goo blog サービス終了のお知らせ 

ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

君は指揮者、君がボス

2005-11-29 07:48:46 | ミュンヘン・TUM
BACK IN THE WORLD / PAUL McCARTNEY

ビートルズ本体のみに飽き足らず、最近ポール・マッカートニーのソロアルバムにまで手を伸ばし始めた僕。特にこのアルバムはライブ版なのでビートルズ時代の曲のセルフカバーが多い。iTunesに入れて最近よく聴いている。


昼過ぎにマックスと待ち合わせ。
週末に考えたことを伝え合う。だいたいおんなじことを考えていたので、お互いの主張がすんなりと受け入れられてしまう。簡単な方へ流れてしまっているのかもしれない。小さくまとまってしまわないようにそろそろ次のブレイクが必要だが、とりあえず明日のエスキスまでは今考えていることを推し進めることにした。やるだけやったうえで、問題点を洗い出すことにしよう。

三時からホールデンの講義。
今日は「住宅」の第二回。今回は東アジアとオセアニアの住宅についてである。ホールデンは到着が遅れているらしく、アシスタントが黒板に空港とレンタカーと高速道路の絵を描いて「今この辺です」みたいなしぐさ。15分ほど遅れて到着したホールデンはアシスタントの絵を見て笑いながら「君は絵が上手だね。かわいらしい。僕よりもずっと上手だ」とお世辞を言った後、「小さな一家族のための住居は、建築を学ぶためにもっともよい教材である」とおもむろに語り始めた。英語で始まる講義に今日も学生からはおきまりのブーイング。
ホールデンが好むオセアニア地区の建築家を列挙しながら、nature、material、simple…とキーワードをあげていく。「touch the earth lighter(地面に軽く触れること)」がこの地域の建築の特徴であり、自分はそのスタンスが好きだとホールデンは言う。sea plane(水上にも着陸できる小型飛行機)から観た大地の話から、シークエンスと建築の話へ。それぞれの建築家が自然との付き合い方をどのように選んだかについての話が続く。フォスターのハウスジャパンも出てきた。最後は「今日の話の中で一番大事なところはどこだかわかるかな?」と前置きした上で、「君たちは建築家であることを忘れてはいけない。君たちがすべてに責任を持つのだ。君たちは指揮者だ。君たちが指揮棒を振らないとバイオリンは演奏を始めないだろう。君たちが決めるんだ。君たちがボスなんだ。わかったね!」と閉めた。

四時から超初級ドイツ語講座。
初めに簡単な試験がある。問題はあまり解けなかったが、答え合わせをしながらだいたいの疑問は解決した。リスニング問題が少し聞き取れるようになってきたのがうれしい。授業が終わった後、みんなで先生を囲んで大学の機関紙掲載用の記念撮影をする。みんな普通に笑顔で写っているのに、なぜか胸に手を当てて神妙な顔つきになるギドが可笑しかった。

ドイツ語講座が終わってから演習室に戻りマックスとミーティングの続き。
マックスが帰った後も図書館で一人スタディを続け、明日のエスキスに備える(明日はスイスの学生とやっているシルバプラーナスタジオの方が忙しくて僕らのe-chスタジオはエスキスは無いという噂もあるけれど)。
そろそろ図書館が閉まるので帰ろう。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

imagine!

2005-11-28 11:48:10 | ミュンヘン・TUM
Staatstheater am Gaertnerplatz

朝起きるとひどい頭痛。
二日酔いから立ち直るために、シャワーを浴びて毛布に包まりながら生野菜を食べる。昨晩酔っ払った僕が酒と間違えて酢を飲んだという話をかいくんから聞いて、我ながら自分の酔いっぷりに引いてしまった。夕方までは重い頭を抱えながらパソコンに向かう。

