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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

初TUM泊

2005-11-22 09:55:11 | ミュンヘン・TUM
今日は大学に泊まってひたすら作業なのでブログの更新が出来ません。
明日まとめて更新する予定です。
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シャオ? シャオ!

2005-11-21 09:03:07 | ミュンヘン・TUM
bar in ALLIANZ ARENA

昼はくろさかくんあきらさんしまがきさんと寮で鶏鍋。
くろさかくんがつくってくれた鮭の押し寿司も、普通によく知っている押し寿司の味がしたので驚いた。彼は本当に料理人だ。最後まで鍋をつついていたかったが、待ち合わせの時間になってしまったので途中で抜ける。今日は午後からゼヒチヒの試合を見に行くのだ。

ゼンドリンガートアー駅でりょうこさんらと待ち合わせ。
かいくんは大学でやっているミーティングが終わらないので今日の観戦は難しいとのこと。そのまま地下鉄U6に乗ってアリアンツアレナへと向かうことにした。

試合開始一時間くらい前なので、電車の中はすでに盛り上がっていた。
ユニフォーム姿(もしくはそれに準ずる色をした服装)なのはもちろんのこと、応援歌らしき歌を歌っている人もいる。僕らももちろんユニフォームを着てきた。ただしスタジアムでお披露目の機会はないかもなあ。今日は気温がことのほか寒い。コートを着込み、昨日買ったタオルマフラーを首に巻く。

スタジアム駅について、大行列に続いてスタジアムに向かう。
今日は前回よりも人数が増えている気がする(あとで知ったところによると、今日の入場者数は52,000人だったらしい)。電車が到着するたびに、黒山の人だかり。大型バスも何台も止まっている。ホーム側用のチケットボックスで三階席のチケットを買い(一階席、二階席は売り切れ)、スタジアムに入る。押し寄せる人並みをさばききれないのか、今日はボディチェックも甘めだ。

劇場で言えばバルコニー席のような、三階席の最前列。良い席だ。
グリュー・ワイン(暖かいワイン)とサンドウィッチを買って観戦。右隣の席は中国人。友達と待ち合わせしているようで、しきりに電話で連絡を取っている。左隣は地元のサポーターらしきおじさんたち。

序盤はゼヒチヒのペースだった。
しかし何度かチャンスを逃した後、流れが相手チームに変わる。クリアボールや、ルーズボール(こぼれだま)がことごとく相手チームの足元に収まってしまう。防戦一方のゼヒチヒ。悪い流れはすべてをダメにしてしまうようで、パスもことごとくカットされる。「ナイン!(なんでそこなんだよ)」「ナイ~ン(そうじゃないだろ!)」とおじさんたちが悲鳴を上げる。僕らも「うわ~」「あ~」と思わずため息。そして前半終了間際、不用意なパスミスから攻め込まれ、あっという間に得点されてしまった。がっくりするゼヒチヒサポーター。その後もいいところなく前半を終える。流れは行ったり来たりするものだが、苦しい時間にこらえきれず失点してしまったのが痛すぎる。

だいぶ体が冷えたので、ハーフタイムは暖かい屋内に入ってぶらぶらする。
二階席にはバーが併設されているので、そこに行ってみる。テーブルがいくつも用意してあって、大型スクリーンにはピッチの様子が映し出されていた。「寒さに耐えられない人はここで観てもいいのかな?スポーツバーみたいな感覚?」「せっかくスタジアムにいるのにそれはもったいないね」残念ながらテイクアウトのメニューはなさそうなので、三階席に戻り、売店でホットワイン(二杯目)とホットドッグを買って席に戻る。

後半が始まっても悪い流れは続く。たまらず、選手を二人同時に替えるゼヒチヒ。
それが功を奏したのか、ボールがキープできるようになる。あいかわらずスペースに走るうごきはほとんどないのだけど、それでもボールが前に進むようになった。中国人のシャオ選手が、ゴール前のプレッシャーに耐えて良い動きをしている。左サイドの強引なドリブル突破から、枚数の揃ったゴール前へ執念のセンタリングが何度も上がる。そして何度目かのチャレンジでボールがデフェンダーの間をこぼれ、そこには待ち構えていたシャオが!右足で蹴りこむシャオ。ゴール!それまで退屈な試合展開にブーイングを送っていたサポーター席が歓喜の渦に。僕らも思わず立ち上がってシャオコール。隣に座っているおじさんたちとも思わずハイタッチ。その後はゼヒチヒペースで試合が進むものの、決定力を欠き、引き分け。後半の試合は観ていて面白かった。もっとはやく目を覚ましてほしかったけど。

