シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

【コラム】イケてる「江南左派」が勝てない理由

2011年09月28日 23時55分48秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.9.25記事抜粋)
 「次の停留所は〇〇です。美容整形手術で有名な××形成外科へお越しの方は、こちらでお降りください」「次は〇〇です。顎の整形手術で有名な××クリニックへお越しの方は、こちらでお降りください」
 ソウル市の江北地区と江南地区を結ぶ472番バスが、新沙中学校からキネマ劇場までの六つの停留所を通過する間、車内アナウンスでは約10カ所に及ぶ形成外科の広告が次々に流れる。江南エリアには「整形ロード」「シリコンバレー(シリコンが豊胸手術に用いられるため)」などと呼ばれる通りが何カ所かあるが、このバス通りもそのうちの一つだ。形成外科が多いからといって、江南地区に美容整形手術を受ける住民が多いというわけではないし、ファッションや栄養状態などほかにも要因があるのだろうが、どうもこの地域の人々はカラーが異なる。こんなにスマートな街「江南」と、「左派」という単語には、いったいいつから共通点ができたのだろうか。やや冷笑が込められた「江南左派」という言葉は、実際にその人々がソウル市江南地区に住んでいるかどうかは関係ない。一流大学出身で、高所得で、知識レベルが高い、それでいて左派的な主張をする人々を指す言葉だ。実際に「江南左派」は爆発力が強い。既得権を捨てて「低い所」に身を置き、個人の利益よりも公共の利益を追求しているかのように見えるからだ。その代表格に挙げられるのがソウル大のチョ・グク教授だが、ほかにも多数の文化人が「江南左派」と呼ばれている。「保守」を自負する女性たちと、こんな会話を交わしたことがある。「左派にはすてきな男性が多いが、右派の人物にはそんなに格好いい人がいない」。また、こんな話も出てきた。「左派は皆、演説がうまいが、右派の人々はなぜあんなに下手なのか」「ユーモアセンスも全くない」。保守または右派は「魅力がない」との結論に達した女性たちは、スター性、容姿、顏が人間の魅力の3大要素とされる昨今の世相から考えて、韓国にはすぐに「左派の時代」が訪れるとの予想を導き出した。明確な統計があるわけではないが、保守派の外見が進歩系に比べて見劣りするのは、世界的に見て韓国だけではない。保守派には特別な魅力がなく、論争にも簡単に敗れる。それでも、進歩派が政権を担う確率や、進歩が世の中を支配する可能性は、保守派に比べて低い。なぜなら左派や進歩派は、その「格好いい言葉」がどれほど嫌われる要素をはらんでいるかを、しばしば自ら証明しているからだ。郭魯(クァク・ノヒョン)ソウル市教育庁教育監(教育長)をめぐる事件もそうだ。「善意で金を渡した」(その善意、私も受けてみたい)、「人格的な判断に基づく決定」、「法治に縛られれば情がない」(では暴力団は情で固く結ばれた人々なのか)…。さらに、郭教育監を支持する左派の人物たちは、こんな擁護論も展開する。「被疑事実公表罪に当たる」(保守派の人物の犯罪疑惑が新聞で報じられても、彼らはこんなことを言ったことはない)、「進歩派が郭氏を批判するのは、進歩派の行き過ぎた道徳的厳格主義に該当する」(国民が望むのは、教育監に対して酒を飲んではいけないということではなく『買収してはいけない』ということだ)。郭教育監は、留学経験もある法学部の教授で、自身の子どもは外国語高校に通っているにもかかわらず「外国語高校は特権教育」だと非難した。自分は高い所に上がりながら、他人がそのはしごを登ろうとした瞬間「こんなはしごは間違っている」などと言ってはしごを蹴り倒す姿は、まさに「江南左派」の典型だ。それが今回は、どんなに巧みな言い回しや、周囲の人々の擁護論も通じない状況に追い込まれている。言葉というのは行動が伴わなければ真実味がない。                                     文化部=朴垠柱(パク・ウンジュ)部長


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