六時半頃家を出て、ガルテナープラッツにミュンヘンバレエ団の公演を観に行く。

今日は「imagine!」と題された現代バレエの演目の初日。
開演時間ギリギリに飛び込むと会場内はすでに暗転していた。係のおじさんにチケットを見せると、誰もいないバルコニー席に案内される。いわゆるバルコニー席よりもさらに舞台に近い(演者と目が合ってしまいそうな距離)。舞台のこちら半分は死角になっていて見えない。その代わり反対側の舞台袖の中まで見えてしまう。僕の頭上にはステージを照らす照明設備。まるで関係者席だ。立見席(3ユーロ)を除けば、前売り5ユーロのこの席が一番安い。ダンスを学ぶ貧乏学生などがこの席をよく利用するらしい。
舞台が明るくなり、演奏と共に演者が踊り始める。バルコニーから身を乗り出して観ると、演じ手の息づかいまで聞こえてきた。舞台袖から指示を出す演出家も見えるし、踊り終えて袖に消えていく踊り手たちがカーテンの後ろで息を整えている様子も見える。ゆっくり歩いて息を整える人もいれば、いきなり仰向けに横たわってあえいでいる人もいる。指折り秒数を数えながら舞台に走り出るタイミングを計っている人もいる。舞台袖にいるときでも、みな姿勢がいい。

今日は五つの演目のオムニバスだった。
最初の演目は「罪人の息吹」。
質素な衣装に身を包んだ男が頭を抱えながら踊り、その周りではエナメルの衣装に身を包んだ数人の男女が影のようにして彼に付きまとう。1テンポ遅れながら影たちが同じ動きをしたり、男の動作を影たちが増幅したりする。最後は男が影たちによって舞台上に放り投げられて叩きつけられ、息を切らしながら昏睡しているうちに影たちは舞台袖に去っていく。すると男は這いずりながら立ち上がり、客席に向かって手を差し伸べながら何かしゃべろうとしたところで舞台は暗転。会場は拍手に包まれた。

次の演目は「ボゼット(BOZZETTO)」。
ビヴァルディの曲に合わせて、パステルカラーのゆったりした衣装に身を包んだダンサーたちが優雅に踊った。

次は「値打ち」。
古代ローマの剣闘士のような白いミニスカート風衣装に身を包んだ男女のダンサーが、白いひらひらのドレスを着た女性を中心にして踊る。剣闘士たちは激しく踊り続け、ドレスの女性は舞台袖を出たり入ったりしながら、彼らの間を縫うようにゆっくりひらひらと踊る。

四番目の演目は「恋人たちのスカアト」。
スカアトは三人で遊ぶトランプゲームの一種。舞台上に寝そべりながら登場した三人の高校生風の男たちが、タバコに火をつけて煙と戯れながら踊る。煙が舞台上に充満したところでタバコの火は消え、男たちは煙にむせて激しく咳き込む。するとそこに登場した女学生風の女性が「もう、そんなにむせちゃって!かっこつけてタバコなんか吸うからでしょ!」と“日本語で”男たちを叱る。このバレエ団には日本人ダンサーが男女二人所属しているらしい。そこから舞台上に次々とダンサーが登場し、舞台のあちこちでさまざまな言語が入り乱れながら脈絡無く会話が始まる。舞台設定は新学期のハイスクールだろうか。「君もブラジル出身なの?僕もだよ!よろしくね」「スペイン人らしいところ見せろって?いいよフラメンコ踊ってあげる」スペイン人が陽気に踊っているところへむっつりとした日本人の男が現れ、「○×△□*!」となにやら大声で怒鳴り散らしてから、ガンを飛ばして去っていく。舞台の背景には踊り手たちの子供の頃の写真が大写しされ、ダンサーたちは二人一組になりながら付かず離れずのダンスを始める。だんだんそれぞれのダンスが混じり始めるが、あるカップルは男性が女性に暴力を振るい始める。それを他のダンサーたちが止めに入り、舞台上は混沌としていく。

最後の演目は「歌う天使たち」。
3つの異なる物語をそれぞれダンサーが数人ずつで分担して踊り、最後にそれが一つの物語に帰結するというもの。これまでの演目に登場したダンサーがすべて舞台上に現れ、最後はダンスの大合唱のようにして舞台上がにぎやかになった。ロングスカートのような衣装がダンサーの動きに合わせて空気を切り裂く音が客席まで聞こえてきた。踊り終えたダンサーたちは皆汗だくだった。

