シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

韓国の財閥オーナー息子夫婦の「遠征出産」

2010年01月23日 19時10分02秒 | Weblog
(韓国大手紙・朝鮮日報09年12月6日の記事抜粋)
 韓国最大の財閥オーナーの息子と、有名な元アナウンサーの夫婦が、長男に続いて次男も米国で産んだ。今回は、出産よりも2カ月も前に米国へ渡ったという。わざわざ米国へ遠征して出産したというわけだ。 「遠征出産」をしたのは、子どもに米国の市民権を付与させるためだ。だが、その理由は、米国の市民権を得ることによるメリットに目がくらんだためではない。子どもが米国の市民権の付与の享受の最大のメリットは、「軍隊に行かなくてもよい」という選択ができるということだ。
 韓国の軍隊は、徴兵で国を守るために集まった若者たちの集団だ。くだんの夫婦の行動を見ていると、韓国社会の上層部の一部の人たちの貪欲さやずる賢さ、利己的で浅はかな考えについて、いま一度思いを巡らせないわけにはいかない。くだんの夫婦は長男を産んだ後、何日もたたないうちに帰国し、今回もまた、次男を産んでからすぐに帰国したところからして、米国で生活するつもりはないと考えられる。想像したくないがもし韓国が(戦争で)存亡の危機に直面した場合、失うものが最も多い人たちの中に、この夫婦は含まれていると思う。この夫婦が有する多くの財産を守っているのが、まさに韓国の軍隊だ。ただ男に生まれ、所定の年齢に達し、徴兵で軍隊に入った多くの若者たちが、この夫婦の財産を守っている。この夫婦は自分たちの財産や生命を、国家や軍隊、他人の子どもたちによって守られていながら、自分たちは国や軍隊、他人に対し果たすべき義務を果たしていない。 夫は韓国最大の財閥の系列会社の代表であり、また妻はかつて、アナウンサーとして高い人気を得ていた。この有名人夫婦が、米国へ行って子どもを産むことをたくらむ場面を想像すると、腹立たしさを覚える以前に、あまりの厚顔無恥さに対する驚きを禁じ得ない。公的な義務については考えをめぐらすこともなく、責任すら感じないのかもしれない。大統領選の有力候補の息子も「遠征出産」をしたこと、元国防部長官やエリート外交官の孫たちも兵役逃れ疑惑が浮上したことが明らかになる中で、自分たちだけが非難されるいわれはない、と思っているのかもしれない。 韓国社会の上層部の一部の人たちは、金に対する貪欲さも果てしないものがある。ある財閥オーナーの息子3人が投資した会社の時価総額は、わずか8年で100倍にもなったという。昨年には、複数の財閥オーナーの2世、3世、4世たちが株価操作をし、発覚したこともあった。彼らは未公開の情報を利用し、虚偽の事実を垂れ流し、株を買い占めては売り抜けるという手口で、数千万ウォン(1000万ウォン=約75万円)から数十億ウォン(10億ウォン=約7500万円)もの利益を得ている。株式市場では、財閥オーナーの息子が特定の企業に投資したという情報が流れれば、それだけで株価が何倍にも跳ね上がる。
多くの人たちは、ひたすらまじめに日々の生活を送っている。その一方で、上層部の一部の人たちは、正直者がばかを見るかのような社会をつくり、貪欲な生活を送っている。これが韓国社会を取り巻く不安感の源だ。こんな貪欲な一部の人たちこそ、自由民主主義や市場経済にとっての最大の敵だ。

(投稿者注)
最近、米国市民権があっても、軍隊に行かなければならないという法律を作る動きがあるが、実際にはどうなるだろうか。財閥の大金持や政治家・権力者と庶民の格差(差別)が大きい社会だから、可能性は低いように思う。日本とは制度も考え方もかなり違うようだ。

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