ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

マックスのスイッチが入る

2005-11-26 02:37:56 | ミュンヘン・TUM
max (making a model)

マックスとのうまいコラボレーションの仕方が今日ようやくわかった気がした。
雨降って地固まるとはこのことだろう。今後ドキドキする展開が待っている予感。


12時に演習室でマックスと待ち合わせ。個人スタディの成果を披露し合う。

マックスはマテリアルについて調べてくることになっていた。
どこかのサイトからダウンロードしたらしいPDFファイルを開いて僕に説明してくれた。モノ自体は僕も見覚えのあるものだったが、僕が驚いたのは彼の“構造”に対する興味の深さだ。比重あたりの強さであるとか、どのような組み合わせ方が効率が良いとか、もちろんPDF上に文章で書いてあることなのだが、それをきちんと理解して説明してくれているように感じた。そういえば以前ドレスデン時代の「構造力学」の教科書を見せてくれたときに、「昔は嫌いだったけど、今は構造が一番好き」って言ってたっけ。それに二人で模型をつくっていても、「じゃあ僕は足をつくるね」とか言って“足”(フレーム)ばっかりつくりたがっていたな。話をしているうちに彼がフライ・オットーの信奉者だということがわかった。こと材料や構造の話になると、彼はがぜんやる気になるようだ。そうか、それがマックスの起動スイッチだったのか。

続いて僕は設備システムや全体のデザインについて提案。
設備や構造やエネルギーやその他もろもろがインテグレイトされたコンパクトな仕掛けを考えようとしている。参考になりそうな事例や、僕が描いたスケッチを見せながらマックスに説明する。ロールのトレーシングペーパーを使って話し合いをするようになってから、ディスカッションが格段にスムーズに進むようになった。僕が描いたスケッチに重ねながら、マックスと二人でスケッチを描き足していく。最近マックスは僕のことをだいぶ信用してくれているようで、僕の方針に従ってくれるようになった。僕が今週の初めに描いたスケッチを全体像として、このまま僕が環境制御的な視点から話を進め、マックスは構造的な面からアプローチを続けることになった。それぞれの面から平面計画についても検討し、両者の一致点を探る。すべてが手探りだった状態からだいぶ状況は好転してきた。

「おなか空かない?ゴールデンMに行こうよ」「なにそれ?」「来ればわかるよ」
昨晩また雪が降って、外に出ると痛いくらいに寒い。ドレスデンのクリスマスマーケットの話をしながら歩いていくと、黄色いMの看板の店に着いた。「ゴールデンなMでしょ?」「なんだ…。いつものマックじゃん」バーガーキング博士のマックスからいかにバーガーキングがマクドナルドより優れているかの話を聞かされながら、チーズバーガーをほおばる。「君は何年バーガーキングで働いてたの?まるで生き字引だね」「ジョブ(仕事)じゃないよ。パッション(情熱)さ!」「それもどうせバーガーキングの標語かなんかなんでしょ?」

大学に戻ってからはCAADルームでそれぞれリサーチの続き。
マックスが集めて見せてくれる画像を「ああ、これは誰々の○○という建築だね」とかいちいち指摘していたら、「ふ~ん、じゃあこれは知ってる?」と言って変な動画を集めたサイトを見せてくれた。裸のお尻かな~と思っていると肘だったり、メガネのサラリーマンが突然パソコンをハンマーで壊しだしたりするシュールな映像集。「知らないよ、そんなの…」「君にも知らないことはあるのさ~」「わけわかんないよ」

週末はそれぞれが担当箇所について三案ずつ考えてくることになった。
僕がスキンと設備について三案考えて、マックスがそれを支えるストラクチャーについて三案考えてくることになった。また、それぞれが各々のアプローチからプランについても3案考える。週末はそれぞれのアイデアをメールでやり取りすることにして、月曜日にそれらを僕がオーガナイズして、二人で一緒にプレゼンを作ることにした。

図書館で一人でスタディした後、地下鉄U3の西の果てにあるホームセンターに取材に行って、大学に戻ってからは敷地模型をつくっているシルバプラーナスタジオの手伝いを少しだけさせてもらって、寮に帰ってからくろさかくんと晩御飯を食べた。くろさかくんが漬けたキムチを食べさせてもらう。「おいしい!」と言ったら、「ではこの方向でスタディをさらに続けてみます」とくろさかくん。
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