プログラムを購入すると、バレエ団のメンバーが顔写真入りで紹介されていた。
ドイツ人は男女一人ずつしかいなくて、国籍はさまざま。ポルトガル、スイス、ルーマニア、チェチェン、スコットランド、イングランド、アメリカ合衆国、ブラジル、フランス、スペイン、イタリア、オーストリア。そして日本からはアライミキコさんとナカタユタカさん。主任コレオグラファーは英国人のフィリップ・テイラーという人らしい。

寮に戻り、かばさわくんらとのキムチ鍋パーティに途中参加する。
かばさわくんうちべさんかいくんくろさかくんとアネグレットとダニエルとダニエルの彼女が参加。十二時過ぎくらいまで鍋をつつき、ダニエルらが帰った後はコーヒーをすすりながら日本人だけで語らった。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たっぷり歩きたっぷり飲む

2005-11-27 23:35:05 | ミュンヘン・TUM
skating rink

昨晩はかいくんにおつまみを作ってもらいながら二人で寮で飲んだ。
スーパーで買っておいたドイツワインやビールを飲む。同じフロアの女の子たちが飾りつけたキッチンで、かいくんのituneに入っている音楽をジュークボックス代わりにして。僕は久しぶりに気持ちよく飲めたのでどんどん飲んでしまい、最後はどんな風にして終わったのか覚えていない。気づいたら翌朝で、自分の部屋のベッドに毛布に包まって寝ていた。


昨日は珍しく朝早くから起きていたのでミュンヘン市内をぶらぶら歩き回った。

まずはオリンピアツェントラムへ。
雪の積もったフライオットーの屋根を眺めながら、静かなオリンピック公園を歩く。ときどき犬の散歩をする老人や駆け回る子供たちの集団とすれ違う。BMWミュージアムをはじめ、来年のワールドカップに合わせて改装中の建物が多い。オリンピックスタジアムも閉鎖中である。体育館の中に入ると、子供たちがクラブ活動をしていた。市内の大学生は格安でこれらの施設を利用できることになっている。公園の周りは集合住宅が立ち並んでいるが、どれも“一昔前の未来”的な造形をしていた。

つぎに、Sバーンに乗ってミュンヘンの西の果てへ。
市内を東西に貫くSバーンの路線に乗って、西へ西へと進んでみる。ときどき途中下車して駅前をぶらつく。だんだん駅前が寂しくなっていって、駅も簡素なものになっていく。線路とホームと、申し訳程度に屋根があるだけ。駅前からいきなり大きな道路になり、かなり歩かないとお店にたどり着けない。ただしトラムやバスは通っているので、地元民はそれらをうまく乗り継いで使っているようだ。

前日に調べておいた住所を頼りにホームセンターBAUHAUSを探す。
Donnersbergerbruecke駅で降りて、Landsberger通りを西へ歩く。ほどなく巨大な建物が目に入った。外壁に小さくBAUHAUSと入っている。ガラスのルーバーに囲まれた部分は立体駐車場だったらしい。本体はその後ろにくっついていて、やはり巨大な建物。中に入ると3層くらいの高さに吹き抜けていて、ところせましとあらゆる建材が陳列されている。入り口で“地図”が配られていたのでそれを見ながら回る。無いものを探す方が大変なほど、なんでもあった。「欧米ではホームセンターにおいてあるものだけで家が建てられる」と聞いたことがあるが、本当にそうかもしれないなと思った。あわよくば模型に使えそうなスタイロフォームでも安く買っていこうかと思ったが、サイズが住宅サイズでしか売っていなかったので断念。分厚いカタログを一冊もらって帰る。

マリエンプラッツに戻ってクリスマスマーケットに参加する。
特設のスケートリンクを眺めながらグリューワインを飲んだり、露店を冷やかしながら歩いたりする。 州立歌劇場のチケットボックスで明日のバレエ公演のチケットを購入。明日の鍋の材料を買っていたかいくんらと合流し、一緒に寮に帰る。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FOOTBALL DREAM

