今日も暖かい一日でした。
カーテン越しから見る太陽は、
揺ら揺らと柔らかい陽射しを
部屋に届けているようでした。
朝窓から見た空は、
雲に神々しい光を照らしていた。
凛とした空気を感じ、
半開きの窓の外を見ながら、
もう一本ぐらいyou tubeで
紅葉の模様がないか探していた。
前の庭のいろはもみじの木は既に赤々と燃えているが、
隣の木は既に枯枝の姿になり不思議な感じがする。
レミ・ド・グールモン
「髪」
シモオスよ。そなたの髪の毛の森には
よほどの不思議が籠っている。
そなたは枯草の匂がする。
ながく眠ていた石の匂がする。
鞣革の匂がするかと思へば、
麦を箕に煽りわける時に匂もする。
また森の匂もするやうだ。
朝配ばつて来る麺麭の匂もする。
廃園の石垣にそつて乱れ咲く
草花の匂もする。
懸鉤子の匂もするようだし、
雨に洗わはれた蔦の匂もする。
日が暮れてから刈りとつた
羊歯の匂い、苔の匂い、
柊の匂、苔の匂い、
垣根の下に実が割れた朽葉色の
萎れた雑草の匂がする。
蕁麻の匂、金雀花の匂がして、
和蘭陀げんげの匂もして、乳の匂がする。
黒種草の匂、茴香の匂、
胡桃の匂がする、またよく熟れて
摘みとつた果物の匂がする。
蜜蜂の匂もする。牧の草原に
さまよふ生物の匂がする。
土の匂、川の匂、
愛の匂、火の匂がする。
シモオヌよ、そなたの髪の毛の森には
よほど不思議が籠つている。