僕は現代俳句にあまり関心がないが、大方の人々と同様、西東三鬼の句にはハッとさせられることがある。
秋の暮大魚の骨を海が引く
三鬼が晩年に住んだ葉山の海岸には、しばしば漁師の捨てたカジキマグロなどの骨を見たという。「秋の暮」や「海が引く」という措辞から、引き潮で海に戻っていく大魚の骨をいとおしみ、生命の自然回帰という点に思いを巡らせている句であるが、句が喚起するところには神話的な背景もあるように思われる。こういう類の情景や背景を現代絵画や現代音楽も描写しているのであろう。
つるべおとしの秋の暮、昨夕、独りボーとしていると、悲喜こもごも、いろんなことが脳裡を過ぎ行った。
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