2005-11-26 17:37:09 | ミュンヘン・TUM
A couple in KASHIMA SOCCER STADIUM (2005/04/24)

留学ともミュンヘンとも関係ないけれど。

今日もインターネット上で鹿島アントラーズの試合を観戦した。
今節はアウェイ戦なので公式サイト上のストリーミング音声実況は無い。1分ごとにリロードされるテキスト実況を観ながら、今週もやきもきする。長らく独走で守っていた首位は明け渡してしまったが、上位陣の不調もありここ何試合かは「勝てば首位浮上」というおいしい状況が続いていた。しかし結果は3分1敗。今日も結局引き分けて首位浮上ならず。じりじりと順位が下がっていく。またもや上位がもたついたので最終節まで優勝の可能性は残したが、1試合を残して5チームに優勝の可能性が残るという空前の大混戦になった。首位にも立てず、かといって優勝の可能性も消えず。シーズン序盤から独走したのに、夏の間に続けて6敗もしてしまったのが痛かった。得失点差から言ってもけして優位とはいえない。
セレーゾ監督はこれが最後のシーズン。負けても引き分けても優勝ラインに踏みとどまって来たことを振り返って「神様が私たちに優勝させようとしているとしか思えない」と彼は言った。残り一試合、FOOTBALL DREAM(アントラーズのスローガン)を信じよう。

今日はホームセンターをいくつか回ってドイツの建材事情を調べてみる予定。
とある先輩の修論のお手伝いである。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マックスのスイッチが入る

2005-11-26 02:37:56 | ミュンヘン・TUM
max (making a model)

マックスとのうまいコラボレーションの仕方が今日ようやくわかった気がした。
雨降って地固まるとはこのことだろう。今後ドキドキする展開が待っている予感。


12時に演習室でマックスと待ち合わせ。個人スタディの成果を披露し合う。

マックスはマテリアルについて調べてくることになっていた。
どこかのサイトからダウンロードしたらしいPDFファイルを開いて僕に説明してくれた。モノ自体は僕も見覚えのあるものだったが、僕が驚いたのは彼の“構造”に対する興味の深さだ。比重あたりの強さであるとか、どのような組み合わせ方が効率が良いとか、もちろんPDF上に文章で書いてあることなのだが、それをきちんと理解して説明してくれているように感じた。そういえば以前ドレスデン時代の「構造力学」の教科書を見せてくれたときに、「昔は嫌いだったけど、今は構造が一番好き」って言ってたっけ。それに二人で模型をつくっていても、「じゃあ僕は足をつくるね」とか言って“足”(フレーム)ばっかりつくりたがっていたな。話をしているうちに彼がフライ・オットーの信奉者だということがわかった。こと材料や構造の話になると、彼はがぜんやる気になるようだ。そうか、それがマックスの起動スイッチだったのか。

続いて僕は設備システムや全体のデザインについて提案。
設備や構造やエネルギーやその他もろもろがインテグレイトされたコンパクトな仕掛けを考えようとしている。参考になりそうな事例や、僕が描いたスケッチを見せながらマックスに説明する。ロールのトレーシングペーパーを使って話し合いをするようになってから、ディスカッションが格段にスムーズに進むようになった。僕が描いたスケッチに重ねながら、マックスと二人でスケッチを描き足していく。最近マックスは僕のことをだいぶ信用してくれているようで、僕の方針に従ってくれるようになった。僕が今週の初めに描いたスケッチを全体像として、このまま僕が環境制御的な視点から話を進め、マックスは構造的な面からアプローチを続けることになった。それぞれの面から平面計画についても検討し、両者の一致点を探る。すべてが手探りだった状態からだいぶ状況は好転してきた。

