スイセン

凛とした寒風の中でスイセンがふくよかな香りを漂わせています。時には雪の中からも咲くことから「雪中花」とも呼ばれるのですね。

スイセンは地中海沿岸地方原産の多年草ですが、日本のスイセンは、原産地のものと若干違ったものとなっているのですよ。で、日本スイセン、またニホンズイセンとか呼ばれるものです。シンプルで清純で、白と黄色の色がとてもよくバランスがとれているようですね。ニホンズイセンのようには、房咲きするのです。でも、スイセンは「ひとりでいる」ことがそうなのですよ。「中国水仙」では、ついに水仙なくして正月は来ないとまで言われるようになってこともあるのでした。

日本の伝説では、スイセンの自生地福井県越前海岸にのこる由来です。平安末期、木曽義仲の京攻めに従った居倉浦の山本一郎太は、義仲敗退ののち帰郷して、留守中、弟の二郎太が海で助けた娘に恋慕したのです。仲が良かった兄弟が果たし合うことになりました。それを悲しんで娘は海に身を投げました。翌春その化身のように海岸に美しい花が流れ着くそれがスイセンだったのでした。

さて、日本水仙は冬の花ですが

水仙や　白き障子の　とも移り　芭蕉
水仙や　寒き都の　ここかしこ　蕪村

いっぱいあります。

で、前草有毒植物で、鱗茎には強いアルカロイド　・花は精油、フラボノイド配糖体が含まれる植物だから決して口にしないように。芳香が良いので部屋に飾ると爽やかな鎮静効果！

花言葉　（日本水仙）「自己愛」