ボロボロになった人へ (幻冬舎文庫 り 1-3)リリー・フランキー幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
2冊目に読んだリリー・フランキーの本。
「美女と野球」は気楽に読めた。この本にはそうはいかない。
今日のような曇った日曜に読む本ではない、と思う。
「大麻農家の花嫁」
これはコミカル。
小説や漫画にのみに許された世界が展開される非現実的な絵が頭に浮かび続けて飽きない。
農家の息子が主人公に惹かれる理由は理解できないが、
他の女性を愛さなかった理由は良くわかる。
「死刑」
これもバカバカしくて、とても面白かった。
会話が多くてテンポが良い。だからページをめくる手が止まらない。
「ねぎぼうず」「おさびしとう」
この2作が、日曜日には合わない、、、というかドロドロした人間を描いているので、
暗い気分になる。自分の知り合いにもこういう女の子がいるからか。
とにかく、想像したくない場面が淡々と描写されている。
「Little Baby Nothing」これは、若者、二十代初めから半ばくらいの冴えない男達の話。
的を得ていると思う。自分のまわり、、、というか自分もその一人だった。
それだけに、痛いところを突かれている気がした。
「ボロボロになった人へ」は、僕が解説を気に入った数少ない出版物の一つ。
特に古賀エイチさんの「森羅万象に確固たる意味など存在しない」という
言葉が心に残った。その通りだと思う。
結局、地球にとって、人間一人が生きる意味などほとんどないのだ、ってこと。
その事実を拒絶するから苦しいのだ、、、どっかで聞いた話だ。
僕はモガきたいけどね。その方が楽しいから。
兎に角、解説を読んでリリーさんの意図がわかった気がしたし、なにより少し楽になった。