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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

su-si

2005-12-09 07:23:13 | ミュンヘン・TUM
su-si / KFN systems

今週、マックスは彼女の父親に依頼された仕事でシュトゥットガルトに出張中。
スタジオのスタディは僕一人で進めている。

今日は来週火曜日に発表を控えている“IBT”のためのリサーチをする。
「international building typology,specialist studies」と言う講義。二人一組でプレゼンを担当することになっている。僕は初めイタリア人のギドと組んでいたのだけど、彼が途中でドロップアウトしてしまったので新たにダニエル(スペイン人の方)と組むことになった。来週は僕らが発表する順番。僕らの担当はKFN systemsのsu-si。検索していてたどり着いたfabprefab.comというホームページが面白くてついつい長居してしまう。「今手に入るモダニストによるプレファブ建築」と題されたコーナーではホールデンのm-chも紹介されていた。

明日大学に集合して簡単なプレゼンテーションと模型をつくる予定。

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雨の日と水曜日は…

2005-12-08 09:22:17 | ミュンヘン・TUM
今日のミュンヘンはめずらしく雨模様。やがて雪に変わった。
夕方からマリエンプラッツをぶらついて、サターンでカーペンターズのシングルコレクションを購入。夜、くろさかくんがスペアリブをおすそ分けしてくれたので、僕は野菜たっぷりスープを振る舞う。炊き立ての御飯で晩御飯。
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建築は音速を超えられるか

2005-12-08 02:14:55 | ミュンヘン・TUM
2nd certification of e-ch studio

夜中の二時に目が覚める。
コートを着たまま、靴も履いたまま。帰宅後すぐにベッドに倒れこんで寝てしまったらしい。吐き気に襲われ、夢中でカバンをまさぐり、スーパーで買ったオレンジジュースのパックをラッパ飲み。パジャマに着替えてそのままうつらうつらとしているうちにまた寝てしまい、次に起きたのは昼過ぎだった。でも体調はすこぶる良い。

昨日はスタジオの中間講評後、かいくんと大学近くのレストランに呑みに行った。
マックスは家の仕事があるので講評会の途中ですでに帰っていたのである。中に入って席を探していると「ヨースケ!こっちだこっち!」。すでにダニエル、ユージーン、HG(クリスティアン)らが気勢を上げているところだった。ダニエルが相方のユージーンをからかっている「こいつは今日のプレゼンテーションで一言もしゃべらなかったんだぜ!」。するとHGが訂正する「いや、ブーカードに矛盾点を指摘されたときに小さな声でヤ(ですよね、の意)って言ってたぜ」。一同爆笑。苦笑いしながら「俺はシャイなんだよ」とユージーン。僕が「次回はユージーンが全部しゃべるんだよね?」と聞くと、ダニエルは「もちろんだ。そして俺は横でこいつを見ながら一言こう言うのさ。“プププ笑”ってな!」。そんなユージーンと肩組んでビールを飲みながら何度も乾杯を交わす。「ユージーン、日本語で友達のことをなんて言うか知ってる?ゆうじんって言うんだよ。だから君は生まれながらにして僕の友達なのさ!!!」

月曜日から泊りがけでマックスとプレゼンの準備をしていた。
何度もぶつかりながら喧々諤諤やっていたので、あとから友達に「パートナーのことで何か問題があったらいつでも言えよ」と心配されるくらいだった。寝不足で二人ともふらふらになりながら、プレゼンをA3四枚になんとかまとめ終わる。明け方、敷地模型に使う木を用意し忘れていたのでマックスに適当な木の枝を捜してきてもらう。しかし彼が持ってきたのはぶっとい木の枝。ついつい腹が立ってしまう。「模型のスケールわかってる?どれだけ太い大木だよ。これじゃ使えないよ。僕が探してくるから片づけしといて」。中庭で程よい枝振りの低木を見つけて先っぽを拝借する。そんな僕の様子を登校途中のかばさわくんに見られてしまい、お互い苦笑い。僕が模型の仕上げをする間、マックスは朝飯を買いに行ってくれた。

プレゼンテーションを壁に貼り、模型をその前に並べる。
クリティークの先生たちの到着が遅れ、前日にMLで回った予定表よりも一時間半押しくらいで講評会がスタートした。

まずはデルフト工科大から来たMick Eekhout先生のショートレクチャー。
Octatubeという自身のオフィスが携わったプロジェクトの紹介。ZAPPI、BLOBS、MATURAといった構想を紹介される。強烈な眠気に勝てず舟をこぐ。