スタジアムから駅まで歩いていると、「ちょっとあんた!」とゼヒチヒサポーターたちから笑顔で声をかけられる。「○×△□(聞き取れず)…シャオ?」と聞いてきたので「シャオ!」と力強く応えて固く握手。気持ちは通じたらしく、その後もシャオシャオ言いながら、ハグしたりハイタッチしたり。思いっきり中国人に間違われてるってわかってたけれど、シャオがサポーターに愛されていることがわかってよかった。

寮に帰ると、くろさかくんが鍋の残りでおじやをつくってくれていた。
おじやを食べながら、旅行の計画を練る。鍋を食べに来ていたメンバーが中心になって企画している。当初予定していたトルコは、日本政府から危険地域指定されているらしいので断念。かわりにチュニジアが最有力候補になったらしい。僕はギリシャに一票入れておいた。

洗濯物をランドリーに預けがてら、かいくんの部屋に遊びに行く。
スタジオの進み具合を話し合ったり、再来週のAUSMIPロンドン集合の打ち合わせをしたり。
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ゼヒチヒ

2005-11-20 09:43:49 | ミュンヘン・TUM
the Station of Allianz Arena

明日の試合観戦に備え、レプリカユニを買おうとアリアンツアレナに行った。
ちょうどスタジアムツアーのようなものをやっていたのでちゃっかり混じる。無人の観客席、静かなピッチ(芝のフィールド)。自慢の「色が変わる外装」は照明のテスト中らしく、赤くなったり青くなったり。ぞろぞろと列になりながら、スタジアムをぐるぐる回る。前回来た時は気づかなかったのだが、スタジアムの二階にオフィシャルファンショップがあったらしい。バイエルン・ミュンヘン(ブンデスリーガ一部。現在首位)とTSV1860ミュンヘン(ブンデスリーガ二部。現在首位)が共有しているスタジアムなので、それぞれのファンショップが別々に設けられている。客が少なくて若干暇そうなほうがTSVのショップだった。列から離れ、ショップに入る(営業時間は事前に確認済)。レプリカユニフォームにはホーム用(サックスブルーとホワイトのストライプ)とアウェイ用(白地に紺のワンポイント)がある。アウェイ用がかっこいいのだが少々地味なので、派手なホーム用にしようか迷っていた。でも実際にショップに行ってみると僕のサイズXLはホーム用は売り切れ入荷待ちで、選択の余地なくアウェイ用に決定。明日一緒に見に行く予定のかいくんりょうこさんの分もおそろいのタオルマフラーを買って、観戦準備は万端。チケットボックスは閉まっていたので当日券を買うことになるが、前回も余裕で買えたので大丈夫だろう。レジでタオルマフラーを三本渡しながら「これは僕の友達の分なんです」と話しかけたら、「あら、あなたの友達はTSVのファンなの?(日本人なのにマニアックね)」と返される。僕らがみんなミュンヘンに住んでいて、ゼヒチヒ(ドイツ語で60。1860の愛称)のファンで、明日も応援しに来る予定だと言うと、「それはいい心がけね!」と笑顔で答えてくれた。

買い物をしてから寮に帰ると、かいくんから晩飯を一緒に食べようと誘いの電話。
大学の近くのUHUというレストラン(深夜まで温かい料理を出します、というのがウリのレストラン)に行ってシュニッツェル(カツレツ)を食べる。そのまま大学に寄って日付が変わるくらいまでスタジオのスタディ。

寮に帰るとくろさかくんからメールが来ていた。
明日の昼に留学生仲間で鍋パーティをするらしく、そのお誘い。ちょうどいいのでそのままみんなで一緒にサッカー観戦に出かけることを提案する。前回は様子見で二階席にしてしまったので、明日はできれば“ゴール裏”に行ってみたいなあ。
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雪が降る!

