令和2年2月17日(月)
鶯 餅
柔らかな薄い餅で餡を包み、青黄な粉を
まぶした餅菓子。
端をやや尖らせえ鶯に似せてあり、見た目
目にも趣がある。
俳人の富安風生さんが「町の雨鶯餅がもう
出たか」と詠んだ様に、春到来を感じさせる。
ご近所の和菓子店にも「鶯餅」が出始めた。
緑色の黄な粉をまぶした餅が並んでいるが、
いづれが頭なのか、尾なのかは判らぬが、、
よくよく見れば、なるほどそれらしく見え
て、、、思わず買ってしまう。
これが並ぶと店先はパッと明るく、春の訪
づれを告げる。(鶯は春告げ鳥ともいう)
本日の1句(俳人の名句)
街の雨鶯餅がもうでたか : 富安風生
この句に対する句評を、俳人の山口青邨氏は
「雨の街」ではなくて、「街の雨」と言って、
雨を特に指摘して、雨筋まで見えるようにし、
下にすぐ鶯餅と続けて、一瞬鶯をちらつかせる
ような効果を出しているのが面白い。口語に
し、独り言を言わせるのも親しみがある」
と、観賞の筆をとられている。
これに対し、作者(富安風生氏)は、
「街の雨」には、僕は相当工夫を凝らしたつも
りである。この五字を上に置くことに依って、
「鶯餅がもうでたか」という口語調の卑屈さを
救って、その調子に纏わっている生き生きと
躍った気持ちだけをとりあげ得たつもりである。
と、作句の過程の苦心を語っている。
(富安風生句集「松籟」より)
まずは、一服、、、、