前回の続き
アメリカの大学の学費がいかに高額になってきているのかを、私たちの家族の例を挙げて述べてみる。
高校卒業を控えた娘は、今のところ3つの大学より入学許可をいただいたが、その中で2つの大学は奨学金つき。
その一つの大学は、Honor's College(各大学の学業優秀者だけが入ることを許される優等生コミュニティ。少人数制クラスなど様々な特典がある)の中でも全米州立大学Honor's Collegeランキングでトップクラス (http://publicuniversityhonors.com/new-top-programs-by-category/)ということで、娘の第一志望。しかし、州外者の娘には、いくら奨学金をもらっても、次のような費用が課せられる。
授業料:$12, 470 (通常の授業料$26,470より奨学金$14,000を差し引いた金額)
教科書などの諸費用:約$1,200 (アメリカの教科書は一般的に非常に高額。ちなみに私の授業では1冊1万5千円近くのテキストを今学期使っている。)
寮費:約$8,000(9か月の値段。これでも一番安い、バスルームなど共有の寮。Honor's Collegeの寮は、通常の寮よりも高額で、大学1,2年間は寮に住むことが義務付けられている)
食費:約5,000(9か月の値段。これでも一番安いプランで、週12食。それ以外は自腹。娘いわく、毎朝オートミールを食べてしのぐということ)
それ以外、生活、交通費などで約3,000
これらを合計すると、奨学金がもらえても年額$30,000の自己負担だ。
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ところが、娘のヒスパニック系(本人も両親もアメリカで生まれているが、祖父がメキシコ出身)の友人は、National Hispanic Scholar(全米の成績優秀なヒスパニック系の生徒に与えられる賞)ということで、この大学の諸費用全てだけでなく、大学訪問(飛行機往復3回分)の費用を出してもらえるらしい。ちなみに、このNational Hispanic Scholarを決定するPSAT(全米共通試験)の点数は、娘と友人は全く同じである。
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昔は、子どもを大学に出すのは、車を1台購入するようなものと言われていたが、今では家を購入するようなものだと言われていることがよくわかる。私学にしろ、州立大学にしろ、莫大な費用がかかるため、親と子にとっては頭痛の種である。