小休止を挟んで、アンドレア客員助手のショートレクチャー。
自身が組織するarchitectureandvisionというオピニオングループの主張を紹介される。建築はプロダクトのようにつくられなければならない。macG5のように。今の住宅を見ろ。ドイツではわずか3%の住宅が建築家によって建てられているだけだ。残りの97%は、その敷地に建てられる最大容量のボリュームに“コンドームのように”屋根をかぶせているだけなのさ!サンテグジュペリは言った。「船を作りたいのなら、材料やつくりかたの心配をする前に、尽きぬ海の魅力を知りなさい」と…。
最後にA.C.クラークの金言を紹介して終わった。「君が何かに挑戦しようとするとき、まず批評家たちは『そんなことは不可能だ』と言うだろう。次に彼らは『途方もない困難を伴えば可能かもしれない』と言い、最後には『君の作品の素晴らしさは最初からわかっていたんだ』と言うだろう!」

ここで昼食休憩が入り、マックスと近所のスーパーに昼飯を買いに行く。
オクトーバーフェスト会場で行われているクリスマスマーケットの話になる。「ところでヨースケはオクトーバーフェストに行った?」「行ったよ。オクトーバーフェストビールも飲んだよ」「僕は行ったことないんだ」「えー。君ホントにドイツ人なの?(笑」「ホントのドイツ人だから行かないのさ!オクトーバーフェストって酒飲みのオーストラリア人のための祭りだって知ってる?」

大学に戻り、階段に座って昼飯を食べながらマックスと二人で話をする。
***
昨日から考えていたんだけど、ヨースケはどうしてドイツを選んだの?
君に会うためさ!
ヨースケはうそつきだなあ。
僕の日本での専門はサステイナブルデザインなんだよ。ドイツはその分野の第一人者だって聞いてね。トーマス・ヘルツォークとか、インゲンホーフェンとか。
じゃあ、どうしてホールデンのスタジオを選んだの?
マイクロコンパクトとか、ローエナジーとか、ハイテックとか。彼はまさに僕が留学先で求めていた先生そのものなんだよ。
だったら君は次はロンドンに行くべきだねえ(笑。
マックス、そういう君はどうしてドレスデンからミュンヘンに移ってきたのさ?
ただ、空気を変えたかったのさ。ドレスデンではいつも同じグループで行動してたんだ。いいこともあれば、悪いこともあったよ。同じところにとどまるのは建築を学ぶ上でよくないと思ったんだ。ところでヨースケは大学を出たら家に戻るの?僕は友達からいつもこの質問をされるんだよ。
そうか、僕らは同じ立場だったね。僕は最後には戻るつもりだよ。でもそうだな、少なくとも30までは他のところで働きたいと思ってる。その先はわからないよ。マックスはどうするの?
僕がどうなるかは彼女しだいだな(注・マックスの彼女は某政治家の娘らしい)。彼女とずっと一緒なら僕は彼女の近くで働くことになると思う。でももし別れてしまったら、僕はドイツにはいられないな。たぶんカナダあたりに行くことになると思う。もしかしたらアジアかもしれない。中国は永遠に発展し続けるらしいし…。
中国はそのうち限界が来ると思うよ。だったら日本にしなよ。僕がいるじゃん。
そうだね。日本もいいかもしれない。でもホントは僕の夢はパイロットなんだよ。ドイツ空軍の戦闘機パイロットさ。知ってるかい?音速を超える快感を。マッハを超えたらパイロットは地平線だけを見なければいけないんだ。もし地面を見ようものなら君はたちまち墜落してしまうだろう。目から入った情報を頭で知覚したときには、すでにそれは遥かかなた後方へ過ぎ去ってしまっているんだ!
パイロットだなんて、また突拍子も無いな(笑。
実は僕は試験も受けたことがあるんだよ。大学に入る前にね。一次試験では1600人が受けて10%が残る。二次試験ではさらに4人まで絞られる。僕はそこまで残ったんだよ。最後の試験は合宿なんだ。毎日分厚いテキストを手渡されて、予習させられる。朝の六時に起こされて、七時からシミュレーターで飛行訓練。その後レクチャーがあって午後からまた飛行訓練。夜八時ころまでまたレクチャー。それが一週間続いて、最後にシミュレーターで射撃の試験があった。僕は普段ゲームセンターに行くと“トップガン”ばりの連射の名手だったのさ。でもここは軍隊。僕は快感を得るよりも正確に敵機を一機一機撃ち落とすことに集中したんだ。成績は一番良かった。そこで一度家に帰され、後日僕らはまた呼び出しを受けた。僕が試験官の待つ部屋に入ると、そこには心理学者が立っていてね。「君はあまりにも慎重すぎる。君は確かに戦闘機の操縦も出来るかもしれないが、戦闘機の運搬車の運転の方が向いているかもしれない」と言うんだ。僕は激情してしまってね。「マッハを超えられないのなら僕は軍隊に参加したくない」とつかみかかったんだ。でも決定は覆らなかった。なぜあの時僕は普段のように“トップガン”になれなかったのかって、今でも悔やんでいるんだ。入隊には年齢制限があってね。僕はもう23だから、この夢は一生かなえられないものになったのさ。
なんだか悪いことを聞いちゃったね。僕は君のように大きな夢は持っていないよ。でも友達と約束しているんだ。いつか二人でオフィスをつくって、何か面白いことやってやろうってね。
君が前に言ってた友達のことだね。僕もできることならいろいろやってみたいよ。でもドイツにはそんなに選択肢は無いんだ。僕は大学を出たら父のところに戻ることになると思う。
でも働き口があるんだから、考えようによっては君はラッキーだってことだろ?
そうだね。建築を愛している今は、それがラッキーだと思えるようになったよ。
***