2005-11-19 10:42:42 | ミュンヘン・TUM
snow !!!

今日はとうとうミュンヘンに雪が降った。
朝起きて、どうもいつもより寒いなあと思って外を見ると窓の外の手すりにうっすらと雪の層が。驚いて眼下の街を見やると、どの家の屋根も雪をかぶっている。シャツの上にセーターを着て、昨日買ったロングコートを羽織り、足首までカバーするブーツを履いて、重装備で家を出る。まだチラチラと雪が降っている。

大学ではアシスタントさんにエスキスしてもらったりして過ごす。

夕方からはいろいろとお世話になったやまぐちさんの送別会。
ささやかながら、僕とかいくんで企画していたのであった。やまぐちさんは来週日本に帰国する。やまぐちさんお勧めの雰囲気のよいレストランで、乾杯して、腹いっぱい食べる。「特別製の」とかメニューに書いてあるものを中心に頼む。山口さんも僕も甘党なので食後にはもちろんデザート。僕は「ヴァイスビア(白ビール)・パフェ」を頼んだのだが、ビールそのまんまの味がした(少しは甘みもあったけど)。
「結局あまり力になれなかったねー」と謙遜するやまぐちさんに「いえいえ、僕らあんなに助けてもらったじゃないですか~笑」と、ミュンヘンに着たばかりの頃にお世話になったいろいろなことをかいくんと一緒に思い出しながら話す。日本を出る前にミュンヘン事情をいろいろ教えてもらったのも、デパートに案内してもらって携帯電話を契約したのも、銀行にそっぽを向かれて落ち込んでたときにSOSの電話をしたのも、もう一ヶ月も前のことなのか。ちょっとしみじみしてしまう。やまぐちさんにもドイツでの思い出話をいろいろ教えてもらう。「一年は短かったなあ…」とやまぐちさん。それでも、ドイツでの一年間で集めた修士論文の資料は、何度も段ボール箱を日本に向けて発送しなければならないほどの量になったそうだ。

レストランを出た後、やまぐちさんおすすめの教会に連れて行ってもらう。
夜中なのでもちろん閉まっていたけれど、こうやって案内してもらわなければ気づかないような場所にある教会だった。やまぐちさんはサンドイッチを食べながら散策中に偶然この教会を見つけ、中に食べ物を持ち込んではいけないと思い外で立って食べていたそうだ。すると中にいたおばあさんから「外は寒いから、どうぞ中へいらっしゃい」と招きいれてもらい、地域の人たちが集まってお祈りをしているのをみたのだという。「教会らしくない建物だけど、地域の人からは愛されてるんだなあと思ったんだ。あの日もそういえば雪が降っていたような気がする…」。
何か痕跡を残して帰ろうということになり、小さな雪だるまをつくる。「これで日本人が今夜ここにいたっていう証になりますね」「でも雪だるまって万国共通なんじゃないの?」「あ~、確かにこっちでもスノーマンって言いますね」「俺もつくったんで並べて」「ん?なんだか頭ちっちゃいから二つ並べると乳房みたいだな…。そういえばさっきのレストランのメニューに“乳牛の乳房のなんとか煮”ってありましたね」「そんなのあった?そんなとこに注目してるのこみやまくんだけやわ~(あきれ)」「こみやまくんは知性より“恥”性、いや“痴”性に格上げだね。日本帰ったら報告しとく」「痴的好奇心が旺盛なんです…いやいや、やめてください笑」
三人でトラムに乗ってシャイドプラッツ駅に戻る。

地下鉄の方面が違うので、山口さんとはここでお別れ。
同じホームだが、僕らの乗るU2が先に来た。今日買ったらしいお土産を両手にいっぱい下げながら笑顔で手を振るやまぐちさんに、僕らも電車の中から頭を下げて、手を振り続けた。

雪はやがて雹になり、牡丹雪になりかけて、夜半ごろ止んだ。
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日本を意識する

