遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

柳家緑也落語会3

2021-11-17 16:15:07 | 日記

令和3年11月17日(水)

柳家緑也緑也、不動坊火焔

不動坊火焔とは講釈師の芸名で、今で言う落語家の柳家、古今亭や

講談の一龍齋の様な名前、、。

この演目の不動坊火焔では、火焔を背にした「不動明王」を祀った

「不動の滝」から、不動坊火焔とその女房の名が「お滝】と付けた。

不動明王、

 

また、この噺に出て来る「遊芸稼人」とは、遊芸(遊びごとに関した

芸能で、謡曲・茶の湯・生花・舞踊・琴・三味線・尺八・笛の他に、

講談・浪花節・落語・俗謡等)を生業として金を稼ぐ人を言う。

明治以降、芸人は鑑札料を払い鑑札を貰わないと営業が出来なくなっ

た様である。 其処から「遊芸稼人」が職業に、、、。

 

この「不動坊火焔」は元々上方落語の演目で、二代目林家菊丸との作

と言われる。

二代目桂米朝、三代目笑福亭仁鶴等が得意ネタとしていたが、後に

三代目柳家小さんが東京へ持ってきたと言われている。

この時、最後の落ネタの部分を東京風に「幽霊の真似して銭取ったり

するのか、」「へえ、幽霊(遊芸)稼人です。」と言い変えた様。

柳家小さんの持ちネタとなり、弟子の柳家小三治が得意とした。

 

不動坊火焔(あらすじ)

やもめ暮らしの利吉の所へ長屋の家主が訪ね来て「嫁を貰わないか」

という。 長屋に住んで居る、お滝さんの亭主の講釈師不動坊火焔

(遊芸稼人)が、地方巡業先でチフスに掛かり死んだ」との事。

「遺骨を取りに行っったりした費用がかさみ、不動坊の残した借金が

35円。お滝さんはこの借金を結納替わりに払って下さる人の所へ縁

づきたい」という。以前からまんざらでもなかった利吉は、二つ返事

で「喜んでお滝さんを嫁にとります」

利吉は、お滝さんが嫁に来てくれるというので、さっぱり小ぎれいに

するため銭湯へ行く。

洗い場で一人、お滝さんを思い浮かべながら長屋に住む他のやもめ

3人の悪口等をしゃべり始める、、、。

これを聞いていたのが3人のうちの一人、徳さん。「鰐皮の瓢箪の顔

のようだ」といわれ、、利吉に詰め寄る。利吉はその場を何とか取り

繕い、風呂から上がって行った。

修まらなのが徳さん。長屋に帰りやもめ仲間の3人を集め、利吉に仕

返しをしようと相談を始める。

「今晩、不動坊火焔の幽霊を出して二人を脅してやろう。」幽霊役に

は講釈師の軽田胴斎を引っ張り込む事にする。

幽霊を出す時の太鼓、幽霊火のアルコールの買い出し等の段取りを付

け出かける。

利吉の家に梯子をかけて上がり、天窓から幽霊役を降ろす。

太鼓はチンドン屋から借受け、、、。

遅れて来たアルコールは、餡コロと聞き間違えて火が付かない。

徳さんからぼろ糞に言われた裕さんが言い返し、屋根の上で内輪もめ

が始まる、、、、、。

途中で宙吊りになったままの幽霊(胴斎)は、ふんどしが腹に食い

込み喚きだす。仕方なく太鼓を打ち鳴らし幽霊を下の部屋に下す。

「恨めしい、、不動坊火焔や、ワシが死んで直ぐに余所へ嫁入り

とは、あんまり胴欲な。それが恨めしいて、浮かばれん。二人共

髪を下して坊主になれー」

二人で帰ってきた利吉は、「お滝さん、怖がることはおまへん、

私ら恨まれるような事してませんで、、あんたが死んだ後でちゃ

んと仲人立ててもろた嫁はんです。それにお前さんが残した借金

35円、一体、誰が払ったと思います、、、」

真、もっともな事で、幽霊の胴斎はたじたじで返す言葉もない。

利吉は、金で話をつけようと、一人前5円、4人で20円で手

を打つことにする。

金を受け取った幽霊の胴斎は金勘定をし、二人に幾久しゅう睦ま

じくなんて言っている。これを見ていた屋根の上の連中は急いで

幽霊を上げようと、ふんどしを手繰ったが結び目が天窓の角へ食

い込んで解けてしまう。上の3人は地面に、幽霊は利吉の家の中

に落っこちる。

利吉は、「なんじゃ、お前は、?」

幽霊の胴斎は「隣裏に住んで居ります軽田胴斎という講釈師で、」

利吉は、「講釈師、講釈師が幽霊の真似して銭取ったりするんか」

幽霊(胴斎)「へえ、、幽霊稼人(遊芸稼人)でおます、、、」

この噺、幽霊等の数々の所作がフンダンに必要不可欠で、、、、、

やはり、「マスクをした幽霊じゃ噺になんねー、、」

柳家緑也さん、身振り手振りの熱演、、、、

我々、観客はマスクを着用して、捧腹絶倒、、楽しいネ、、、

 

今日の1句

冬あたたか抱腹絶倒与太話   ヤギ爺



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