自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

ストラディバリウスのニス

2009年12月09日 | Weblog
(新聞記事より)
 弦楽器の名器ストラディバリウスの表面に塗られたニスの成分を分析したパリの音楽博物館が4日、製造当時のごく平凡なニスに過ぎなかった、と発表した。ストラディバリウスの音色の秘密は「特殊なニスにある」との説がこれまで有力だったが、それを否定する結果となった。
 同博物館によると、分析は独仏の研究家チームが実施。同館所有のストラディバリウス5丁を赤外線で調べた。
 その結果、ニスは2層に分けて非常に薄く塗られていることが判明。油絵に使われるのと同じ油が最初に塗られ、本体の木に軽く沁み込んでいた。その上に塗られたのは油と松ヤニとの混合物。赤みを帯びた光沢をつくり出すために顔料が混ぜられていた。
 この技術は画家の手法から発想を得たとみられる。いずれも、当時としては平凡なニスだった。琥珀や特殊な樹液が溶かし込まれているのではないかなどと取り沙汰されてきたが、検出されなかった。
 ストラディバリウスは、イタリアの弦楽器製作者ストラディバリ(1644頃~1737)がつくったバイオリンやビオラ、チェロなどの作品群。世界に数百丁現存するといわれ、1丁で数億円する場合もある。

(このニュースは今年の音楽界の10大ニュースに入るかもしれない。ニスのこの分析結果が事実だとすると、ストラディバリウスの秘法はやはり只の伝説だったのか。2世紀以上にわたって弦楽器製作者が追い求めていたニスは存在しなかったのか。「東洋のストラディバリ」の異名をもつ陳昌鉉氏などは、この分析結果を受け入れるであろうか。)