原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

いやはやの選挙戦

2011年04月22日 08時32分09秒 | ニュース/出来事
4月は選挙月間とかで、月初めからなにかとざわめいている。前半戦は知事とか道議の選挙だったせいか(あるいは東日本大震災の影響なのか)、比較的静かなものであった。釧路湿原の奥の町ではそれほどの風が起きなかった、と考える方が正しいのかな。ところが選挙も後半戦となると様相が異なる。なにしろ町議選だから、多少なりとも知った顔の人が立候補する。そして戸別訪問が始まる。話したこともない見知らぬ人まで訪ねてくる。これには奇妙な違和感を禁じえない。この古臭い戸別訪問という慣習がどうもなじめない。本当に効果があると思っているのか。

公職選挙法138条では戸別訪問は禁止されている。ところが堂々とやる。へそ曲がりな私は当然、愚問を投げかける。「選挙運動をしてもいいのですか?」。「告示前だからいいんです。告示後は戸別訪問できませんけど」。なんて愚かなヤツめ、と私は心で叫ぶ。
いかなる場合でも選挙のための戸別訪問は禁止なのだ。ただ逃げ道があって、通常の政治活動のための戸別訪問は認められている。この制度を利用してのであった。告示後の選挙期間中は許されないから、告示前に戸別訪問が横行するというわけである。
今度立候補します、と宣言しての戸別訪問は明らかな選挙違反となる。しかし、日本全国の市町村ではこのやり方が当然らしい。こんなことを違反として取り上げたら選挙などやってられない、というのが本音なのだ。
表現の自由をとりあげ、戸別訪問を禁止することは憲法違反などと言って訴訟が起きたこともあるらしい。ほとんどが敗訴となっているが、隙間を狙う輩がたまに勝訴することもある、という。戸別訪問はなかなか微妙な問題を含んでいるようだ。基本的に興味がない私が、こんなことで立候補者と争いになるのは避けたい。従って、心の中で罵倒するだけなのである。

だいたい戸別訪問などという前世紀の遺物のような選挙活動をする神経が正直分からない。ほとんど逆効果としか思えない。事実、私は戸別訪問を受けた候補者に票を入れたことがない。こうした有権者の心情を立候補者たちはあまり理解していないような気がする。
古い政治家はどぶ板選挙が基本だとよく言う。こういう政治家は、おしなべて政治手法も古臭い。利権まみれの構図はほとんど彼らが主導している。こんな国会議員の真似を、よくもまあ地方議員がやるものだと、あきれる。地方の時代とかなり前から言われながら、ちっとも地方の時代にならない原因は、案外この辺にあるのではないか。

電話戦略もどうかと思う。立候補者には申し訳ないが、そんなやり方では、少なくても私の心は動かない。ま、たかが一票だから気にすることもないか。

立候補者の公約を見てみた。同じ文句がズラリ。これでどうやって違いを見つけたらいいのか。しかも具体的な政策公約が何もない。「町民の声を聞きます」「住みよい街にします」「安心して暮らせる街にします」などなど。だからどうのように暮らしよくするのか、どのように安心できるのか、具体的な話がまったくなし。がんばります。やる気があります。若いです。ではどうしようもない。戸別訪問はやる気を見せる手段の一つなのか。

(軍馬山で一番先に咲く花、フクジュソウ。凛としたその立ち姿のような立候補者がいたらいいな)

わが町は14人の町議が選出される。前回は16人だった。今回から2名が削減される。正直な気持ちを言えば、現在の町政なら8名(5名でも)でも十分な気がする。もちろん優秀な人という前提であるが。必要な時に必要な人を選ばないと、とんでもないことになることは、現在の国会、現在の日本の状況を見ても歴然としている。地方からきちんとしなければならない。そのために地方は独自の選挙方法があってもいいと思う。市町村に関しては独自の選挙制度にしたらいい。ま、たんなる妄想にすぎないのだが、例えばこうだ。
まず選挙権は18歳から、被選挙権もまた18歳から与える。若いうちから地方選挙に関われば国政選挙にも素直に入り込める。投票率50%なんてこともなくなるだろう。とんでもなく若い市長の登場もありうる。我が町の規模くらいなら町議は5名か6名にする。そのかわり俸給は現在の1.5倍にすべきだ。5名の町議に対し、5名ほどの評議員も同時に選挙する。この評議員は町議を査定する役割を持ち、俸給はない。ボランティアとしてやらなければならない。選挙ではなく町民の推薦という形で選んでも良い。評議員は3カ月に一度評議員会を開き、町議の勤務評定をする。一年ごとに発表。当然ながら点数がレベル以下(つまり赤点)なら、次回の選挙には立候補できないという厳しいルールとする。

こんな地方選挙もあっていいのではと、選挙カーからのけたたましい連呼の音を聞きながら妄想していた。

*道東の春は着実にその歩みを早めている。雪に隠れていたヤチボウズも姿を見せた。

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2 コメント

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議員を半分に・・ (numapy)
2011-04-22 09:33:35
そうすれば、今の2倍の報酬を出せる。
仕事は、2.5倍を要求できる。名誉職の時代は終わって、使命感に燃える人の時代。本当に全力を傾けて姿勢にまい進する人こそ選出されるに足る。
NPOとの連携に積極的な人がいいですね。ただ、足元を振り返ってみると……~ん。何れにせよ明後日、です。
目的が?なんですね。 (原野人)
2011-04-22 11:14:12
立候補する人の目的が町のためと心から思っている人がどのくらいいるのかですね。自分の欲のために出る人はできれば避けたいのですが。
たかが一票ですが、されど一票です。

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