2005-11-18 07:43:26 | ミュンヘン・TUM
U2 Duelfer Strasse

寮に帰る電車の中で、同じフロアの隣の部屋に住む友達と偶然乗り合わせた。
僕がドイツの郵便会社から謎の手紙をもらって困っていたときに助けてくれたので彼はてっきりドイツ人だと思っていたのだけど、彼はグルジア人である。そしてつい先日、彼がドイツ文学専攻で、副専攻で日本文学を勉強していることも知ったのであった。

「日本にはいつから興味があったの?」「けっこう前からあったんだけど、実際に日本の本を読み始めたのは最近だよ。この夏休みは日本の漫画ばっかり読んでたよ(笑」「すごいね。英語やドイツ語だけじゃなくて日本語まで読めるなんて」「日本語はまだそんなに読めないよ。ひらがなカタカナからはじめて今やっと漢字を覚え始めたとこなんだ。漫画は雰囲気でも読めるけど、独特の短い言い回しが多いからちゃんと読もうとすると難しいよ」「うん。たしかに漫画の日本語表現は特殊かも」
「日本のどこから来たの?」「僕は東京だよ」「東京はミュンヘンと比べてどう?寒さは同じくらい?」「う~ん、こっちの方が寒いと思う」「でも北海道はもっと寒いでしょ?」「北海道知ってるんだ!」「僕の母は船の上で働いているんだ。北海道もよく行くらしいし、ええと、あとはどこだっけ。日本の一番南にある島…」「沖縄?」「そう沖縄。そこにも行ったことあるって言ってた」「へえ。君は日本には来たことあるの?」「ないよ。でも日本語は勉強してるんだ。今度検定も受けるよ。いつかは日本の大学で勉強したいと思ってるんだけど、学費が高いんでしょ?」「うん高いね。それにくらべたらドイツの学費はタダみたいなもんだよ(注・今までは文字通りタダだったのだが最近タダじゃなくなった)」「東京は生活費も高いって僕の日本語の先生が言ってた」
「漢字が難しくて、調べてるうちに二時間もたってしまっていたりするんだ」「漢字は日本人にとっても難しいからね」「普通はいくつくらい知ってるものなの?」「中学校までに1000種類くらい覚えることになってるよ」「でも実際には全部知らなくてもいいんでしょ?」「ホントはもっとたくさんあるけど、まあ、全部知らなくても生活は出来るかもね」「僕の先生が言うんだ。『漢字は質問しないで。私もわからないから』ってね!」「僕にわかることだったらなんでも教えるから、わからない漢字があったらいつでも僕に聞いてね!」

冷凍保存しておいたご飯を使って野菜たっぷりピラフをつくる。
ピラフを食べながら、最近観始めた『六月の勝利の歌を忘れない』の続きを見る。
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みりん

2005-11-17 07:52:18 | ミュンヘン・TUM
目が覚めるとすでに三時過ぎ。
ここ数日心身ともに疲れがたまっていたらしく、今日は半日以上眠ってしまった。外は雨が降っていてすでに薄暗い。シャワーを浴びたりしていると、あっという間に真っ暗になった。ドイツはすでに日が相当に短い。水曜日は飯炊きの日なので米を研いで炊飯器のスイッチを入れる。

地下鉄に三駅乗って、フランクフルターリンク駅で降りてみる。
真っ暗な街を明かりを頼りに歩いていると、駅の近くに大きなスーパーマーケットを見つけた。冷凍食品が充実していたので非常食用に買い込む。すでにクリスマス用品売り場が出来ていた。

寮に帰り炊飯器を確認。今回は無事に炊けていた。
くろさかくんがちょうど語学学校から帰ってきたので、晩御飯をご馳走になる。くろさかくんがつくってくれた懐かしい匂いのするおかずで、炊き立てのご飯を食べる。そうか、みりんは日本の味なんだ。食後はハーゲンダッツを食べながら紅茶を飲む。日本の“円”の価値が下がっているらしい。この一ヶ月でユーロとの交換レートが10円ほど上がってしまったそうだ。「やっぱり外国にいると毎日為替のことが気になりますね」「それはくろさかくんが経済学部生だからじゃないの?(笑」「でも僕の専門はそれとは全然違うんですよ。そうですねえ、例えば目の前にお饅頭があったとして、それをどうやって食べたらいいか考えるのが僕の仕事です」。次週はくろさかくんの当番なので、炊飯器と米をバトンタッチする。

