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うどんの研究
連載中
(46) 小麦の栄養
世界一多い日本の小麦粉
の種類 1/9 new
日本では、世界のどの国に
も見られないほど多種類の
小麦粉が、パン工場やめん
工場などで使われる「業務
用」として市販されていま
す。日本で製造販売されて
いる小麦粉の96%がこうい
う業務用で、スーパーマー
ケットや食料品店などを通
じて家庭で直接使われるの
は全体の4%ほどにすぎませ
ん。大きい製粉会社では業
務用の小麦粉を数百種類も
製造販売しています。
(次回に続く)
ルーは小麦粉から3/3 new
これらのルーを用いて「ベ
シャメルソース」、「ブル
テーソース」、「ブラウン
ソース」などをつくり、料
理に使います。日本人が大
好きなライスカレーにも、
小麦粉のルーが生かされて
います。これらに小麦粉か
らつくったルーを用います
と、口当たりが良く、サッ
クリした糊状で、適度の濃
度を付けることができます。
(この項終了)
ルーは小麦粉から2/3
炒める程度によって、色合
いが違うルーをつくること
ができます。小麦粉とバタ
ーを混ぜたものは、最初は
ボソボソしていますが、温
度が上がると泡立ち、120
~130℃になるころには滑
らかで、香ばしくなります
。こういう状態が「ホワイ
トルー」で、小麦粉の生っ
ぽさは消えています。ホワ
イトルーになったものを、
引き続き温度を上げて加熱
しますと、140℃あたりで
色付き始め、170℃以上に
なると褐色で香ばしい「ブ
ラウンルー」になります。
(次回に続く)
ルーは小麦粉から1/3
小麦粉を同じ量の溶かした
バターとフライパンなどで
ていねいに炒めますと、香
ばしくておいしい「ルー(
roux)」ができます。ルー
というのはフランス語で、
その意味は「炒め粉」です。
バターと炒めるのは、小麦
粉のでんぷんが粘りが強い
糊状にならないようにする
ためです。また、加熱する
ことによってグルテンの形
成も妨げられ、粘らなくな
ります。
(次回に続く)
バゲットの仲間は多い
3/3 new
ドウリーブル(deux livres)
は「500グラム×2」という
意味で、最も大きくて重く、
太めのパンです。大家族向
けと言えます。フィセル(
ficelle)は「ひも」とか「
細い綱」という意味です。
40センチメートルくらいの
細長いパンで、重さも 120
グラムくらいのが多いよう
です。切れ込みが 5本程度
入っています。丸型のブー
ル(boule)は「球形のも
の 」を意味し、丸い形で
格子状の切れ込みが入っ
たパンで、やや大きいの
と小さいのがあります。
形に変化を持たせた小形
のパンには、きのこ形を
したシャンピニオン(ch
ampignon)、細長い笛
形のフルート(flute)な
どがあります。
( この項終了)
バゲットの仲間は多い
2/3
バゲットと同じような長さ
で太めのパンが、「パリッ
子」という意味のパリジャ
ン(parisien)です。70セ
ンチメートルくらいの長さ
で、500グラム程度の重さ
のものが多いようです。表
面にはナイフの切り込みが
5本程度入っています。さ
らに太めで、やや短く、ず
んぐりした形のものがバタ
ール(btard)で、「折衷
」とか「中間」という意味
です。長さは40センチメー
トルくらいで、3本の切り
込みを入れたものが多いよ
うです。
(次回に続く)
バゲットの仲間は多い
1/3
バゲットに代表されるフラ
ンスの硬焼きパンは、外皮
のパリッとした食感と香ば
しさ、さまざまな大きさの
気泡でできている中身のサ
クッとした味わいが特徴で
す。フランスでは、準強力
粉クラスの小麦粉に塩、イ
ーストおよび水を加えてつ
くった同じタイプの生地か
ら、バゲットだけでなく、
いろいろな大きさと形のパ
ンをつくります。
(次回に続く)
「蒸しパン」は東洋独特
5/5 new
「蒸す」という方法で小麦
粉生地を熱加工することは、
西洋ではあまりなく、東洋
で多く使われている方法で
す。日本でもいろいろなタ
イプの「蒸しパン」が売ら
れています。「チーズ蒸し
パン」は「チーズ」と「蒸
しパン」という西洋と東洋
の食品の組合せで作り出さ
れたユニークなパンです。
(次回に続く)
「蒸しパン」は東洋独特
4 /5
饅頭の由来に関する物語は
いろいろありますが、どれ
が本当かはっきりしません。
三国時代の蜀(ショク)の
武将だった諸葛亮孔明(シ
ョカツリョウコウメイ)が
雲南の蛮王を討ちに出かけ、
川を渡ろうとしましたが、
波が高くて渡れませんでし
た。小麦粉生地で羊やブタ
の肉を包み、人間の頭の大
きさにして、人間の頭の代
わりに祭壇に供えて波を鎮
めたという有名な話があり
ます。この供え物のことを
「蛮頭(マントウ)」、変
じて「饅頭(マントウ)」
と呼んだとも言われていま
す。
(次回に続く)
「蒸しパン」は東洋独特
3 /5
小麦粉に中国独特の麹(こ
うじ)、砂糖、少量のラー
ド、水を加えて、よくこね
て生地にし、発酵してから、
小さく切って蒸すのが中に
具を入れないものの伝統的
なつくり方の一例ですが、
現在ではイーストやベーキ
ングパウダーを使ってつく
ることも行われています。
(次回に続く)
「蒸しパン」は東洋独特
2/5
ここでいう「蒸しパン」と
は、私たちが「肉まん」や
「あんまん」などと呼んで
いる「中華まんじゅう」の
ことです。日本で売られて
いるものも、その名前のと
おり、つくり方は中国から
来たものです。本場の中国
では、地方によってつくり
方や食感がかなり違うよう
です。中国では、こういう
蒸しまんじゅうを総称して
「饅頭(マントウ)」と言
っています。饅頭にも、中
に何も入れないものと、肉
あんやあずきあんを入れた
「包子(パオズ)」と呼ば
れるものがあり、華北など
では主食として食べられて
います。
(次回に続く)
「蒸しパン」は東洋独特
1/5
ここ20年くらい、アメリカ、
カナダ、オーストラリアな
どの小麦粉研究者の間で「
チャイニーズ・スティーム
ド・ブレッド(中国風蒸し
パン)」のつくり方やそれ
に使う小麦粉についての研
究が盛んに行われてきまし
た。これらの国に中国から
の留学生が増えたことと、
小麦輸出国として中国市場
に注目したことが背景にあ
ったようです。
(次回に続く)
スウェーデンの成功物語
4 /4 new
1986年 4月にドイツのハン
ブルグで開催された国際穀
物科学技術協会の大会で、
スウェーデンのエクルンド
博士は誇らしげにこの成果
を発表しました。「パンの
消費が増えた分、何を食べ
る量が減ったのですか?」、
「関係者の協力体制作りの
ポイントは?」、「資金は
どこから出たのですか?」
など、質問が続出しました。
PR資金は主に製パン会社が
出し合ったそうです。スー
ダンの元気の良い女性が立
って、「私の国では事情が
違いすぎて、とてもそんな
ことは考えられない」と発
言し、先進国中心に進めら
れていた「パンの消費を増
やすにはどうすればよいか」
という議論にちょっと水を
差しました。
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