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ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

失敗作?『黒衣の刺客』を観て

2016年04月04日 | 2010年代映画(外国)
昨年、上映された作品『黒衣の刺客』(侯孝賢監督、2015年)をレンタル店から借りてきた。

8世紀後半の唐。
聶隠娘(ニエ・インニャン)が、13年ぶりに両親の元へ帰ってくる。
道士の嘉信(ジャーシン)に育てられ、暗殺者としての修行を積んだ彼女には、魏博(ウェイボー)の節度使である田季安(ティエン・ジィアン)の暗殺という命令が下されている。
ある夜、何者かが季安の館に忍び入る。
季安は、室内に残されたある物の片割れを見て、幼なじみだった隠娘が自分の命を狙っているのだと悟る。・・・・
(Wikipediaより一部抜粋)

久しぶりに観る“ホウ・シャオシェン”の作品ということで期待したが、正直いって面白くなかった。
セリフによる時の状況、人物説明が最初の方にあるが、それだけではよく飲み込めない。
まあ、じっくり観ていけばその内わかってくるだろうと思っていたが、後はこれといって説明なし。
だから、何がなんだかよくわからないまま。
わからない映画を観ること程つらいことはない。
そのうちにだんだん眠くなってきてしまう。それでも、やっと最後まで観た。

その後に、「オフィシャルサイト」の人物相関図と「ウィキペディア」のあらすじを読んで、あぁ、そういうことなのと多少は納得した。
しかし映画を観るってことは、そんなんではいかんでしょう。
誰が観たって、その作品自体で筋と流れぐらいわからなきゃ。
第一、暴君だから“田季安”を暗殺するといっても、彼は全然暴君に見えなくって、いたって感じいい人。
暗殺の目的が、さっぱりわからん。

台湾(中華民国)の“ホウ・シャオシェン”。とっても好きな監督で、初期から『戯夢人生』(1993年)ごろまでは夢中になって観た。
その後の『好男好女』(1995年)だったろうか、記憶があいまいだけど「この監督、まあいいや」となって、今回が久しぶり。
でももうちょっと、人の期待に答えてくれてもいいのにと恨めしい。

この作品が、今年のキネマ旬報のベスト・テン(昨年上映作品)に入っているなんて、入れている人はどういう神経なんだろう。
ベスト・テンから漏れていても、もっともっと素晴らしい作品が他にもあるというのに。