顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

新春2021…穏やかな日々が訪れますように

2021年01月01日 | 日記
明けましておめでとうございます。

「淑気(しゅくき、しゅっき)」という新年の季語があります。新春のめでたくなごやかな中にも身の引き締まる空気感を詠む時に使いますが、もともとは漢詩で使われた言葉で一般的ではなく、小さな国語辞典には載っていません。

いんぎんにことづてたのむ淑気かな  飯田蛇笏
葛飾は男松ばかりの淑気かな  能村登四郎
参道の一歩一歩に淑気満つ  山根きぬえ
淑気満つ箒目残る弘道館  顎鬚仙人


水戸藩の「弘道館」は、藩校としては数少ない現存建築物で重要文化財に指定されています。たまたま年末に出かけた時に砂利の箒目が整然としているのを撮影しました。

弘道館前庭の「八重寒紅」が、数輪開花していました。まるで時代を先駆けた「水戸っぽ」のようです。ここでは明治元年の10月、藩内抗争最後の戦いが繰り広げられ200人もの尊い命が散りました。

偕楽園でも早咲きの梅が咲き始めました。窈窕梅林の「八重寒紅」から望む好文亭はいつもの定点撮影です。

「白難波」は水戸の六名木の一つ、その中では一番の早咲きです。


常磐線から見える偕楽園と書かれた丸太標柱そばの「八重冬至」は、園内でも早咲きで知られ開花目安の標準木と仙人は勝手に思っています。

辛夷はもう春の準備、冬空に大きな蕾を突き出しています。

散歩道で見かける土手の「万両」、新春を飾る写真素材として毎年出演してもらっています。

「福寿草」、「蕗の薹」も待ちきれずに顔を出し始めました。福寿草の黄色、蕗の薹の緑色がかすかにのぞいているのを見ると、冬本番はこれからなのに春遠からずを感じさせてくれる気がします。

はやくコロナ禍を乗り越えて、トンネルの先に春の明るい陽が見えてくるのを願うばかりです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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