夜はインターネットラジオを聴きながら、しばしスタジオのスタディ。
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もうすぐ雪が降る

2005-11-17 01:33:47 | ミュンヘン・TUM
昨日はスタジオの講評会後、10時過ぎくらいまで大学で映画を観ていた。

スタジオのアシスタントさんたちが毎週講評会後に開いている自主上映会。
先週は「『アパートの鍵貸します』を上映するのでぜひ観に来てください」とMLが回ったにもかかわらず、実際は『ファイトクラブ』を上映してしまったりするくらいユルイ会だけど。昨日は事前に告知がなかったので休館日かと思い少し遅れていくと、講評室の大きな白い壁一面を使ってなにやら映画が映し出されていた。ノートパソコンをプロジェクターにつないでDVDを再生している。ちょうど悪漢二人がホテルでSEXをしている場面だった。先に来て観ていたトーマスが遅れてきた僕とかいくんの分も椅子を持ってきてくれたので、三人で並んでスクリーンに向かう。観ているのは10人ちょっとで、半分くらいはアシスタント(と、その恋人?)。ビールが無料で振る舞われるらしく、窓の外において冷やしておいたビールを、若いアシスタントさんが「この銘柄でもいい?」と言って僕にもくれた。

何の映画かはわからないが、台詞は英語でドイツ語の字幕が入る。
英語のはずなのに聞き取りづらいのは、スピーカーがよくないせいか、それとも訛りのある英語だからだろうか。舞台はアメリカの雪深い場所らしく、登場人物たちは皆一様に厚着をしていて、外ではずっと雪が降っている(物語の終盤で字幕が入り、舞台はノースダコタだったことがわかった)。

お金に困り家族の狂言誘拐を頼んだ男性主人公。
結局思いとどまったにもかかわらず悪漢たちは暴走。“計画”通り妻を誘拐してしまう。目論見がくるった主人公は慌てて私立探偵に相談するが、妻の父親が介入してきてますます事態は混迷してしまう。一方悪漢二人組は、後部座席に毛布でぐるぐる巻きにした女性を積んだまま雪道の中を北へ北へと走る。その途中で背が高い方の悪漢の凶暴性が露にされていく(おそらく背の低い方のちょび髭の悪漢は主人公の友人か何かで、計画を実行に移すために本物の犯罪者を仲間に引き入れたのだと思う)。職務質問してきた警察官に対しちょび髭の悪漢が応対していると、助手席に座っていた背の高い悪漢が警察官の頭部に向かっていきなり発砲。ちょび髭の悪漢が血まみれになって呆然とする一方で、何事もなかったかのように車を出せと指示する背の高い悪漢。その後もそんな彼らをたまたま目撃してしまった一般市民たちを次々に惨殺していく悪漢たち。殺人を隠すためにまた次の殺人を…という感じで負の連鎖にはまる二人。最初はただの狂言誘拐だったはずの計画が、思いもよらぬ連続惨殺事件へと転がっていってしまう。ここで女性警察官が登場(彼女はもう一人の主人公)。彼女は悪漢たちの犯した犯罪をひとつひとつ追いながら、ついに“被害者”の男性へとたどりつく(ただし誘拐の件は警察にはまだ知らされていない)。警察官からも逃げながら、悪漢たちと友好的に事態を収拾しようとする男性主人公だが、要求された身代金を渡す場面で妻の父親が暴走。見知らぬ人物に「娘を返せ」とすごまれたちょび髭の悪漢は気が動転してしまい発砲。何発か打ち合いをした結果、ちょび髭の悪漢も重傷を負いながら金を持って逃げていく。主人公が遅れて到着したときには、すでに妻の父親は息絶えていた。雪の中に倒れこむ死体をしかたなく自分のトランクに詰め込む主人公。犯罪の尻拭いをすることで自分もいつしか連続殺人の共犯者になってしまう。一方、金を手に入れたちょび髭の悪漢は奪った金の大半を雪の中に埋めて(見渡す限り雪原なので、掘ったスコップを突き立てて目印にする)、残ったわずかな金を“戦利品”としてアジトに持ち帰る。しかし背の高い悪漢はすでに人質の妻を「うるさいから」と殺害してしまった後で、怒って騒ぎ出したちょびヒゲの悪漢もその場で殺害してしまう。その頃、警察官の女性は盗難車両を追っているうちに彼らのアジトを発見。死体を処理する背の高い悪漢と対峙する。雪の中を逃げ出す悪漢の足元に向けて彼女は発砲。深い雪に足を取られながら悪漢は倒れこみ、林の向こうからは応援要請によって集まった警察車両のサイレン音が近づいてくる。場面は変わり、潜伏先のホテルに踏み込まれる男性主人公。「こんなはずじゃなかった。どうしてこんなことになってしまったんだ!」と泣き叫びながら警察官たちに取り押さえられる。場面が戻り、警察車両の中でバックミラー越しに会話する女性警察官と護送中の背の高い悪漢。狭い車内の中で二人は無表情のままなにやら長い会話をする。サイレンを鳴らしながら車列が白い吹雪の中に姿を消して行き、映画は終わった。スタッフロールが流れ、この映画がコーエン兄弟の『ファーゴ』だったことを知った。

