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原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

お、これが小焼けか!?

2009年12月08日 09時43分58秒 | 地域/北海道
10月6日のブログ(赤とんぼの詩)の中で、夕焼け小焼けの話を書いた。それを頭に浮かべながら、小焼けは確かこんな感じだったと思いながら写したのがこの一枚。説では、太陽が沈んでから10~15分ほど後に、再び西の空が明るくなる現象であった。10分に満たなかったと思うが、太陽が山の稜線に消えた後に見せてくれた茜空であった。日に日に寒さが増すこの時期は夕陽もまた日を追うように美しくなる。楽しみもまた増す。 . . . 本文を読む

オンネトー初冬

2009年11月24日 10時04分14秒 | 地域/北海道
五色沼の別称があるオンネトー。四季折々の美景はもちろんだが、一日の中でも空の雲行き次第でその表情がどんどん変わる。コバルトブルーの透明な水面が青空や雲を映しこんで変化する。阿寒国立公園の代表と言えば、阿寒湖であり摩周湖であり、屈斜路湖となる。しかしオンネトーは脇役のように小さな沼ではあるが、自然との調和は見事というべきもの。北海道三大秘湖の一つに数えられているのも頷ける。 . . . 本文を読む

冬の華、舞う

2009年11月20日 09時10分51秒 | 地域/北海道
久しぶりに山に入った。11日の初雪はもう、跡形もなく消えていた。木の葉はすべて地に落ち、モノトーンの風景が続く。山は冬に備えて眠りに入っていた。クマザサの緑だけが異質物のように見える。山で最初に私を迎えてくれたのがゴジュウガラ。葉の落ちた木の上では姿がよく見える。それにしても、午後二時と言うのに夕方のような暗さ。これはひょっとして、と思う間もなく、空から冬の華が舞い降りてきた。 . . . 本文を読む

外役という名の極刑があった。

2009年10月27日 07時50分19秒 | 地域/北海道
標茶町霊園(南側)の一角に石碑がある。昭和二十八年に建てられたもの。「標茶集治監死亡者之碑」と刻まれている。明治十八年から明治三十五年まで開設されていた標茶(釧路)集治監では、その間に、五百五名の死亡者が出ていた。罪を犯して北海道に送られ、この集治監で命を落とした囚人たちための石碑である。彼らは死刑囚ではない。獄中死した人たちであった。この石碑に込められた歴史を忘れてはならない。 . . . 本文を読む

秋色に染まる日。

2009年10月23日 07時43分37秒 | 地域/北海道
遠い昔の記憶にあった極彩色の秋の日。ヤマモミジが真っ赤に燃え、ミズナラが黄金に輝く。記憶にあったその日が目の前にあった。この美しさは日本だけのものではなく、全地球上で太古の昔から展開されていた光景のはずであった。いつからこうした情緒を忘れてしまったのだろうか。いや、忘れていたのは自分だけだったのかもしれない。この道東では毎年繰り返されていた、季節の日常だったのだから。 . . . 本文を読む

超大型台風、接近!

2009年10月09日 09時40分14秒 | 地域/北海道
写真は10月9日、朝7時、家のベランダから撮影したもの。その時台風18号は、根室の南120㎞の太平洋上を通過中であった。最大瞬間風速は30mを超えていたという。雨量はその時点で48㎜とか。トータルでも80mmに達する、という報道がされていた。本州で大きな被害をもたらし、北海道でも停電や通行止めの道路もでていた。学校の休校が速報で流れている。今日一日は暴風雨の中での籠城を覚悟して家に閉じこもることにした。 . . . 本文を読む

人の手が加わらない世界

2009年10月02日 10時48分39秒 | 地域/北海道
この地球上で人跡未踏の場所などほとんどない。地の果てに至るまで人は足を踏み入れている。その中でも人の手が加わらない、自然のままの姿を残す場所が少ないながらもある。世界自然遺産に認定された知床半島もまたその数少ないエリアの一つ。厳しい自然を生き抜いたその姿には、贅肉や無駄が見当たらない。必要最低限が守られている。ものすごく質素でありながら、人間界では到底届かない「豊かさ」が見える。 . . . 本文を読む

近すぎて、遠い島、クナシリ

2009年09月29日 09時46分06秒 | 地域/北海道
世界遺産に認定され多くの人を集める知床半島。この半島を横断してウトロと羅臼を結ぶ道がある(冬季は閉鎖される)。半島のほぼ中央に羅臼岳がそびえ、道はそのすぐ横を通り抜ける。峠には展望台がある。ウトロ側から上ってくると、この峠から海への眺望が開ける。その海には黒く大きな島影が浮かんでいた。国後島であった。驚くほど近い。にもかかわらず、狭い根室海峡は無限の広さを感じさせて島の前に横たわっていた。 . . . 本文を読む

