ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『スノーピアサー』を観て

2020年01月09日 | 2010年代映画(外国)
『スノーピアサー』(ポン・ジュノ監督、2013年)をDVDで観た。

2014年、地球温暖化を防止するため78カ国でCW-7と呼ばれる薬品が散布されるが、その結果、地球上は深い雪に覆われ、氷河期が再来してしまう。
それから17年後、かろうじて生き延びた人々は「スノーピアサー」と呼ばれる列車の中で暮らし、地球上を移動し続けていた。

列車の前方は一握りの上流階級が支配し、贅沢な生活を送る一方、後方車両には貧しい人々がひしめき、厳しい階層社会が形成されていた。
そんな中、カーティスと名乗る男が自由を求めて反乱を起こし、前方車両を目指すが・・・
(映画.comより)

地球を1年かけて一周する列車「スノーピアサー」に乗り込んでいる者たち。
さながらノアの方舟列車。
そんな中での、最後尾車両から最前列にいる車両主のウィルフォードに向けてのサバイバル。
前方へ一列車ごとに進む、カーティスがリーダーとなっての最下位層。
それを武器でもって阻止しようとする護衛隊との乱闘。
途中カーティスは、壁ケースに閉じ込められていたセキュリティ開発のナムグンと娘ヨナを開放して味方にする。
行く先々には、植物園、水族館と、これが列車なのかという風景も現れ、最下位層の者からすると不思議な光景を目にする。

と、それは興味を引く設定、あらすじにはなっているが、それは原作によるものか。
映画的には、出だしのあたりで物語の前提としての全体像が示してないので、最前列の車両に向かおうとする必然性が見えてこない。
だから個々の人物像もわからなく、ただ安易なアクションの繰り返しとしか見えない。
ひどいのは、肝心な殺されたはずの者が後でまた起き上がってくるので、やられてもやられなくっても同じになってしまう。

そうなると、面白くも何ともなく、単なる終わりまでの時間潰しの映画と化する。
そればかりか、このようなアクション映画によくあるように、状況設定を描くのが難しいのかバックを明確にせず、よって映像が暗く汚い。
要は、誤魔化し映像。
もっと次いでに悪く言えば、SF的な状況や筋の流れを説明するのに、セリフに依存していること。
これがポン・ジュノの作品かと思うとガッカリするが、それでももう少し付き合って他も観ようかなと思う。
コメント
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