雪が場面場面で印象的に使われていた。
まるで「すべてはこの深い雪のせいだったんだ」とでも言うように。登場人物たちがみなもごもごとしたしゃべり方をしていたのは、この寒さのせいだったのだな(ときどきドイツ語の台詞もあったりしたのはなぜだろう?)。気の強い女性警察官と、部下で夫ののんびりした警察官の掛け合いも随所に出てくる。最後に凶悪犯と対決した妻が家に帰り、夫の待つダブルベッドの暖かな毛布にもぞもぞともぐりこんで眠る場面が、直前の寒そうな吹雪の場面とオーバーラップしてホッとした。

映画を観た後は、トーマスと三人で大学近くのギリシャ料理のレストランへ。
デュロスというギリシャ料理を食べながら、ドイツの建築資格の話や、トーマスが日本で見つけた不思議な建築の話を聞く。僕らはドイツで一ヶ月強過ごしてみての感想や、スタジオの様子などを話す。帰り道、僕が「寒い」と連呼していたら、「早い季節だともうすぐミュンヘンも雪が降るよ。そのうちクリスマスマーケットも始まるしね」と言って、ドイツの冬を彩る各地のクリスマスマーケットについて教えてくれた。「クリスマスのもともとの意味からするとおかしなものも売ってるんだけど、みんなその期間は地元のクリスマスマーケットに行って思い思いに買い物するのさ。クリスマス休暇中はなにか予定ある?もし時間があったら、僕の家に遊びにおいでよ」
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季節は冬めいてきました

2005-11-16 08:02:18 | ミュンヘン・TUM
今日も一日健やかに過ごしました。
明日は冬物のコートでも買いに行こうかと思ってます。ついでに街歩きも久しぶりにできたらいいなあ。気候がカラッとしてるので、晴れたら気持ちよさそうです。
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マックスが素直になった

2005-11-15 09:43:02 | ミュンヘン・TUM
今朝は担当アシスタントのブガードさんにエスキスをしてもらった。
「先週から何も進んでないじゃん。いつまでブレインストーミングしてるの?」みたいな反応をされる。そりゃそうだ。「分類をさらに増やしちゃいつまでたっても収束しないじゃない」とか、「カードに重み付けしたわりには、“最重要”なカードばかりじゃない」とか、「人口は増えるんじゃなくてむしろこれから減ってくんだよ」とか、「都心部は過密化してるんじゃなくてむしろ空洞化してるんだよ」とか、僕は先週からずっと同じことを主張していたのだけど、マックスは今日アシスタントさんから改めて同じことを言われてようやく納得してくれたようだ。僕が我が意を得たりと感じる一方で、マックスは打ちひしがれていた。でもそれだけでは終わらなかったのが救いで、ブガードは「でも君らのこの考えかたは可能性あるね。だったらどうしてこうしてみないのかな?僕はそのほうがとても面白いと思うんだけどね…」と言って新しいエキサイティングな道しるべを与えてくれた。「そうか!これぜったい面白いよ。ねえマックス!」と、うつむき加減のマックスの肩を叩く。「ということは、今ブガードさんが示してくれたアイデアをゴールと考えて、僕らがブレインストーミングしてきたアイデアをその解決策として使えばいいんですよね?」「そうだね。それがいいと思うよ」「ありがとうございました!」「どういたしまして」アシスタントさんが去ってから、マックスがつぶやく。「彼はいいアシスタントだ」「そうだよ。マックス、君が選んだんじゃないか!」

