令和3年11月16日(火)
柳家緑也落語会:小言念仏
今回の落語会はすっかり様変わりである。
コロナ感染予防の緊急事態宣言が解除され、名古屋市の感染者数
は0(愛知県は5人)とほぼ沈静化したようだが、、、、、、
信興寺の落語会は例年定員50名だが、今回は午前、午後の2回
とし、それぞれ20名に限定される。
入口で検温・消毒の後、会場(本堂)へ上がると、正面の演者の
前には透明の衝立がある。噺家は話すだけではなく、その所作に
より落語の面白さを伝えるのが話芸で、顔の表情も必要とされ、
マスクを付けない。また、観客(我々)は発声禁止、笑いは制限
ナシ、当たり前のこと。
さぞかし柳家緑也さん、やり難かろうと思いきやそこはプロ、、
その所作を含め、思う存分笑わせてくれた。
やはり、顔の表情が判らなければ、、、、つまらない、、、
落語 : 小言念仏
小言とは、不平不満」をこと細かく取立てて叱る事。
念仏とは、仏を念じ、南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)と唱えると
自然と頭が下がり下を向く。法華経では南無妙法蓮華経(ナムミョ
ウホウレンゲキョウ)とうちわ太鼓を叩きながら賑やかに唱える。
小言念仏は、信心深く神棚或いは仏壇の前で念仏を唱えながら絶え
ず小言を言っている人の噺。
この噺に出て来る、南無阿弥陀仏(ナミアミダブツ)は、阿弥陀仏
に帰名するという意で、これを唱えるのを念仏といいそれにより、
極楽に往生できるという。南無阿弥陀仏とは、「私は計り知れな
い光明計り知れない寿命の阿弥陀仏に帰依致します」という意味。
この噺では「ナムアミダ」、「ナンマイダ」とも発音する。
今朝も家の者に小言を言いながら、念仏を唱えている。
ナムアミダブツ、ナムアミダ、、おい婆さん仏壇の天井に蜘蛛の巣が
張ってるヨ。ナムアミダ、ナムアミダ、お花を取替なきゃ枯れてるヨ。
ナムアミダ、ナムアミダ、、見ろよ線香の灰がこぼれてきたないヨ。
たまには灰をふるいにかけなきゃ、、、。
ナムアミダ、ナムアミダ、、子供起こして学校にやらないと遅刻だヨ。
ナムアミダ、ナムアミダ、ナムアミダ、、鉄瓶がたぎってるヨ、、、
ナムアミダ、ナムアミダ、、赤ん坊カラカッテちゃダメ,、、オイ、
赤ん坊が這って来ちゃったじゃないか、、そっちへ連れて来な、、
ナムアミダ、ナムアミダ、、飯が焦げくさいぞ、、「お隣です。」
ナムアミダ、ナムアミダ、、赤ん坊からかって、、何喰ってるんだ、
旨いか、半分おくれ、、(念仏唱えながら菓子を喰っている、、)
ナムアミダ、ナムアミダ、、(赤ん坊に向かって)、アカンベ、、
バー、、、ナムアミダ、ナムアミダ、、おい赤ん坊が変な顔して
何か考え込んでるヨ、ナムアミダ、ナムアミダ、、何かあるんだ
から気を付けろ、ナムアミダ、ナムアミダ、、何かあるから、アッ、
やっちゃった。言わないこっちゃない。鉄瓶の湯をこぼして雑巾で
拭きなヨ、、、ナムアミダ、ナムアミダ、、、「お付けの実を何
にしますか、」今頃そんな事やってるのか、寝る前に考えとけヨ
、ナムアミダ、ナムアミダ、表に泥鰌屋が通るから呼べ、、、、
泥鰌屋を入れるんじゃない、泥鰌をいれるんだ、、、、、
ナムアミダ、ナムアミダ、、早くしないと泥鰌屋が言っちゃうヨ、
ナムアミダ、ナムアミダ、、もっと大きな声で呼ばなきゃ行っちゃ
うゾ、、ナムアミダ、ナムアミダ、、表に向かって、オーイ泥鰌屋
こっちだ、こっちだ、、細かいのがいいんだ柳ッぱという所が良い
んだヨ、、100匁いくらか聞いて、、ナムアミダ、、、12銭、
高いヨ、、2銭負けときな、、、ナムアミダ、ナムアミダ、、、、
負けたか、、もう少し負けさしゃよかったか、、ナムアミダ、、
ナムアミダ、ナムアミダ、、洗ったらこっち持って来な、、鍋に入
れるんだヨ、、、ナムアミダ、ナムアミダ、、酒をいれて、、
泥鰌が苦しがってます、、ナムアミダ、、構う事はないそのまま火
にかけろ、、ナムアミダ、ナムアミダ、、ゴトゴトいってます、、
ナムアミダ、ナムアミダ、それは苦しがってるんだ、はは面白い、
ナムアミダ、ナムアミダ、ナムアミダ、ナムアミダ、、大分静かに
なったな、蓋を取って見ろヨ、「腹を出してみんな死んじゃった」
ハ、ハ、ハざまあみろ、、、、ナムアミダ、ナムアミダ、、、、
ひどい奴が有るもんで、、、、、小言念仏という噺でした、、、。
三遊亭金馬の小言念仏
次回は、「不動坊火焔」を紹介します。
今日の1句
ほのぼのと小噺一つ冬ぬくし ヤギ爺
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます