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名古屋城天守建て替え問題

2023年06月18日 | 日常
名古屋城の天守を木造で建て直すという。
僕は名古屋市民ではないし愛知県民でもないので、この件について何も言う資格はないのだが、木造で作ると障害者の方が行けないではないか、とのことなのでちょっと自分の意見を書いてみたい。

名古屋城の天守と御殿は昭和20年まで江戸時代のまま現存していたが、空襲により全焼した。
幸い焼ける前に各部の写真や詳細な図面は確保してあったので、再建しようと思えばいつでも出来る状態ではあった。
とりあえず戦後の復興時、名古屋のシンボルとして外見だけは本物に忠実、中身はエレベーター付きの鉄筋コンクリートで天守が再建された。
それから数十年、平成になって御殿が江戸時代の姿で再建された。
その後、天守の耐震性に問題ありとのことで、それならいっそのこと御殿と同じく江戸時代の工法で再建したらどうかと言う話になる。
もちろん、昔のまま木造で作るとなると、莫大なコストがかかるし、工期も長い。
それらの財源は名古屋および愛知県民の税金だという。
当たり前に反対意見も多い。

木造での完全再現で喜ぶのは、城マニアと木造建築マニアだけで、その他大勢にとっては大して興味深いものではない。
姫路城、彦根城、犬山城、松本城と現存天守に行ったけど、内部の建築状態や当時の工法に興味をもって見学してる人など1パーセントもおらず、大多数の人は最上階からの景色にしか関心がない。
なので、わざわざ木造完全再現なんて意味がないように思う。
しかし、これは未来の人に向けての事業なのだというとまた違ってくる。
300年くらいしたら価値が出てくるのである。
もしかすると、その頃には古い木造建築を再現出来る職人は1人もいないかもしれない。
300年後の人は「令和の時代の人が再建してくれたおかげで今も当時(江戸時代)の工法での立派な天守を見学することが出来る」と感謝してくれるかもしれない。
ただし、天守に入り、急な階段を登り降り出来るのは健常者に限る。

ある人はいう。
足の不自由な人は天守に入れないなんて、それは差別だ。
だったら健常者も入場出来ないようにしろ。
それが平等である、と。

どうなんですかね?
いろいろな意見があると思うけど、だったらどうすればいいのでしょうか?

一つは計画通り木造で江戸時代のまま再建して、誰も入場出来ないようにすること。
天守最上階からの眺めは高性能VRゴーグルなんかで擬似体験すればいい。
あるいは、現在のドルフィンズアリーナあたりに天守と同じ高さのタワーを建てて、エレベーターでそこまで登って景色を見ればいい。

もう一つは、最新の耐震技術を盛り込んだ鉄筋コンクリート作りにして、最上階までエレベーターで登れるようにすること。
内部は現在と同じように博物館にすればいい。
江戸時代の木造天守が見たい人は、現存天守を見に行ってください、というスタンス。

僕個人としては、鉄筋コンクリートでいいんじゃないかな、と思う。
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