秋を告げるレッドカーペット

2009年09月15日 13時41分32秒 | 地域/北海道
サンゴ草の季節がやってきた。能取湖の湖畔を赤く染めてサンゴ草が熟するように広がり、見ごろとなる。その光景はオホーツクの海に向かうレッドカーペットのようにも見える。サンゴ草が赤く染まるころから北海道の短い秋が始まる。能取湖畔の卯原内(うばらない)地区では約四万ヘクタールにわたってサンゴ草が群生する。日本一の声がかかる。絶滅危惧種にリストアップされるサンゴ草を眺められる場所は極めて少ないからだ。 . . . 本文を読む

神の子池のオショロコマ

2009年09月11日 10時24分52秒 | 地域/北海道
春のブログでも紹介したが、隠れた観光地として人気の神の子池を、夏の終わりに再び尋ねてみた。雪がすっかり消え、うっそうとした原始林の中に浮かび上がる、鮮やかなコバルトグリーン。一段と幻想的な池の風景がそこにあった。すると、透明な水中を走る魚影がある。春には見られなかったオショロコマであった。湧水による波紋と光の反射でその姿をカメラに収めるのに多少苦労をしたがなんとか捉える事が出来た。 . . . 本文を読む

極上にうまい、そば寿司。

2009年08月07日 10時02分38秒 | 地域/北海道
釧路市の春採湖(はるとり湖と読む)近くに竹老園という老舗の蕎麦屋がある。緑色のそばが特徴の藪そばの流れをくみ、全道各地にのれん分けの店を持つ東家の総本店である。昭和天皇を感服させた「蘭切りそば」は、特にそば通には見逃せない一品。この店の代表商品である。だが、ここで紹介したいのは、その本道の蕎麦ではなく、独自の工夫で生まれたそば寿司。私見ではあるが、日本で一番うまい「そば寿司」と断言したい。 . . . 本文を読む

先達が生き抜いた時代

2009年07月28日 10時38分10秒 | 地域/北海道
牡蛎の養殖で知られる漁港厚岸町から、北へ八キロほど奥に入ったところに太田という小さな村がある。明治時代に屯田兵が入植して誕生した村である。屯田兵の生活や歴史を記録した屯田開拓記念館があり、村の一角にはその当時の家屋が再現されている。北海道の歴史の中で、開拓使とともに重要な役を担っていた屯田兵。北海道に住むなら一度は訪れて、知るべき場所でもある。厳しい時代を生き抜いた先達の息づかいがそこに残っている。 . . . 本文を読む

ノロッコ号に乗って。

2009年07月14日 09時55分29秒 | 地域/北海道
毎年、六月から十月にかけて、釧網線には「くしろ湿原ノロッコ号」が走る。九月までは釧路・塘路間のみ、一日二往復。十月になると、名前が紅葉ノロッコ号に変わり、川湯まで走行が延長される。今年で運行二十周年というから、すごい。昨年には乗客百万人を突破。夏の道東観光の目玉といえる存在である。昨年に一度乗っているものの、あまり記憶にない。理由が分からない。そこで今年はカメラ持参で乗り込んでみた。 . . . 本文を読む

宝の山(軍馬山)を歩く。

2009年06月02日 10時20分50秒 | 地域/北海道
新しい遊び場所を見つけた。きっかけは万歩計であった。生まれて初めて持ったもので、どう使っていいのか分からず、やみくもに歩いていたけど、ちっとも面白くない。そんな時気付いたのが軍馬山。家のすぐ裏にある。山の中に続く散策道があり、結構アップダウンもある。樹林の間にはいろいろな野草が花を開かせている。カメラ片手に歩き始めた。ここが「宝の山」であることを知らなかった己の無知もまた発見していた。 . . . 本文を読む

実は、50年ぶりです。

2009年05月26日 10時07分18秒 | 地域/北海道
阿寒国立公園を代表する景勝地、美幌峠。写真で何度も目にしたおなじみの風景である。しかし実は、ここを訪れるのは50年ぶりなのだ。小学から高校時代にかけて、屈斜路湖畔では何度もキャンプをしている。美幌峠はすでに周知の場所として頭のなかに存在していた。だが、よく考えるとこの峠に立ったことは小学校の修学旅行以来ない。美幌峠は私にとっては虚と実が混ざり合って、頭の中に出来上がった存在であった。 . . . 本文を読む