「おなか空かない?ゴールデンMに行こうよ」「なにそれ?」「来ればわかるよ」
昨晩また雪が降って、外に出ると痛いくらいに寒い。ドレスデンのクリスマスマーケットの話をしながら歩いていくと、黄色いMの看板の店に着いた。「ゴールデンなMでしょ?」「なんだ…。いつものマックじゃん」バーガーキング博士のマックスからいかにバーガーキングがマクドナルドより優れているかの話を聞かされながら、チーズバーガーをほおばる。「君は何年バーガーキングで働いてたの?まるで生き字引だね」「ジョブ(仕事)じゃないよ。パッション(情熱)さ!」「それもどうせバーガーキングの標語かなんかなんでしょ?」

大学に戻ってからはCAADルームでそれぞれリサーチの続き。
マックスが集めて見せてくれる画像を「ああ、これは誰々の○○という建築だね」とかいちいち指摘していたら、「ふ~ん、じゃあこれは知ってる?」と言って変な動画を集めたサイトを見せてくれた。裸のお尻かな~と思っていると肘だったり、メガネのサラリーマンが突然パソコンをハンマーで壊しだしたりするシュールな映像集。「知らないよ、そんなの…」「君にも知らないことはあるのさ~」「わけわかんないよ」

週末はそれぞれが担当箇所について三案ずつ考えてくることになった。
僕がスキンと設備について三案考えて、マックスがそれを支えるストラクチャーについて三案考えてくることになった。また、それぞれが各々のアプローチからプランについても3案考える。週末はそれぞれのアイデアをメールでやり取りすることにして、月曜日にそれらを僕がオーガナイズして、二人で一緒にプレゼンを作ることにした。

図書館で一人でスタディした後、地下鉄U3の西の果てにあるホームセンターに取材に行って、大学に戻ってからは敷地模型をつくっているシルバプラーナスタジオの手伝いを少しだけさせてもらって、寮に帰ってからくろさかくんと晩御飯を食べた。くろさかくんが漬けたキムチを食べさせてもらう。「おいしい!」と言ったら、「ではこの方向でスタディをさらに続けてみます」とくろさかくん。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉兆

2005-11-25 08:30:07 | ミュンヘン・TUM
Mr. Santa Claus in shoe store

夕方からかいくんとクリスマスマーケットに向けて準備中の市内へ出かける。

中央駅のサービスカウンターでDBカード申請の手続き。
このカードを提示するとドイツ国内の長距離列車料金がすべて半額になる。学生は100ユーロでこのカードを作ることができるとやまぐちさんから教えてもらったのである。有効期間は一年間。大学が休みになったら電車でドイツ国内を回ろうと計画している。

駅の近くの旅行会社トーマスクックでロンドンまでの航空券の手配。
希望の日程を言って手配してもらったが、最安でもひとり210ユーロ程度かかるとのこと。クリスマスシーズンが近い上にロンドンは税金が高いので、どうしてもそのくらいの値段になってしまうらしい。前日の夜にインターネットで調べた価格よりも70ユーロほど高かったので、その場では買わないことにした。インターネット上で最安だったブリティッシュエアウェイズの窓口はミュンヘン市内には無いそうなので、寮に帰ってからインターネットで予約することに。

マリエンプラッツで冬物の靴下や下着を購入し、そのまま新市役所前の広場へ。
クリスマスマーケット用の露店が広場を埋め尽くしている。ほとんどの露店はまだ閉じたままだったが、中には開いている店もいくつかあって(開店準備中?)、クリスマスツリー用の飾りを売る店や、ソーセージの屋台、グリューワイン(ホット赤ワイン)バーなどが並んでいた。近隣のデパートもクリスマス商戦に向けて着々と準備中だった。カールス広場では仮設のスケートリンクが出来上がっていた。