僕らは中間講評のトップバッターになった。
僕が簡潔にプロジェクトを説明し、マックスが時間の許す限り補足説明する。ゲストクリティークからは新しい視点からの指摘が次々となされる。僕らが今まで考えていなかったことが多く、手に持っていたノートの見開きがすぐにいっぱいになった。ホールデンは黙ってニコニコとスケッチしながら、僕らと僕らの模型を代わる代わる見ている。そして最後に模型を指差しながら一言「この部分はもう少し削ったほうがいいね。見た目が重過ぎる」。このままスタディを続けてよいとゴーサインが出たな、僕らはそう思った。
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中間講評(二回目)前夜

2005-12-06 07:45:10 | ミュンヘン・TUM
今日も今日とてマックスとプレゼン準備。明日は二回目の中間講評。
ホールデンはもちろんのこと、提携先のデルフト工科大からも先生がやってくる。

地下のCAADルームで3Dモデリングをしているマックスから音沙汰がないので、模型づくりの手を止めて様子を見に行く。今日初めて知ったのだが、彼はCADの技術がすごい。なぜ今までこんな特技を隠していたのか。もっと早く言えよな…。誰もいないCAADルームの高性能コンピューターに向かうマックスに声をかける。「おーい。調子はどうだい」「ヨースケ、安心して。僕の終電はさっき行ってしまった。だから今日は朝まで出来るよ!」「(全然うれしくない…)」 僕がつくった模型を見せると「こんなに上手に模型をつくる人に今まで出会ったことないよ!君は僕にどうやってつくったのか説明するべきだ!」と能天気にはしゃいでいる。

そんなこんなで中間講評会まであと9時間ちょい。
e-chスタジオは、ほとんどの学生が演習室に残ってます…。
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VectorWorks9.01

2005-12-05 11:29:55 | ミュンヘン・TUM
マックスと大学で一日模型製作。もう少しで終電に乗り遅れるところだった。

寮に帰ってからは、かいくんかばさわくんに教えてもらったやり方で図面を書く。
今まで引いたことないような線が出てくるので、初めて使うコマンドばかり…。
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湯豆腐に梅酒を熱燗で

2005-12-04 07:38:26 | ミュンヘン・TUM
NYORO-NYORO

数日振りの雪。マックスが今日は大学に来れないというので一日お休みにした。

ヘタに街に出て風邪をぶり返すと良くないと思い、暖かい寮の中で一日過ごす。
返信しそびれていたメールに返信をしたり、ネットでJリーグ最終節の結果を知って少なからずがっかりしたり、再来週のロンドン旅行のユースホステルを手配したり、たまっていたレシートをスクラップ帳に貼り付けたり、久しぶりにメッセしたり、銀行の契約関係の書類を整理したり、マックスから預かったまま紛失していた彼の学生証を見つけ出したり、洗濯したり、棚と冷蔵庫の中にあるもので料理したり、部屋の掃除したり、スタジオのプレゼンをつくってみたりして過ごす。

