鳥まり、参る!

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映画『アイ・フィール・プリティ!』。

2020年09月17日 | 感想文
※大いにネタバレしてるので、ネタバレ嫌いな人は読まないでください※

【評判どおりの良作】

ちょっと前の深夜に評判の良かったアメリカ映画『I Feel Pletty』=邦題『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』。が放送していたので録画して鑑賞しました。

wikipediaは→コチラ。


ぽっちゃり体型で自信がない主人公が頭を打って、なにも変わってないのに(ここポイント)目が覚めたら

「わ、私、絶世の美女になってるー…!!!!」

と思い込んでしまうというオープニングの作品。

いや~コメディではあるけど、時代の流れをよく考えた感動作でした。

てっきり主人公・レネーが見えている“絶世の美女になった自分の幻”がちゃんと映像として流れるのかと思いきや、それは一度も流れません。

というかレネーは最初からおしゃれ好きな女性なので、ファッションも変わってないんだよね。

変わったのは思い込みだけ。

他者はレネーをそのままの“ぽっちゃりレディー”としてみていて振舞うので、それをどうレネー本人が受け止めることで変わるのか…というのが何度も何度も描かれます。

「それこそが大きな問題なのだ」

と教えてくれる作りになんだよね。

【全て能動的で、自分から取りにいく主人公】

「現代の物語だな~」

と思うのが、レネーが全て能動的で自分から幸せをとりにいっていることです。

これ昔だったら

「全て受動的」

だったと思うんですよ。

王子様に見初められて、大スターになるチャンスに勝手に巻き込まれて~というような。

でも彼女は全然違う。

「自分で」

憧れのオフィス(同じ会社ではある)の受付係に応募し、面接を受け合格する。

相手役となるヒーロー・イーサンにも

「私をナンパしてる…っ!!?」

と勘違いするところから始まってはいるけど、連絡先を教えるのも自分だしデートに誘うのも自分からです。

告白~初体験(二人のな)までも、実に彼女が能動的に動いています。

いや~新時代だなぁ~。

そして、彼女は仕事ができる!

勘違いだけでは信頼は勝ち取れないもんね…実力があるヒロインがいきいきと働くのはとてもカッコいい。

あと、金持ちのイケメン当て馬にせまられながらも彼氏であるイーサンへの想いをつらぬき一線を越えないのが現代だな~って思いました。

浮気者とか二股とかもはや現代では“ダサい”んだもんね。

いいことだわ~。

【「男らしくなくてもいいんだよ」というメッセージである相手役・イーサン】

相手役でありヒーローであるイーサンも現代ならではのキャラクターです。

日本もそうだけど、特にアメリカといえばゴリゴリの男らしさを礼賛してきた歴史のある国。

タフネス!

男らしさ!

強さ!

強くてカッコイイ言葉と強引さで女を落とす!

いきすぎれば暴力性!!

こういう要素があってこそアメリカのヒーローでしたが、イーサンは

「男社会が苦手」

とはっきりセリフがあるくらい、それの真逆をいくキャラ。

口下手で大人しくて自信がなくて、でも誠実で芯の強さがある…前時代では

「ダサい」

「弱い」

の象徴みたいなキャラをこの映画では魅力的に描いています。

彼らしいままで、レネーの明るさと自信にひかれてどんどん素敵になるのです。

【パーフェクトな美女、の生き辛さを描く】

レネーと対比させる美女キャラとしてエイヴリー(創業者の孫娘で痩身の美女かつMBA持ちの努力家)とモデルのお友達がいます。

エイヴリーは英語圏の女優さんにしてはめずらしく甘~く優しい声で

「おお、めずらしい」

と思って聞いてたら

「バカっぽい声がコンプレックス」

という設定のためだったんですね。

あと緊張するとバカっぽい言い間違いを連発してしまうという。

(例:資本金を軍資金と言い間違え)

たった一人、彼女が認めてくれたからレネーは受付係として働けるようになり、プレゼンに意見できるようになるんだよね。

モデルのお友達っていうのは頭を打つ前のレネーに

「一度でいいからあなたみたいな美人になりたい…」

って言われてた優しい美女ですね。

もちろん物語後半でレネーにかかった魔法(自分の体、鏡にうつった姿が絶世の美女に見える)が解けてしまうわけですが、

「もとの姿の私なんかに価値ない」

と“本当は何も変わってないから問題ないのに”自ら築き上げたものを投げ出そうとしてしまう。

「いや、もう一度あの姿に戻れば全てがうまくいくはずだ」

ともがくレネーはあのジム(頭打った場所)でこのお友達に再会し、

「私が彼氏にふられたの」

「私は自尊感情が少ないの」

と思いがけない胸のうちを知ります。

「私には何不自由なく見える美人だって、同じように苦しんでいるんだ」

と知るわけです。

いや~大事な場面だなー。

美人も、自称“美人じゃない”も、同じように頑張って生きてる人間なんだと表現してる場面。

人間として向き合った瞬間だよね。

ところで、舞台となる会社リリー・ルクレアってマリー・クレール(マリ・クレール?)を意識した名前なのかな?

あれは雑誌だけどはるか昔プチプラコスメ作ってたんだよね~ライセンスとって日本の会社が作っていたのでしょうが。

【ぜひ観て欲しい、ラストの演説場面】

ここからはぜひ映画を観てほしいところですが、クライマックスの演説はまさに時代に求められた言葉だと思います。

私達はみんな完璧ですばらしい!というメッセージが綺麗ごとでなく確かな体温をもって描かれていると私は思ったので、実に見終わってすがすがしい気持ちになったよ。

最初から最後まで思わぬ場面で名言が出てくるので油断なりません。

「美人になるのが夢だなんて悲しすぎる」

という言葉を観て

「あー…日本とアメリカはとても似てるといわれるけど、やっぱり日本のほうが前時代の呪縛強いわ~」

と思いました。

日本は権力者であるおじいさん達に人権意識が欠けているので、これは言わせないだろうなぁ。

とにかく、良かったですよ。

時代をしっかり読んで作った作品って感じ。

ただ、どなたかも指摘されていたように

「レネーの笑いは差別的ではないか」

ってのは賛成。

でも2018年ならこんなものじゃないですかね。

【この物語が日本ではまず作れない理由】

この映画、日本語吹き替え版ではスーパースター・渡辺直美さんがレネーの声を担当されたそうです。

途中でレネーが見事なダンスを披露するところもあるので

「日本版だったら渡辺直美さんに演じてもらいたいなぁ」

と思ったものです。

でもねー…この物語は、2020年の日本を舞台にしてもまず作れないだろうね。

だってさ。

レネーが受付係の面接に辿りつけたのって、

「アメリカの履歴書には写真をはらせない」

からでしょ?

日本は写真ぜったいつけさせるよね、花形職といわれるものはなおさら。

そして、レネーが採用されたのはたった一人エイヴリーが気に入ってくれたからだった。

でも、採用に決定権をもつような要職に日本の会社はまず女性がいない。

「そんなバカな」

と思った若きレディース&ジェントルメンはこれでも読んでくださいませ。
  ↓
※世界における日本の男女共同参画 ~ジェンダー・ギャップ(男女平等)指数2020~


まあ、現実がこうであってもです。

この作品に

「いい」

と思う人がいるなら、日本の未来も希望があるんじゃないかなって私は考えてます。

世界は変わってる。

自分はどうか。

コメディーだけど、ある種リトマス試験紙みたいな作品だと思う。

おすすめ~。





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