今年6月の道議会でヒグマの生息数調査が公表された。正式な生息数の調査が12年ぶりというのも驚きだが(何ともぬるい行政)、その前回調査の2倍の生息数に増加していたのである。あくまで推定生息数だが2244頭~6476頭。ここ数年目撃情報が頻繁に報じられていたが、個体数が増えたなら当然のことであった。しかも地区別にみると、道東・宗谷地域では1153頭~3386頭となる。どうやら全道のヒグマの半分以上がこの地域に集中しているらしい。知床半島周辺はことに多いとか。道東に生活する我々にはあまり穏やかな情報ではない。
かつて山親父の愛称を持つヒグマは全道全域が生息地であった。当然である。人間などほとんどいなかったのであるから。その当時の彼らの生息数は4500頭~5500頭。北海道という広い大地を縦横に駆け巡っていた時代でこの数。生態系から見てまさに適切な数であった。
明治以降、開拓者(我々道民の先達たち)が入植して、ヒグマの生息地はどんどん狭められ、その数も減少していった。自然界においては生息数が減少するとその数を復活させることはかなり難しい。捕獲数の制限など加え、多少の保護は彼らに与えられた。それで安定していたというのが常識であった。
ところが近年の目撃場や捕獲数の増加で、安定数の常識が疑われた。そうして12年ぶりの調査となったわけである。現在の、この生息数をみて、正直、ちょっと驚く。明治以前の生息数にほぼ同じか、それ以上の数字だからである。
開拓前の大自然の北海道ではない。開発によって彼らの生息地は極端に狭められたうえでのこの数字なのである。密度が非常に濃くなっている。特に道東周辺はかなり濃い。当然食糧難となる。激やせしたヒグマが昨年は目撃されていて、食糧不足は知られていたが、単に食料が不作だからというわけではなかった。増えすぎた数により、適正な食糧の確保が困難になっていたのである。人里に現れるクマが多くのなるのは、当然と言えば当然であった。
人とヒグマの共生などという安易な解決策などほとんど通用しない野生の世界が、すぐ現実にあるという認識を我々がどれほどもっているか、ちょっぴり不安になる。
昨今の平和ボケ論争(秘密保護法案や日本版NSC)をみても、すべてにおいて、日本における危機管理が幼児並みの思考停止に陥っているように感じてならない。
*写真は私の先輩のレストランに張られていたもの。先輩の知り合いが射止めたヒグマ。わが町の近くで撮られたものである。
12年間、推定頭数で処理してたんですね。12年と言えば、干支の一回り。
やれやれ、12年前にスマホは、無かった。今後はどうするつもりですかね。
新世代クマは、街中を闊歩する時代なのに…。
それにしてもモノスゴクでっかいクマですね。
こんなのを獲った人がいるのにビックリです。
そして、こんな野性が周辺に生息してるのも怖い話です。
野性と人間生活…悩ましい話です。
このハンターはクマの首を落として持ち帰ったそうです。しかし胴体はまったく無理でそのままにしたということです。大きすぎても獲物は手におえないですね。
こんなのが、眼の前にあらわれたら、アウトです。正直、仲良くできません。なんでも1000メートルの距離で発砲。一発で仕留めたという話です。腕もなかなかにいい。