シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

韓国のすし詰め通勤バス

2010年01月20日 13時56分38秒 | Weblog
(韓国大手紙・朝鮮日報09年12月6日の記事抜粋)
すし詰め通勤バス、時速100キロで疾走
 朝7時すぎ、竜仁市(ソウル郊外)のバス停に、竜仁とソウル都心を結ぶ広域バスが到着すると、出勤を急ぐサラリーマンたちが急いでバスに乗り込み、座席はたちまちいっぱいになり、途中で立ち客も20人以上となった。高速道路に入ってバスの速度計をのぞくと、時速100キロを超えた。乗客はわずかのブレーキにもじっと立っていられない。小さな接触事故でも多くの死傷者が出そうで、まさに爆弾が高速道路を走っているかのようだった。 毎朝この広域バスで通勤するという市民から話を聞くと、「広域バスは立ち客でいっぱいにして高速道路を走る。大事故が起こるのは時間の問題だ」。 竜仁からソウル江南まで通勤するというチェさんが出勤に利用したバスは乗降口のステップにまで乗客であふれ、バスが急停車すると、乗客は一気に前の方に放り出された。「もし事故になったら多くの死傷者が出るのは間違いない。こんな状況で何の対策も取らずバスを走らせるなどあり得ない」と怒りをあらわにする。
 実際に規模の大小を問わず事故は相次いでいる。 国土海洋部によると、ソウルと郊外を往復するバス台数は4300台。出勤時間には通勤客が押し寄せ、ステップにまで乗客であふれ、ドアを閉められないこともあるという。数千台のバスが毎日、乗客の命を担保に、危険な運転を行っているのだ。
 道路交通法によると、高速バスに乗車可能人数は、座席定員以下とされている。しかし現実は通勤時間の乗客は1日の乗客全体の3分の2を占める。そのためバス会社としても、一人でも多く乗客を乗せなければならない。また乗客は早く出勤したいため、無理をしてでも来たバスに乗るしかない。
 政府や地方自治体もこのような状況は把握しているが、しかし特別な対策は立てられないようだ。 国土海洋部の関係者は「本来、高速道路を走る広域バスには、立ち客は乗せることはできない。しかし通勤時間帯には乗客があまりにも多いため、対策の立てようがない」と語る。 全国バス運送事業組合連合会のキム副会長は「通勤時間に乗客が集中するため、危険な状況は今も続いている。これはこのままいつまでも放置はできない。そのため同じバスであっても、通勤時間とそれ以外の時間の料金には差をつけるべきだ」と主張する。通勤時間には料金を高く、昼間などは安くして会社の収益が増えれば、車を増やすのも可能になるということだ。「広域急行バス(途中で停車する停留所が八つ以内となっているバス)の認可権や料金を定める権限は国土海洋部が握っている。また一般の直行座席バスなど広域バスの権限は市長や道知事などが持っている。そのため増車などの手続きは非常に複雑で、業務に対する規制が非常に多い」と不満げだ。 韓国運輸産業研究院のイ院長は「時間ごとに料金に差をつけるのもいいアイデアだが、最終的には庶民の交通費負担が重くなる結果をもたらすだろう。結局は政府が広域バスに対する支援を増やし、増車が可能となって初めて、通勤時間に乗客が集中することによる安全面での問題を解決することができるはずだ」と述べた。
 専門家は増車規制の緩和や補助金など、さまざまな案を検討して一日も早く解決策を見いだすべきと主張する。交通安全公団のチョン教授は「通勤時間の需要を短い時間で分析するのは難しいので、問題を一気に解決するのは無理だろう。しかし毎日危険にさらされている乗客を被害者とするわけにはいかないため、今から少しずつでも改善策を見いだすよう努力すべきだ」と語った。
(投稿者注)韓国は一般的に、通勤交通費は社員の負担なので、交通費の値上げは反対が多くなる。

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