ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

エルメスの箱

2008-08-17 09:52:35 | ロンドン・hcla


H BOX @TATE Modern, (Didier Fiuza Faustino)

テートモダンのタービンホールに「停泊中」の移動パヴィリオンを見てきました。



「HBOX」と書かれたアルミ板の向こうにスクリーンがあり、8本の短編映像を繰り返し流しています。内容は移動するたびに少しずつ入れ替わっているらしい。



一度に入れる人数は15人まで。長蛇の列ができてます(一時間半並びました)。



外装はアルミニウム。解体して運び会場で組み立てます。去年パリのポンピドゥーセンターで初公開され、スペイン・ルクセンブルグを経由しロンドンに来ました。



黒い樹脂のようなものをアルミニウムの薄板で挟んだパネルで構成されている。



接合部の詳細。ちなみに「H」とは企画制作をしたエルメスの頭文字である。



タラップの詳細。接合部はすべてこの丸穴のネジ(鋲?)で統一されている。



脚部の詳細。月面探査船のような足が出ている。地面が多少でこぼこでも微調整して水平を保てるということか。下を覗き込むと中央付近に車輪が見えた。組み立て時の自重は車輪で支え、人間の加重をこの足が支えているのかもしれない。



普通は見ないようなこんな裏側にもしっかり「H」な接合部。



正面の黒いアクリル板は内側からは透けている。内装はスピーカーのような布。



入り口側に備え付けられた映写機から出た配線が天井を這っているのが見えたので背面に回ってみると、プラグがちょろっと出てコンセントにつながっていた。



会場やパンフでは構法的な意味での説明は無し。ヴィジュアル的には凝っててかっこいいけどあまりシンプルではないですね。真のポータビリティよりも、「世界を旅する旅行鞄のような」という雰囲気/佇まいが重視されているのだと思う。



列は途切れることがありませんでした。テートモダンには明日まで展示。そのあとは日本の横浜トリエンナーレに巡回し展示されるみたいです。

帰りにロイヤルフェスティバルホールでミュージカル『オズの魔法使い』も観てきました。バレエダンサーのアダム・クーパーがブリキのきこり役で出ているのですが、見せ場は初登場シーンで唐突に始まるタップダンスくらいであとはもっぱらコーラス。キャスティングの意図が謎でした…。姿勢はすごくよかったけど。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昼寝 | TOP | 五輪 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | ロンドン・hcla