原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

天高く、クマ細る秋。

2012年09月21日 08時45分14秒 | ニュース/出来事

 

例年だとお盆を過ぎると風がひんやりとし、透き通った青空の続く気候となる道東だが、今年は少し様子が違う。雲の日が多く雨も。しかもベトつくような暑さが9月となっても継続していた。わずかな晴れ間に見た釧路湿原は空は高く、緑から黄色へと模様替えが始まっていた。湿原を渡る風も冷たさを増していた。だが、蒸し暑さはあまり変わっていない。なんとも、道東の秋らしくない様子なのだ。そんな時、新聞に激やせしたヒグマの写真が掲載された。やはり、異常気象は野生の生活にも直結している。「天高く、クマ細る秋」なんて、笑ってる場合ではない。

 

異常の傾向はわが山でも感じていた。コリンゴの実は熟す前に朽ちていたし、マユミの実はほとんど形になっていない。ミズナラの葉も不自然な紅葉となっていた。暑さが続く気候に道東の自然は負けているかのように見える。実りの秋に大きな影響が出るのは当然であった。

 

(古坂彰彦さんが撮影)

 

 

(ちゅよっぴぼーどさんのブログから転載)

 

激やせグマが知床で見かけられたのは、明らかに山の餌不足。彼らの主食であるハイマツの育ちが悪く、木の実も不作。川を遡上するカラフトマスは例年の3割しかない。これでは野生たちの食生活に問題が生じるのは当然だ。記事によると餓死した子グマも見つかっているという。

昨年は今年と逆で食料が豊富であった。自然界はこんな時は子作りが盛んになる。当然子供の数が増える。クマだけでなくエゾシカも同様だ。子供たちを抱えた親がたくさんいるのが今年なのだ。食糧不足はいっそう深刻となる。

自然界はうまくしたもので、こうしたことで淘汰を繰り返して数を調節する。自然界が昔のままならば、の話だが。ところが現在は里山を超えて人間の社会が進出している。昔のままではない。そのために自然淘汰にブレーキがかかる。つまり、クマが人間界に近づき食料にありつくようになるからだ。札幌郊外をはじめ、集落近くでクマの目撃が頻繁しているのはこのため。畑を荒らし、牧場の馬や牛などに手をかけるクマも出没始めた。もはや激やせグマを憐れんでいる場合ではない。

 

この異常な気候は人間の業が創り上げたものなのかどうかは分からない。しかし、地球上には何か不吉な予兆が頻発しているように思う。昨年の大震災もその一つ。世界各地で起きている気象による被害もここ数年急増している。加えて、政治の不安がオーバーラップする。2012年は主要な国のトップリーダーが総入れ替え。日本では与党がレイムダック状態。加えて竹島や尖閣諸島問題では韓国や中国の傍若無人な振る舞いに困惑している。不安はますます募る。

 

(上、実が崩れたコリンゴ。中、不自然な枯れ方をするミズナラの葉。下、熟す前に萎びるマユミ)

 

だが、冷静に考えてみるとよい。自然界のなせる業は決して今が初めてのことではない。天変地異はむしろ過去の方が大きく、被害の規模も巨大だったはず。自然はすべて自然のサイクルで動いていることを感じるべきだ。

政治の不安定はすべて国民が怠けていたツケ。これは明らかに是正の動きが始まっている。民主党政権は末期を通り越しているし、自民党もまだ反省は足りないが、長老の台頭は明らかに世論が拒否している。それに気づかない長老政治家はいずれ淘汰される。

韓国と中国の愚かさと危険度は、いまや世界が知ってしまった。カントリーリスクがこれほど明らかになったことはない。これから、世界の企業は他の国へ次々に逃げていくだろう。中国離れはもう始まっている。彼らはインターネットの恐ろしさをこれから身に沁みて感じることになる。中国の崩壊は確実に始まっているし、日本抜きに存在できない韓国経済は、このままでは来年確実に悲惨なことになる。領土問題は残念ながら日本の思い通りにはならないかもしれないが、彼らが騒げば騒ぐほど、彼らのダメージになることはたしかだ。ただ日本は舵取りを誤ってはいけない。それだけか多少の心配だが、すくなくても民主党でなければこれ以上悪くなることはない。

 

異常気象による被害は最小限に食い止める手立てはある。技術日本の底力を見せる時がやってきたと思う。少し楽観すぎるかな、こうした考えは。

 

*巻頭の写真は茅沼の釧路湿原展望台から


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2 コメント

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クマの写真・・・ (numapy)
2012-09-21 14:38:34
最初あの写真を見た時、食糧不足と思いませんでした。
「拒食症のクマ!」。そう思ったのは事実です。実に哀しい顔と激痩せが「クマにもうつ病がある」と錯覚させたのです。それほど異様だった。
阿寒は、昨日も真夏日でした。何かが狂ってる。政治にも異変が起きてる。誰もがヘンだと思ってるのに、誰もがうずくまってる。
こういうのを「ゆでガエル」現象というんでしょうね。
またまた、どこかへ旅に出たくなりました。こういうのを逃避行と言うんでしょうね。
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ゆでガエル現象、 (genyajin)
2012-09-22 09:17:01
いや、知りませんでした。なるほど、ゆでガエルはたしかにじっと動かないですね。ある種の思考停止状況とも言えるでしょうね。
クマの食糧不足はかなり深刻なようです。もっとも日本の経済や周辺状況もかなり深刻ですから、クマの心配をしている場合ではないですがね。
でも日本は大丈夫だと思います。ようやく秋らしい季節になったように、一気に秋晴れの日本になると思います。ま、一気には無理ですが、必ず晴れると思います。どんなに遅くても一年内には総選挙ですから。
と、気楽に生きる度胸も必要だと思います。そうです、度胸です。開き直りともいいますが。
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