バイエルン歌劇場の横を抜けて、日本料理の店「キッチョウ」に行く。
歴代AUSMIP生が皆ひいきにしていたというレストランである。「行ったら必ずいいことがあるよ」と去年の先輩から言われていた。僕はてっきり「吉兆」だと思っていたのだが、看板には大きく「喜丁」。店を切り盛りするおばさんはとても威勢のいい人で、僕らがAUSMIP生であることを言って去年の先輩の話をすると、すぐに「あなたたちが今年のAUSMIP生なのね!話は聞いてたわよ。遅かったわね、いつ来るかと待ってたのよ!」。僕らが近々店を訪れることを、帰国前日に立ち寄ったやまぐちさんも話しておいてくれたらしい。料理を運ぶ合間にいろいろと話を聞かせてくれる。日本人同士で親睦を深めるアミーゴの会の話や、家族を連れて店を訪れてくれたAUSMIP生の話、帰国後にコックになったAUSMIP生の話、二カ国目のポルトガルから日本に帰る前にもう一度喜丁に寄ってくれたAUSMIP生の話…。料理もおいしかった。「2月までいるの?またちょくちょく来てよね!」

中央駅の中にあるバーにはしごして、大画面テレビでサッカー中継を観る。
UEFAカップを中継していた。ヘルタベルリン対ランスの試合はスコアレスドロー。続いてキックオフしたモナコ対ハンブルガーの試合を前半終了まで観たところで寮に帰る。

かいくんを部屋に呼んでインターネットで航空券の予約。
僕らは15日にロンドン入りし、16日から19日まではAUSMIP生みんなで市内を周遊する予定。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スタジオ始まって一ヶ月

2005-11-24 13:10:30 | ミュンヘン・TUM
マックスとの話し合いは一時間ほどで終わった。

エスキスの結果報告をして、これからやるべきことの確認をする。
進むべき道筋が決まったことで、マックスも安心した様子。「この部分についてリサーチをしたい」と珍しく自分から言い出してくれたので、僕も安心した。リサーチすべき事柄を二人で分担し、四時ごろ解散。今週は金曜日にもう一度集まり情報交換をして、週末にやることを決める予定。そういえばスタジオが始まってちょうど一ヶ月がたった。

超初級ドイツ語講座で久しぶりにギドに会う(僕がしばらくサボっていただけ)。
彼はホールデンスタジオの履修を断られてしまったらしい。中間講評会に参加していなかったので当たり前であるが、情報さえしっかり手に入れていれば状況は違っていただろうに悔やまれる。アシスタントとは連絡を取り合っていたようだが、話がかみ合わないことも多かったようだ(ギドは英語も苦手なのだ…)。エラスムスという交換留学プログラムで来ているギドがどのようなものをつくるのか興味があっただけに残念。「これから今学期はどうするの?」と聞くと「わかんないよ。何もすることないよ」としょげていたのでそれ以上何も言えなかった。

図書館に残って、スタジオの参考になりそうな資料・図面をひたすらコピーする。

夜はくろさかくんいそのさんあきらさんかわもとくんかいくんと一緒に食べる。
いそのさんがまた料理を作ってきてくれたので(ハンバーグのトマト煮)、くろさかくんがつくったボルシチと一緒に僕のフロアのキッチンでおいしくいただく。食器の数が少し足りなかったけど。ニシンの話(オランダには海があるのでニシンがおいしいらしい)や旅行の話やブログの話をしていたら、いつのまにか12時を過ぎていた。そろそろ彼らは終バスの時間。

明日はロンドン行きの安い航空券を手配するためにかいくんと旅行会社に行って、そのあと一緒にゲーツギャラリーに行く予定(もし今日送った観覧予約のメールの返事が明日中に届けばだけど)。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中間講評から昨日までの話

2005-11-24 12:38:38 | ミュンヘン・TUM
約束の時間から一時間くらい遅れて大学に着く。
マックスは別の講義の課題をしていたのでそのまま作業を続けてもらって、僕はその間に二人で話し合うべきことを整理する。

