Kazekaoru

退屈と付合うの結構大変です。
心に残ったことを、初夏の風のように書いていけたらと思っています。 

揺ら揺らと柔らかい陽射し。

2010-11-29 20:43:16 | 





今日も暖かい一日でした。
カーテン越しから見る太陽は、
揺ら揺らと柔らかい陽射しを
部屋に届けているようでした。

朝窓から見た空は、
雲に神々しい光を照らしていた。



凛とした空気を感じ、
半開きの窓の外を見ながら、
もう一本ぐらいyou tubeで
紅葉の模様がないか探していた。
前の庭のいろはもみじの木は既に赤々と燃えているが、
隣の木は既に枯枝の姿になり不思議な感じがする。




         
          レミ・ド・グールモン
            「髪」  


シモオスよ。そなたの髪の毛の森には
よほどの不思議が籠っている。
 
そなたは枯草の匂がする。
ながく眠ていた石の匂がする。
鞣革の匂がするかと思へば、
麦を箕に煽りわける時に匂もする。
また森の匂もするやうだ。
朝配ばつて来る麺麭の匂もする。
廃園の石垣にそつて乱れ咲く
草花の匂もする。
懸鉤子の匂もするようだし、
雨に洗わはれた蔦の匂もする。
日が暮れてから刈りとつた
羊歯の匂い、苔の匂い、
柊の匂、苔の匂い、
垣根の下に実が割れた朽葉色の
萎れた雑草の匂がする。



蕁麻の匂、金雀花の匂がして、
和蘭陀げんげの匂もして、乳の匂がする。
黒種草の匂、茴香の匂、
胡桃の匂がする、またよく熟れて
摘みとつた果物の匂がする。
蜜蜂の匂もする。牧の草原に
さまよふ生物の匂がする。
土の匂、川の匂、
愛の匂、火の匂がする。

シモオヌよ、そなたの髪の毛の森には
よほど不思議が籠つている。



              

                              


小雪も過ぎ。

2010-11-25 20:21:54 | 絵画





小雪も過ぎすっかり冬らしくなってきました。
まだ黄色の葉のままの所が見かけられますが、
私の周りは今が見頃になっています。



皮ジャーンで自然公園を散歩していると、
紅葉した葉に目を奪われながら30分すると、
少し温まりヨットパーカー1枚になる。
来月の上旬大雪の頃には、
皮ジャーンを脱ぐことが出来ず、
師走の慌ただしい空気を感じながら、
落葉を踏みしめながらひと時師走の空気を忘れるでしょう。





               東山魁夷 「コンコルド広場の椅子」

        

         「私達は集まる……と言っても 偶然に置き合わせるの
      だが お互同士で いろいろな話をする」

                               東山魁夷 「コンコルド広場の椅子」より


   紅葉を見てから帰ると、
   本棚にあった東山画伯の
   「コンコルド広場の椅子」の画集が目に入った。
   そういえば、紅葉の絵が描かれていることを
   思い出した。
   ぱらぱらめくっていると、
   紅葉を見ながら、
   長椅子で話している家族を思い出した。
   家族はちょうどこんな雰囲気だった。

   ふとこの絵は、椅子と画伯の気持ちが
   書かれていることを思い出した。
   
   もうこんな季節になると思いながらしばらく見ていた。
   大雪を過ぎれば、
   長椅子の回りにもこんな風景が見られる。

   画伯は、私と同じように紅葉を見ている家族を見たら、
   長椅子がどんなことを言っているかを書くのだろうか。

   「ここに こうして移り過ぎて行く季節を見守っているだけだが」、
   とでも言うのだろうか。




秋麗の日。

2010-11-03 19:00:24 | 



今日も爽やかな始まりだった。
久し振りに天気の日が続いている。
台風14号も通り過ぎ、
朝から明るい日差しが差していた。
秋麗の日と言っていい。
土曜日まで、こんな爽やかな秋麗の日が続きそうだ。
そして、11月8日は立冬、
今年は暖冬なのでしょうか。

   

曇りガラスからでも、
日差しが差しているのがわかった。
窓を全開に明け、
前の庭を見ていると、
屏に朝日が当たり、
柿木の柿が光って見えた。
柿を見ていると収穫の時期かと思いながら、
ハロウィンも終わったなーと思っていた。




久し振りの快晴の天気を見て、
しばらく朝日を見ていた。

 

今頃の七里ガ浜の夕日はこんな感じでしょう。






       腕時計


   旅行2日目
   いつもより遅い昼食
   ご飯、味噌汁、海苔、納豆
   お新香、焼魚、玉子
   彼女が、小型のお櫃を何度も開けた 
   窓から秋麗な朝の空気が入っていた  
   きっと空気がよかったからだろう

   駅のホームから見える景色
   田圃の向こうに山並み
   時間を忘れていた  
   ホームの時計が動いていた
   行き先の違う電車が入ってくる
   次の電車に乗ろうと思った



   観光ガイドブックには
   次の電車は、車窓から海が見下ろせる
   次のホームからは海が見下ろせる
   そんな行き先の電車だなー、と待っていた

   砂浜を踵をつけ気味に歩いていた
   無人駅からは海が見下ろせた 
   ときたま風が吹いてきて
   まだ半袖でいる肌をさわっていた 
   歩くたびにスニーカーに砂が纏わり付いた

   「昼食にしようよ」と、彼女が左腕を見た 
   俺は、来た道を振り返った 
   海岸線を走る往復二車線の道路
   車は時速40キロ位で流れていた
   「只今準備中」の札が並んでいた



   秋麗の日差しの下で波が銀色に立っていた
   「時計がない」、と彼女が笑った
   「もう開くだろう」と言って、歩き始めた

   また、砂を踏む音が聞こえてきた
   いつもはめている「腕時計」
   宿に二つ並べて置いてきた



                

                           








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