夜はくろさかくんが湯豆腐をつくってくれたので一緒に食べる。はふはふ。
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マックスを見て心が和む(嘘)

2005-12-03 07:46:27 | ミュンヘン・TUM
Our desk in the Practice room (after cleaning)

朝起きて部屋の外に出ると、めずらしく外は快晴。朝日がまぶしい。
昨日の夜くろさかくんからお見舞いにもらったみかんと昨晩の残りのおじやを少し食べて大学へ。二日間たっぷり寝られたおかげで体調はだいぶ良くなった。

十二時からマックスとミーティング。というより模型製作。
「ヨースケが驚くような良い知らせがあるよ~。ジャジャジャジャ~ン」と言いながらマックスが取り出したのはカッターナイフ。ようやく“見つかった”らしい。めずらしくカッターマットも持参していたので関心する。マックスはすでにカタチの決まっている屋根をつくり、僕は模型で床をもう少しスタディすることに。
しばらくすると僕らの隣のテーブルで何かを探していた学生がマックスのところにやってきて「ねえ、カッターマットいい?」。「今使ってるんだけどな」と言うマックスに「でもそれ僕のだからさ…!」。おいおい。カッターナイフは誰のだ…。

時々進行状況を見せ合いながら分担作業は九時頃まで続いた。
終盤になってマックスが妙にスタイロを削ってたりくっつけたりしているので何をしているのかといぶかしんでいたら、突然机が持ち上がって、5センチメートルくらい上がったところで止まった。「この机は僕には低すぎてさ~」とマックス。机の脚の下にスタイロを挟んで少し持ち上げたらしい。対面する僕の机との間にわずかな崖が生じる。「でもそれ安定感ないじゃん」と言うと、「そんなことないよ」と言って机を揺らして見せる(もちろん思いっきりぐらついてる)。帰り際、共有棚に本をしまいに行くと扉の裏側に赤い毛糸がくもの巣のように張られていたのでぎょっとする。「何これ!」「アルミの棒をここにしまおうかなと思って。ほら、ここの間に通せば収納できるんだよ」「君はホント~に模型づくりの天才だよ…」

晩飯は昨日買った野菜を再び煮込んで煮込みラーメン。
テンゲルマンで日清の「出前一丁」を売っている(ドイツ名:デマエラーメン)ので、野菜をたくさん煮込んで食べたいときにたまに使っている。味付けも麺の感触も日本とほとんど同じ。でも味はタンメンと辛ラーメンしかない…。
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風邪は三日かけて

2005-12-02 02:54:31 | ミュンヘン・TUM
大学にいるかいくんから昼過ぎに「体調はどう?」とメールをもらう。
目覚めてはいたものの、まだ少し体がだるいので部屋で過ごしていた。昨晩のうちに窓のよろい戸を閉めておいたせいか、今日は部屋の中がいつもより暖かい。

三時半からお願いしていたエスキスを受けるために大学へ行く。
大学に着くと、アシスタントのブカードが僕らの作業場に来てマックスと話しているところだった。僕も加わり、昨日マックスがつくっておいてくれた模型を見せながら一緒にエスキスを受ける。
マックスはドレスデンで履修していた都市計画の単位が認められたらしく、これからはミュンヘンで都市計画の講義に参加する必要はなくなったそうだ。時間ができたので大学に来てみると、僕がいなかったので心配してくれていたらしい。何度か電話もしてくれたようだが、電波状態が悪かったのかかからなかったようだ。
「もし言葉の問題で病院へ行けないのだったらいつでも言ってね」「ありがとう。もしひどくなるようだったらお願いするよ。でも今日一日休めばもう大丈夫だと思う」「おばあちゃんがよく言ってるよ。風邪は三日かけてやってきて、三日とどまり、三日かけて去って行くってね。今日はもう帰って寝たらいいよ」 明日の昼にまた大学に集まることにして、今日は二人とも帰ることに。彼のおばあちゃんの言葉を信じるなら、明日には風邪は去り始めるだろう。

帰りにテンゲルマンで野菜をたくさん買いこんで、野菜スープをつくる。
ジャガイモ、たまねぎ、トマト、にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ…。缶入りのミネストローネをベースに、思いつく限りの野菜を鍋でぐつぐつ煮込み、昨日炊いた麦御飯を入れて雑炊にして食べた。
残った分は明日の朝食用にして、今日はもう寝ます。明日から再始動再始動!
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(春夏)秋冬

