ノースフェイスのジャンパー、学校内の階級の象徴に

(韓国大手紙・朝鮮日報12年2月9日記事抜粋)
価格によって階級を区分、「一陣」による強奪も
　中学校や高校を中退して家出し、集団で徘徊して、学校周辺で数十万ウォン（10万ウォン＝約6900円）台のノースフェイス（米国のアウトドア用品ブランド）のジャンパーなど、1000万ウォン（約69万円）以上の金品を奪ったとして、少年ら20人が一斉に検挙された。ソウル広津警察署は２月8日、学校や学習塾、ショッピングモールなどの周辺で中高生などに暴力を振るい、金品を奪った容疑で、少年P（17）ら4人を逮捕するとともに、少年A（17）に対する逮捕状を請求した、と発表した。また、少年Pらと共に金品などを奪った容疑で、少年B（17）ら15人を書類送検した。
　警察によると、少年Pらは1月、ソウル市広津区九宜洞のM女子高校近くの路地でH君（17）を脅し、47万ウォン（約3万2000円）相当のノースフェイスのジャンパーや現金20万ウォン（約1万4000円）、腕時計など約160万ウォン（約11万円）相当の金品を奪ったほか、昨年11月から最近まで、同じ年ごろの中高生約20人を脅し、約1000万ウォン相当の金品を奪ったり、オートバイなどを盗んだりした疑いが持たれている。
　ノースフェイスは最近、若者たちの間で爆発的な人気を呼び、学校内の「階級」の象徴のように思われている。インターネットのコミュニティーサイトの掲示板では最近「ノースフェイス階級図」も出回っている。同じジャンパーでも価格によって「一般クラス」から「大将クラス」までの階級があるというわけだ。
　階級図によると、25万ウォン（約1万7000円）のダウンジャケット「ノースフェイス・ヌプシ1・2」は、最も低い階級の「一般クラス」や「のけ者クラス」が着用する。32万ウォン（約2万2000円）の「ノースフェイス・パッド800」は「中上位クラス」だ。ネット上で出回る階級図では、47万ウォンの「ノースフェイス・サミット」について「のけ者クラスは『盗まれるかもしれない』と恐れ、とても着られない」という説明が書かれている。69万ウォン（約4万7500円）の「ノースフェイス・ヒマラヤ・ダウンパーカー」は「大将クラス」とされている。「ノースフェイス・サミット」より上のクラスは、親の腰を曲げさせる（苦労させる）という意味で「背筋ブレーカー」とも呼ばれる。また、ノースフェイスのジャンパーの中でも、赤い「ヒマラヤ・ダウンパーカー」は、いわゆる「一陣（不良グループ）」の中でもトップクラスの生徒らが好むとされている。
　警察の関係者は「一陣はターゲットを見つけると、頭から足の先まで、身につけているものを全て奪った上で、代わりに古着を渡している。子どもたちは奪われることを覚悟して（ノースフェイスのジャンパーを）着用している」と話した。