遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

椎の実

2017-10-14 08:32:23 | 日記
平成29年10月14日(土)

木の実降る


運動会も終り、季節は中秋から晩秋へ、、、
体育の日の連休後、寒暖の差が激しく年老いた
我が身には、中々対応が難しい様です。
朝晩は寒ささえ感じる様になり、、、時折り吹く
風にどんぐりなどが落ちてきます、、、。



椎の実





すた椎の木

公園に在る、椎の大木の辺りを探して居ると、
小さく割れた鞘から、艶のある黒っぽい実が
彼方此方に落ちて居ました、、、。


椎の実




ブナ科の常緑高木すだ椎、つぶら椎の実。
すだ椎は円錐状卵形、つぶら椎は円形で硬い。
煎って食べる。よく食べられるのはすだ椎の実で
つぶら椎の実は渋みが残る。



「四季の詞」:川崎展宏(俳人)著 より、
この本の「木の実降る」の項で、
乾いたこの実がはらはらと落ちて来る様を思います。
小学生の頃、受験生意識にない3年生くらいだった
頃、海の見える町で近くに大きな椎の木が在りました。
年上の子と椎の実を沢山拾い、その子の家の竈で、
焼いて食べたのを覚えています。指先の熱いのを我慢
して剥いて食べた。
最近家に近くの神社で椎の木を見つけ少しばかり拾っ
て来ました。フライパンで煎って食べましたが、
上手くなかった。少年の頃の、海がきらきら光って、
何十年の日が過ぎた事を思い知りました。

椎の実で何時も思いだすのは、「しいのみ学園」と
いう映画です。
当時小学生だった頃、学校から映画鑑賞会で劇場へ
見に行きました。テレビが未だ普及してないころです。

「しいのみ学園」 監督 : 清水 宏
  1955年 新東宝 作品

福岡学芸大学教授の山本三郎氏の原作「しいのみ学園」
がベストセラーとなり、この実話を基に新東宝で映画化
山本教授を宇野重吉、その妻を花井蘭子、小児マヒの
息子を河原崎健三(子役)、学園の教え子で後学園を
手伝う渥美かよ子を香川京子が演じています。

大学教授の山本先生には二人の息子があり、二人とも
小児マヒとなり、幼い息子が学校でイジメに遭い、不憫
に思う教授は学校を辞め資材を投げうって「しいのみ
学園」を創設した。「障害者という劣等感を排除して
ノビノビさせる事をモットーとした」
この所見に、全国から障害のある子を連れ親達が、、、

1954年当時は今の様な特別支援学校や福祉施設は
無く、、この出来事が世に先鞭をつけた様です。
2012年4月児童福祉法の改正に伴い「しいのみ
学園」は児童発達支援センターへ移行。


今日の1句(俳人の名句)

木の実降る音を遠くに夜の皿      桂 信子

万屋に秋は来にけり棒束子       川崎 展宏


※万屋 : よろずや。種々のものを商う店。
 棒束子 :ぼうたわし。棒のついたタワシ