以下、昨日までの話。

昨日はマックスが他講義で調査に出かけていたため僕一人でエスキスを受けた。
僕らの考えてきたことと、これから進もうとしている方向を説明するために、具体的な提案を示す。言葉が不十分な分、絵をたくさん描いた。ひたすら描いた。それらをまとめたものを使いながら、ホールデンとアシスタントさんに説明する。僕の使うあやしい英語表現にときどき眉をしかめながらも、たまにうなづきながら最後まで聞いてくれた。アシスタントさんは僕の描いたダイアグラムに興味を持ってくれて、「君の考えはコンセプチュアルな気もするけど、共感は出来るよ。確かにこの考え方は今までなかったね。でもそれは、これがやりたくても難しいことだということも意味しているよ。そこをどう解決するかがまだわからないね」と。ホールデンは僕のコンセプトに賛成してくれて「君のやりたいことはわかったよ。面白いと思う。だったらこうやってみたらどうかな?」と言ってさらさらとスケッチを描いてくれた。そのあと僕のスケッチに加えてホールデンのスケッチも参考にしながら三人で議論。アシスタントさんとホールデンの好みが違うことがよくわかったが、自分の中では問題点は整理された気がする。僕らは模型をボール紙でつくったのだが、「次回は“白い”模型を期待しているよ」と注文をつけられた(ホールデンは白い模型以外許さないという噂は本当だった)。最後にホールデンが「ところで君の名前は何と言ったっけ?」と言って僕の名前をメモってくれたのがうれしかった。

そのエスキスのための準備を昨日マックスと二人で徹夜で準備していたのだ。

先週はマックスが都市計画演習(必修)の準備で忙しかったために、二人一緒の作業時間はあまり取らなかった。二人で一日中顔を突き合わせていても新しいアイデアは出てこないことが前の週まででわかっていたので、一人で考える時間も必要だと思い、定期的に集まるのは水曜日と金曜日と月曜日(+週末)にしようとちょうど僕が提案したところでもあった。
マックスは必修の講義が多くて忙しいというのもあるのか、僕の進め方に賛同はしてくれるものの、新しいアイデアを持ってきてはくれない。手が動かないわりに妙なところにばかりこだわりを持っているマックスを見ていると、まるで一年前の自分(いや、今だってまったく変わっていないかも)を見ているような気持ちになる。マックスは僕に似ている。だからマックスの気持ちもよくわかる。僕もこんなこと言ってたな、僕もそんなことしてたなって思うことが多々ある。今は僕の方がマックスよりも少しだけ経験が多くて回りが見えている分、僕は彼をリードしていかなければならない。だから僕には、彼を導けるだけの下準備にかける時間が必要なのだ。金曜日のエスキスではアシスタントさんから「きみたちはまだ多くのことを一度に解決しようとしすぎているんじゃないかな。もっと自由に考えてごらんよ!」とまたもや全否定された。なので、週末は新たな案をつくらねばならなかった。

月曜日は雪が降り、10センチくらい積もった。
朝、マックスからのメールで目が覚める。「すごい雪だね。朝からミュンヘン市内に行こうと挑戦してるんだけど、この努力も無駄みたいだ。後で電話する」。マックスは「車で30分+電車で1時間」なところに住んでいる。「OK。すごい雪だね」と返信し、一人で大学へ行って模型用加工室の使い方のガイダンスに出る。
その後も一人作業室でスタディを続けるが、マックスから連絡は来ない。そのまま夕方になってしまったので、マックスに電話する。「まだ電車は動かない?今日は大学に来れないの?だったら僕らは当初の予定(二人で集まって明日の準備をする)を変更しないといけないと思うんだけど」「七時には大学に行ける。だから今日はそれから徹夜で作業しよう。ヨースケは疲れただろうからそれまで休んでていいよ」「わかったよ。七時に作業室で会おう」。マックスが来るまで図書館で資料を探しながらスケッチを続ける。マックスとは七時に落ち合ったものの、やはり週末にアイデアは思いつかなかった様子。しかも明日は別の課題で建築事務所にインタヴューをしに行かなければならないので、エスキスには参加できないという。僕が主導でいかなければ何も進まないことはわかっているので、今回は僕が用意したアイデアを軸に模型とプレゼンをつくることにする。カッターもカッターマットも持っていないマックスに仕事を割り振るのは大変…。僕がいくつか模型をつくった後、マックスに道具を貸して模型の続きをつくってもらい、その間僕はもくもくとスケッチを描き貯める。