2005-12-01 07:35:45 | ミュンヘン・TUM
Lufthansa airplane (2005/10/01)

今日で留学してからちょうど二ヶ月がたった。
そんな節目の日に風邪をひく。朝起きるのがつらい…。日本から持参したパブロンゴールドを三錠飲んでから大学へ。数日前まで降っていた雪が未だに残っている。秋が終わる頃にミュンヘンにやってきて、春がやってくる前に僕はここを去る。

昼過ぎからマックスとミーティング。
マックスがおばあちゃん手作りのケーキを持って来てくれたのでもらって食べる。ドイツの典型的なクリスマスケーキだという。フルーツがぎっしり詰まった固めのケーキ。生地は黒くて、表面には砂糖のパウダーがたっぷり振りかけてある。飾り気は何も無いけれど、おいしかった。「ヨーシュケが気に入るといいんだけど」「おいしい!ほんとにおいしいよ。おばあちゃんにもよろしく伝えてよ」「よかった。そんなに気に入ってくれたなら、数年後には僕のおばあちゃんがつくったケーキが日本に輸出されてるかもよ」「それは待ち遠しいな!」
夕方くらいまで一緒にパソコンに向かったが、体調が優れないので僕は先に帰らせてもらうことにした。今日はドイツ語講座も無いので早く帰って寝よう。マックスは明日大学に来れないので今日はもう少し模型でスタディをしてから帰るという。

大学の近くのスーパーで買い物をしてから帰る。
買ったものを袋につめていると、レジのおばさんが“ツヴァイ(=2)”がなんとかだと言ってきた。袋は二枚まで無料なのかなと思って(たいていは有料だけど)二枚の袋に一生懸命詰めていたら、「そうじゃないわよ(笑」みたいな感じでレジを出てきてくれて、“二枚重ね”にして持たせてくれた。「重いから二枚重ねにしないと破れるわよ」と言ってくれていたらしい。「ああ、ダンケシェーン」「ビッテシェーン。アウフヴィーダーゼン」「アウフヴィーダーゼン!」

くろさかくんがお芋をふかして持ってきてくれた。
サツマイモに似ているけど、アメリカ産だからアメイモ。色はオレンジ色で夕張メロンみたいだ。今日は僕が飯炊き当番なので炊飯器を借りる。今回は麦を混ぜて麦御飯にしてみることにした。4対1の割合で麦を混ぜてから炊飯器に入れる。

二回目の月例就学状況報告書を書いてまつむらせんせいに送信。
かいくんにiTuneでもらった音楽を聴きながらミュンヘン三ヶ月目の朝に向けて今日は早めに就寝することにした。留学生らしく洋楽でサイモン&ガーファンクルを聴くつもりだったけど、気づけばレミオロメンを聴いてしまっている自分がいる。
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点火

2005-11-30 07:15:08 | ミュンヘン・TUM
Olympia zentrum in snow

今日は午後からホールデンのエスキスがあった。
一週間頑張った成果が認められ、推進ロケットに火が点いた。すべてが良い方向に回りだす。もちろん、こんなときこそ慢心は無用で用心が肝心。


朝なかなか起きられず、何度も二度寝してしまう。
マックスからのメールを受信してようやく現実に戻る。「寝坊してしまって九時には間に合いそうに無い。大学に着く30分前にまた連絡する。ごめん。マックス」

大学に行ってプレゼンの準備。
隣ではシルバプラーナスタジオが中間講評会をしている。そっちを時々観に行きながら、自分たちの模型を手直しする。僕らのe-chスタジオは午後二時からエスキスが始まると掲示が出ていたのでマックスにその旨をメールで送信。マックスからは12時に大学に着く電車に乗ったとの連絡。模型をつくり終えてからは図書館で資料収集。頭痛がひどいので携帯の目覚ましをかけて机に突っ伏して少し休む。

12時にマックスと落ち合い、プレゼン方針の相談。
前回の反省を踏まえ、僕が始めに全体の説明をすることにした。プロジェクトは簡潔な言葉で説明できるようになったし、模型も時間をかけてつくった。今度こそ大丈夫。

