもので、それ以上に太いタイヤの場合には別の力が作用する事は知られていて、既に四輪用の解説でもキャンバースラストは重要視されていません。z

では、オートバイを旋回させる力は何かと言えば、タイヤに働く “旋回モーメント” です。タイヤに働く “旋回モーメント” の力によって、タイヤが進む向きを変える力を受け、その力によって車体(オートバイ)は旋回できるのです。

 



『 旋回モーメントって? 』

詳しい解説は、GRA公式Webサイトの【 バンク角と旋回特性との関係 】P.2 ~ P.3 (3月初めに掲載予定)で、分かりやすい解説図を入れて行ないますが、“旋回モーメント” の解析から次の特徴が導かれます。

〇 タイヤは太い方が旋回モーメントは働きやすい事。逆に、自転車タイヤの様に細いと働きにくい
〇 バンク角は大きい方が 旋回モーメントも大きくなる
〇 ブレーキで生まれる旋回モーメントは、ブレーキの力の大きさでで変化する

つまり、自転車の様に細いタイヤでは生まれ難く、太いタイヤほどブレーキをかけた時にタイヤの向きを変えようとする “旋回モーメント” は大きくなり、バンク角が大きく、かけるブレーキの力が大きい程に “旋回モーメント” は大きく働くという事です。
この事は、自転車とオートバイを乗り較べた事のある人なら誰でも感じている事でしょう。
  
ここで、ブレーキによる旋回モーメントと特定な条件での現象の様に感じる人もいるでしょうが、実際には タイヤは常に路面抵抗というブレーキと同じ力を路面から受けているので、ライダーがブレーキをかけなかったとしても常に “旋回モーメント” は発生しているのです。
また、この “旋回モーメント” が逆にライディングの妨げになるのを防ぐ為に、1990年代以降太く変化してきた前後タイヤの幅ですが、フロントタイヤ幅だけが 120㎜ 止まりになっている事の説明もつきます。
 



『 ライディングへのヒント 』

このタイヤに働く “旋回モーメント” を正しく理解して、安全で楽しいライディングに生かすには、1970年代以前から言われ続けている ライディングセオリーやライディング都市伝説の幾つかを忘れてしまう必要があります。
詳しい解説は、GRA公式Webサイトの【 バンク角と旋回特性との関係 】P.2 ~ P.3 (3月初めに掲載予定)で、分かりやすい解説図を入れて行ないますが、“旋回モーメント” の解析から次のライディングヒントが導かれます。
  
〇 コーナリング・旋回中に、前後ブレーキを使うのは車体の安定性を増すが、 後輪ブレーキの使い
  過ぎは旋回性をスポイルする

〇 小回り・タイトターンで、リアブレーキを引きずる様に強くかけ続ける乗り方は決して効率的ではなく、
  上手なライディングとは言えない

〇 リアタイヤの旋回性を高めるには、ブレーキ時とは逆の向きの “旋回モーメント” が適任
  
つまり、バンクさせたまま可能な範囲で加速する走り方が、オートバイにとって最も効率良く旋回できるライディングだと言えるのです。
これらの事もオートバイを良く知っている人は感じている事ですが、“旋回モーメント” の特性を理解する事でもっと正しく安全なライディングは可能になります。
とは云え、この特性を正しく利用するには、1970年代以前から言われ続けているライディングセオリーの多くを一度忘れる必要もあるでしょう。
  
詳しくは、【 バンク角と旋回特性との関係 でご覧下さい。
 


 
GRA公式Webサイト【 バンク角と旋回特性との関係 】

http://gra-npo.org/lecture/ride/lean_and_turn/turningchara_1.html


   
  
  
  


バンク角と旋回特性との関係 (1)

2020-02-05 19:39:33 | 基本講座・ライディング

先日(1/23)開催したイベント『セミナー』では、バンク角の考え方について、「お題」を一緒に考える形で進めました。        

オートバイの旋回力を決めるバンク角はどこなのか? という問いかけですが、探究と解説を進めるにつれて予想外に深い話にまで到達したので、みなさんにとっても参考になる点が多いと考えて、その時の内容を 公式Webサイトに 2~3 回に分けて掲載します。
   
きっと、旋回についての考え方に新しいヒントを得て、より効率良く、より適切で安全なコーナリングへと繋がると思いますので、是非、ご覧ください。
   
【 バンク角と旋回特性との関係 】
http://gra-npo.org/lecture/ride/lean_and_turn/turningchara_1.html

 

< 以下、一部紹介 >

「 オートバイの旋回(コーナリング)特性や旋回力は、バンク角の大きさによって決まるという考え方が広く信じられていますが、それはオートバイの特性を正しく理解していない考え方です。」

「 適切で安全な旋回を行なう為には、バンク角以外に理解すべき事があります。」

   
   
   


『 タイヤから診る、ライディング 』 第4章、完成!

2019-11-21 23:41:17 | 基本講座・ライディング

ライディングの癖や良し悪しは、すべてタイヤ表面の摩耗痕で判断できます。
誰にも分かりやすく、簡単な言葉と説明図を使って解説したコラム 『 タイヤから診る、ライディング 』も、今回は実際の摩耗痕の画像が入り、その解析文章とで一番興味深い内容になっています。
  
ライディングに興味のある人は、ぜひ、一度ご覧ください。
 
『 タイヤから診る、ライディング 』 第4章
http://gra-npo.org/lecture/ride/tire%20diagnosis/Tire%20diagnosis_4.html    


                    *         *        *        *         *       *       *      

< 一部を紹介します >

前回までの解説で、タイヤ表面に残る “ 摩耗痕 ” の方向には色々なパターンがあり、よくある遠心力だけに応じた旋回・コーナリングをするライディングの場合にはタイヤの向きと平行な摩耗痕が残り、バンク時にも減速や加速を効果的に行なっている場合には、平行でない向きの “摩耗痕 ”がタイヤ表面に残る事を説明してきました。
   
今回は、実際にタイヤ表面に残された “摩耗痕”の画像を紹介して、その 摩耗痕 が出来た走行条件や理由の解説をしよう。


〇 トレッド中央外側 : 中央部からトレッド外側へと移る場所に、タイヤの向きに対して90度
  より小さな 80度 程の角度で摩耗痕が残り、進行方向への 加速と同時に旋回を行なって
  いる結果だと推測できる
 
〇 トレッド外側 : トレッド外側へ視線を移すと、摩耗痕の角度は 80度 から 60度 ほどに変化
  していて、中央外側よりも、加速時の旋回の役割を多くこなしている事がわかる
  
〇 トレッド端部 : 端部になると、摩耗痕は中央外側部などとは逆の向きになり、明らかにバン
  キングブレーキによる 減速 による結果で、ノーブレーキでの基本練習であることから、効果
  的な旋回ブレーキ力を利用出来ている結果と推測され、ブレーキを使った場合には、この
  約 50度 よりも大きな 60度前後になると推測できる


< 以上は、一部紹介です >