ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

ゴミの分別の話

2008-07-07 02:47:19 | ロンドン・hcla
僕の住む地域では8月1日からゴミの分別が義務化されます。「リサイクルできるもの」「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」のたった三種類なので、東京で生活していた人から見ればそれでもだいぶゆるい分別なのですが、今まで「ゴミ」に何のカテゴリ分けもしてこなかった大家さんはどうしたらいいかわからないと嘆いています。

それぞれ「グリーン(リサイクル)」「グリーン(その他)」「グレイ」と名づけられているのですが、同じ「ペーパー」でも、それが新聞雑誌か、シリアルの箱か、洗剤の箱かによって行き先が異なります。アイデアとしては、古紙として再生できるもの・通常の紙製品・ビニールを含んだ紙製品ということだと思うのですが、通達には、具体例しか書いてないので誤解を招いているわけです。大家さんは新しくゴミ箱を二つ買ってきて、入れるべきものをマジックでゴミ箱の蓋に書き込んでいたのですが、まったく間違っていたので教えてあげました。違反したひとには1000ポンド(日本円にして22万円相当)の罰金が課されるそうです。子供のいない(環境意識低い)大家さんは、この事態をただただ「シット」というばかりです。

金曜日の夜に同僚たちと連れ立ってAAの卒業設計展に行ってきました。以前ちょっとだけ手伝ったひとの作品も出ていて、改めて説明してもらったりしました。そのひとの作品もそうなのですが、ゴミ処理場に関する提案をしている作品が目に付きました。問題提起として、イギリスから発展途上国に「輸出」されたゴミが現地でただ地面に積み上げられているという写真が使われていたりします。

同じロンドンでも、地域によってゴミの分別制度は異なります。例えば僕の同僚が住むもっと北の地域では、ゴミの分別は5種類で、生ゴミは新聞紙にくるんで捨てることになっているそうです。会社でも、集合住宅のプロジェクトだと、現地の役所に連絡してゴミの収集方法を聞いて、必要な数だけゴミ箱が置けるようにまた必要なゴミ収集車が通行できるように適切なスペースを確保します。

日本の「プラ」「紙」みたいな感じで、製品の外装に分別カテゴリが明記してあれば誤解を招かずに済むと思うのですが、同じロンドンの中でさえ地域ごとに分別方法の異なる現状ではそれもうまくいかないのでしょう。窮したあまり、分別する人を雇ったり、まだ分別がゆるい地域にゴミを運んで捨ててしまう人もいるらしいです。
Comments (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« RHG、リスト入りを免れる | TOP | ご褒美 »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
環境 (かわしま)
2008-07-07 10:17:53
http://nasu.seikatsusha.net/back/item/1167526830/1169565726.html

東京では、これまで不燃ごみとして収集していたプラスチック類を可燃ごみとして収集し焼却する地域が拡大してきています。

生ゴミはカロリーがプラスチックの1/10の低さであり、自分で燃える限界が600キロカロリーなので、自治体は燃やす時に都市ガスや灯油を助燃材にして追い炊きしている。

。。。

分別すればいいってもんでもないんですね。
本当に「地球環境にいい」というのはどういうことか、しっかり考えることを忘れないようにしないといけませんね。
世の中、というか行政や大企業は、どうも「イメージ」先行過ぎる感が否めない。。
返信する
燃やさない (こみ)
2008-07-08 07:15:50
なるほど。イメージを鵜呑みにして考えていなかった自分に気づいた。「燃える」からと言って燃やせばいいというもんじゃないんだね。こっちでもやっぱり生ゴミはgreen(organic)として別に回収されています。おそらく燃やさないのだと思っていたけど、そういえばその先どうなるかまでは書いてなかった。回収口は分かれていても中でつながってるゴミ箱ってあるよね。

社外の人とメールのやり取りしていると、メールの末尾に「本当に必要なとき以外はプリントアウトしないでください」という表記がしてあるものをよく見かけます。それでも会社にいるとミスプリやらスタディやらで大量の紙ごみが出てしまいいつも罪悪感を感じていました。それを憂慮した有志で裏紙を使って所員用スタディノートをつくることにしました。高次な情報化と所有という付加価値によって紙のライフサイクルを伸ばせたよ、みたいな。
返信する

post a comment

Recent Entries | ロンドン・hcla