今朝のエスキスがよほどこたえたのか、今日はマックスが妙に素直だった。
週末一緒に作業していたときは、人が話してるときにあからさまに何度も大あくびしたり、気に入らないことがあると紙を叩きながら何度も同じことを言ってきたりするマックスに、内心ムカッと来ることも多かったのだが、怒らずに我慢して話し合いで解決しようと心がけてきたのだった。「君の言うことはわかる。正しいかもしれない。でも僕の話も聞いてくれ」「僕らの考えには少し食い違いがあるようだ。話し合おう」「これはきっと慣れない英語をお互い使っているから生じる言葉の問題だろう。じっくり話せばわかるはずだ」などなど。でも今日のマックスは、「君の言ってることの方が正しい気がする」とか、「どうしたらいいのかわからなくなってしまった。隣に座って指示してくれないか?」とか、妙に弱気だった。結局今日も具体的な提案部分については進展がなかったのだけど、マックスが聞く耳持つようになってくれたのは僕らにとって大きな進展だ。「終電に乗り遅れる!」と大慌てで帰っていくマックスを見送ってから、ゆっくり支度をして帰る。今日は寮に帰っても眠らずに作業することになるかもしれない。マックスもきっと家で作業してくれているはず。

僕によく絡んでくる二人が、帰り支度をする僕に話しかけてくる。
「ヨーシュケ、どうだそっちは?」「思うように進まないよ」「でもスタジオの壁にはなんだか立派なダイアグラムが出来てるじゃないか」「土日はずっとあれやってたからね」「そんなに時間かけたならいい案できてるんだろう?」「そうでもないよ。君らのも見せて」「まだ何も描けてないよ。今日は大学に泊まりさ」「なに言ってんの。なんだか良さげな絵が描けてるじゃん」「ヨーシュケ、お前はホントに俺らのファンだな」「そうだよ~、僕は君らの大ファンさ」「よし気に入った。このグミ食ってけ」「サンキュー」

廊下を歩いていると、僕に白ワインをパシらせた女の子とすれ違う。
「ヨースケ、調子はどう?」「あまり思うように進んでないよ」「でもあなたたちのグループは言葉の問題があるんですもの。そこに挑戦してるだけでもすごいわ。壁に貼ってあるカード見たわよ。あせらないで」「ありがとう。そっちはどう?」「いい感じよ。これからマテリアル(材料)について話し合うの」「いいね」「よい夜を過ごしてね。また明日」「君もね。また明日」

地下鉄の駅に向かって通りを足早に歩いていると、マックスからメールが届いた。
「怒ったりして、僕はホントよくなかったと思う。僕が間違ってた。睡眠不足が続いてて、少し疲れてたんだと思う。ホント申し訳ないと思ってる。また明日会おう!マックス」「どうってことないよ。気にしないで。僕は君を信じてるし、僕らの友情を信じてるから。また明日!ヨースケ」

寮に帰ってパソコンを開くと、MSN TODAYの「今日の運勢」が目に入った。
週末は目を覆いたくなるくらいどん底の運勢(五段階評価で二日連続して☆1つ)だったのに、今日は☆5つ!占いは信じやすいたちなのでなるべく見ないようにしているのだけど、やっぱり当たるんだなと確信を深めてしまう僕であった。
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happy

2005-11-14 21:13:40 | ミュンヘン・TUM
In this morning, we had meeting with our assitant teacher. He didn´t agree with almost all of our idea. But, what he said to us is really same what I thought last week. He broke our "boring"(he said) idea. I´m happy. Our project will be going right way, I think. I´m really happy now. Really happy. We, I and MAX can start from "zero".But "zero" is not "0", I think. We can talk each other more and more from now. I´m really happy. Of course, we should have many trouble even from now. But it´s good for us.
Today I cann´t use my PC because of trouble about wireless LAN. sorry.
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