先週の中間講評会、僕らがホールデンに与えた印象は強烈で最悪だった。
説明の途中で「君らが話せば話すほど、僕は混乱してくるよ。いったいなにが言いたいの?100パーセントわからない。僕だけがわからないのかな?気分が悪いよ。そもそも君たちは壁いっぱいに貼ったものを僕に見せて、“プレゼンはA3で”という決まりを破っているじゃないか。なにをしたいのかわからない。ルールを守って、話はそれからだ」。そんな険悪なムードの中で「もう前フリはいいから。君、肝心の提案内容を話してくれたまえ」と振られたときはつらかった。厳しいはずのアシスタントさんたちが全員(!)僕らのことをフォローしてくれたのが、当事者ながらいたたまれない気持ちに…。それでも講評会終了後、うなだれる僕のところへホールデンが声をかけにきてくれた。「まあ、あまり気にするな。次があるじゃないか。君たちが壁に面白いアートを作れることはわかったから、次は君たちが建築学生であることを証明してくれよ」。そう言ってホールデンは僕の肩を叩いて去っていったのだった。

明け方頃、エスキスの見通しが立ったので解散。シャワーを浴びに一度帰る。

エスキスが始まった頃、ちょうど眠気が襲ってくる。
担当アシスタントごとに時間帯が決まっているらしく、僕らの順番は最後の方。スケッチをしながら時々机に突っ伏して眠り始めてしまう僕を、通りかかった友達がその都度起こしてくれたので助かった。そして冒頭に書いたように無事エスキスを受けられたのである。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス映画祭

2005-11-24 11:08:07 | ミュンヘン・TUM
今日は昼過ぎまで14時間ちかく眠り続けてしまった(水曜日恒例)。
マックスとの約束の時間に遅れそうなのでその旨をメールで連絡。

以下、昨日の話。

昨日はエスキス終了後、午後はウォールマートに買い物に行ったのであった。
ウォールマートは巨大なスーパーマーケット。自家用車で乗りつけるような郊外型大型店なのだが、寮から二駅離れたアンハルト駅まで行くと直通で無料送迎バスが出ている。若干外国人率の高いバスに乗って、ウォールマートの入り口に乗り付ける。帰りのバスの時間を確認し(一時間に3本くらい)、ゆっくり買い物を楽しむ。園芸用品もDIYも衣料品も食料品も電気製品も、すべて売っている。値段も良心的。本もあるしCDもあるしマクドナルドもある。このような郊外型巨大ショッピングモールは僕の地元群馬では見慣れた光景だ。ちなみに近くにはリアルという別の競合ショッピングモールもあるらしく、駅からは別々に送迎バスが出ていた。今まで買うのをためらっていた食器や掃除道具を購入。探していた安いハンガーも見つけたので購入。これで棚にシャツが架けられる…!

その帰り道のバスの中、くろさかくんからメールで映画の誘いを受ける。
「もし体力が残っていましたら…」という優しい心遣いに打たれ、徹夜明けそのままで眠かったのだが行くことにした。オリンピアツェントラムのホールでフランス語圏の映画祭をしているらしい。気が付くと落ちそうになりながらも寮の部屋で朦朧としたままネットサーフィンをして時間を潰し、八時頃くろさかくんが語学学校から帰ってくるのを待って一緒にオリンピアツェントラムに向かう。
しかし案の定、開始数分で僕は眠りに落ちてしまった。だって、台詞はフランス語でドイツ語字幕のベルギー映画だったのだもの…。くろさかくんがそんな僕をそっと起こしてくれて、「僕もストーリーがよくわからないので、そろそろ帰りますか?」と言ってくれた。

晩飯に使った皿を洗う力もなく、ベッドに倒れこむ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おやすみなさい

2005-11-23 07:59:28 | ミュンヘン・TUM
今日のホールデン&アシスタントさんとのエスキス、絵をたくさん描いて持っていきました。英語のプレゼンはつたないながらも、それなりの成果はあったと思ってます。眠いです…。おやすみなさい。詳しくは明日書きます。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする