大和心眼ーヤマトシンガンー

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【監視カメラ野放し状態】ネコと監視カメラとプライバシー。あの片山容疑者は、徹底抗戦だそうです!

2013-02-19 21:40:38 | 茹でガエルにならない方法
こんにちは、千里です。ここ最近、『監視カメラの設置と利用に関する条例』を制定する自治体が多くなってきました。それもそのはず。

警視庁など捜査本部160人態勢で捜査していた『パソコン遠隔操作ウィルス事件』において、容疑者逮捕の端緒となったのが、監視カメラに写っていた江の島の猫につけられた首輪をつけたであろう男の姿が浮上したからです。


PC遠隔操作ウイルス事件 片山祐輔容疑者逮捕 2013.02.10



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真犯人から「新春パズル~延長戦~」と表題の付いたメールが報道機関などに届いた。メールを解読すると、首輪を付ける前後の猫の写真が表示された。捜査の 結果、写真の場所は江の島、首輪を付けた日時は1月3日。猫は警視庁の捜査員が5日中に発見した。首輪にはSDカードが付いていた。

~「IPアドレス」で送信元をたどる作業は難航。昨年末の時点では、警察内部でも「真犯人特定は極めて困難」との見方が強かった。ようやく真犯人が現実世界に姿を現した。1月3日の江の島は参拝客らが多く訪れており、複数の人物が猫に近づいていたが、カメラ映像の解析の結果、首輪が付けられる直前に猫に接触した眼鏡姿の男が浮上した。首輪のSDカードに遠隔操作ウイルスの設計図にあたる「ソースコード」が含まれていたため、捜査本部は当初、ウイルスを作成した不正指令電磁的記録作成容疑などでの立件を検討。片山容疑者の逮捕となった。
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『日本経済新聞社 ニュース記事から引用』

さて、この事件で大活躍した監視カメラですが、江の島の地元商店街が万引き防止などの目的で設置した防犯カメラであり、35台が稼働し始めたのは昨年12月21日だそうです。首輪が付けられたわずか2週間前だったので、非常にグッドタイミングでしたが、現在、江ノ島ではカメラに映らずに歩くことは困難だということです。

★ネコも大迷惑ですね!



監視カメラは、事件解決に貢献したように見えますが、一方では、カメラ映像を警視庁が監視し、事実上管理しているということがこの事件を通して明らかになりました。そして、監視による個人の肖像権、プライバシー、表現の自由の問題にもなりつつあり、監視体制についての議論が欠落しています。現状では、好き放題に個人を記録して、監視サイドを野放し状態にしているのが現実です。

そこで、ようやく各自治体では、『監視カメラの設置と利用に関する条例』を制定するところが多くなってきました。

例えば、豊田市では、防犯カメラの有用性に配慮しつつ、市民等の権利利益を保護し、安全・安心な地域社会の実現に寄与することを目的して、次の条例案を想定しています。
簡単に説明すると、設置とデータの取り扱いに関するガイドラインをつくり、明文化しておくということです。条例には、目的、定義、基本原則、設置運用基準の届出、設置者の義務、取扱者の指定、画像データの適正な取扱い、画像データの開示、苦情対応、報告及び勧告などの基準をつくっており、一般市民へのプライバシーに配慮しようという姿勢になっているようです。

詳しくは、下記を参照ください。
★防犯カメラの設置および運用に関する条例検討委員会
http://www.city.toyota.aichi.jp/public_comment/h24/01/recruite/index.html


しかしながら、その条例にも問題があり、収集したデータを第三者へ提供する場合の厳格な規制をしているわけではなく、どのように利用、運用されているかまで含めた監視された人への公開も必要だということです。

これは、犯罪や防犯に関わることなので、公開できないというのではなく、元々それを阻止しようというための市民との合意の上での監視体制の構築なので、最終的にどうデータが活用され、どのように個人が特定されていくかまで含めた監視側への要求がなければ、プライバシーや表現の自由を守ることはできないかもしれません。

そこで、日本弁護士連合会では、『監視カメラに対する法的規制に関する意見書』を提出しています。
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現在,官民の監視カメラの設置・運用のあり方を定めた法律は存在しない。 条例もわずかの市区が設けているに過ぎない。監視カメラの運用ガイドライン を定めている都道府県も,一部に過ぎない。しかも,これらの条例やガイドラインには,収集した画像の第三者提供を必要最小限に限定するという観点からの厳格な規制はない。そのため,現状では,何らかの犯罪が起こった場合には, 関連性や必要性について慎重な検討が行われることなく,大量の監視カメラ画像が警察に任意提供されており,その保管・利用等の実態も不明である。
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http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120119_3.html

このようにガイドラインをつくっても、監視側に都合のよい法令になってしまう可能性があります。このため、捜査機関においても基準をつくり、それを遵守することが求められます。

今回のように、捜査の検挙に役立ちましたが、実はあまり有効性もないことも指摘されています。なぜならば、監視国家イギリスでは2008年間の1年間に1000台の監視カメラを設置しても、1件の犯 罪しか検挙できなかったということです。多額の費用がかかるわりには、効果が期待できないということです。

これも当然です。なぜならば、監視カメラを設置しても、それをリアルタイムで監視する人がいなければ、犯罪現場を押さえることはできません。時間がたってから探しだしても、すでに犯人はそこにいません。

つまり、プライバシー侵害を引き起こすわりには、安全に関してはほ とんど改善をもたらさないので、結局、事後処理に近いものがあります。
さらに、龍谷大学法科大学院浜井 浩一教授によると次の見解を示しています。

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「以上を総合して評価すると,監視カメラの効果は,駐車場での自動車関 係の犯罪に対しては防犯効果が認められるが,暴力犯罪については効果が認められない。また,その防犯効果は,・・・劇的な効果とまでは言えない。 さらに,効果が認められるのはイギリスでの研究に限定されている。つまり, 監視カメラには,科学的に防犯効果がないわけではないが,その効果は,駐車場での車上狙いなど限定的である。」
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ということです。

問題なのが、根本的な検挙つながらず、犯罪抑止効果がないのならば、なぜ監視カメラは必要なのでしょうか?不思議ですね。

まあ、いつの時代も権力者サイドは、国民を監視できれば一番よいと願っています。
なぜならば、転覆を計画するのは、いつの時代でも国民、市民だからです。
保険みたいなものでしょう。

さて、今回の『パソコン遠隔操作ウィルス事件』で検挙されている片山容疑者は、徹底抗戦するようです。片山容疑者は、『まったく身に覚えがない』と一貫して容疑を否認しており、自分よりも優れた能力のものが犯人であり、別人だということを主張しています。さらに、『録音しないなら応じない』ということで、徹底抗戦の構えであるということです。
さて、警察は、有罪にできるのでしょうか?
これは、もしかしたら『誤認逮捕かも?』とも言われています。


なぜならば、現在まで、片山がネコの首輪に取り付ける映像が公開されていないからです。
そして、サイバー犯罪の場合は、状況証拠の積み上げで逮捕できるわけではなく、アクセスしていた履歴やIPアドレスの特定されたなどの直接証拠が必要になるからだそうです。




うーん、どうやら今回も誤認逮捕?これは、雲行きが怪しいようですね。
監視カメラの有用性は、限定していながら、今後監視の枠はますます拡大してくると思うので、国民は関心をもって対応していきましょう。

それでは、また。


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