エスキスは二時から始まり、僕らの番が回ってきたのは四時半頃だった。
ホールデンが笑顔で僕らのブースにやってきてくれたので少しほっとする。「これらが僕らの今週の模型です」とまず模型を見せると、「おお、きれいにつくったね。どれ先週のも見せてごらん。うん、今週の模型は先週より進化してるよ。君らは今週も前に向かって進んでいる。いいことだ!」とつかみは上々。前回の説明と重複しすぎないように注意しながら完結にスケッチ三枚で説明する。ホールデンはうなづきながら僕の話を聞いてくれている。その後3パターンの模型についても説明をする。ひととおり説明を聞き終わった後、ホールデンは何かをひらめいたらしく、「君らの興味深い案をもっと興味深いものにしてあげよう」と言ってまたさらさらとスケッチを始めた。「先週僕が描いてあげたものの隣に貼ってくれたまえ」と言ってスケッチを僕らに見せる。ラフなスケッチながら、いかにもホールデンらしい提案なので僕もわくわくする。一緒にエスキスをしてくれていたアシスタントのブカードとナディーンも交えて、しばし討論。僕もメモを取りながら聞き、質問し、主張する。でも「私はこんな風にも出来ると思うわ」とアイデアを提供してくれたナディーンに対しては、ホールデンは「君のその考えは以前にも覚えがあるな。オーストラリアでのプロジェクトのときの君のスケッチではないかね?オーストラリアンコンセプトハウスをやるときまでそのアイデアは取っておきなさい(笑」と冗談半分でぴしゃり。「いい提案になりそうだ。このままの感じで続けたまえ。来週も楽しみにしているよ!」そう言ってホールデンは去っていった。

ホールデンとのミーティングが大成功に終わり、マックスと小さくガッツポーズ。
すると一度去っていったブカードがまたやってきて、「さっきホールデンはああ言ってたけど…」と苦笑いしながら僕らに自分の考えを話し始めた。ブカードの考え方は僕らが今週つくった最初の模型に近い。もともとのコンセプトに対してはピュアな回答だが、少々自己矛盾・欺瞞的な部分がある。ブカードは、“ホールデンの言ったことは忘れて”今私が言ったようにやりなさい、と僕らに言う。さっきまではブカードもホールデンにうなづいていたのに…。どちらもやりたかったことだし良い方向性だと思えるので今すぐにはどちらとも言えない。「明日から模型をつくるつもりなので、またつくりながら相談させてもらいます」と答える。「いい提案になる可能性はあるよ」と言ってブカードは去っていった。

ブカードが去ると、今度はマックスが「さっきブカードはああ言ってたけど…」。
マックスはブカードに従いたくないらしく、ホールデンに従おうと彼は言う。僕もどちらかというとホールデンがピックアップしてくれた方のアイデアで勝負をしたいと思っているのだが、毎日顔を合わせエスキスしてくれるのはブカードである。「あまりにも二人が反対のこと言うから僕はいま少し戸惑っているよ」「君の言いたいことはわかるよ。でもこれは“僕ら”のプロジェクトなんだから」「わかってる。僕もそれが言いたかったんだ。今夜ゆっくり考えよう」

明日の予定をマックスと相談して決める。
マックスが電車の時間を調べながら「11時○○分に駅に着いて、それから○○分の電車に乗り換えて…」と分刻みのスケジュールを立てようとしていたので、「そんなに急がなくてもいいよ。明日は時間いっぱいあるじゃん」と言ってあげたら、「時間ないよ!来週は二回目の中間講評なんだよ!すぐにでも始めなきゃ時間無いよ。僕は木曜日は丸一日出来ないし、週末も予定あるし…」とマックス。おいおい、やる気あんのか無いのかわからないよ…。

マックスがいっこうにカッターマットどころかカッターさえ持ってこようとしないので帰り際に注意する。「模型つくるんだから、明日からはちゃんと君も道具を持ってきてよ」「わかったよ。探しとく。今まで必要だったことないからさ」「先週はずっと僕がカッターとカッターマットを貸してたからじゃん」「君が持ってればそれで十分だよ」「んなわけないでしょ!」マックスにはまだまだ入れるべきスイッチがいくつか残されているようだ。

晩飯はかいくんと一緒に大盛りシュニッチェル(カツレツ)の店に行って腹いっぱい食べる。ウェイトレスの女性が信じられないくらいきれいな人だった。

夜、くろさかくんが『地球の歩き方』を借りに来た。
彼は『チェコの歩き方』を探していたようだが、あいにく僕はドイツ・スイス・イギリス・フランス・オーストリア・イタリアしか持って来ていなかったので、オーストリアとイタリアを貸してあげる。ドイツの周りの国を集めたつもりだったけど、チェコは盲点だったなあ。
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