山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

知的障がいのある人の依存的なコミュニケーション特性

2013年06月02日 | 本人活動
 知的障がいのある本人向け新聞「ステージ」は全日本手をつなぐ育成会が発行している。
 全ページカラー刷り。
 本人向け新聞として、これだけ本格的なものは日本唯一。
 「ゆき・えにしネット」=福祉と医療、現場と政策をつなぐホームページ=
 http://www.yuki-enishi.com/index.html
 で、野沢和弘氏の「ステージ」にかかる発言が以下のとおり掲載されている。
 その発言を取り上げ、分割して順次紹介している。
 
 その第26回目である。
 知的障害のある人たちのコミュニケーション特性が以下に述べられている。
 生育過程で身についた他人とのかかわり方も大きな要因だとする特性である。  
  
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【引用始め】

http://www.yuki-enishi.com/media_shougai/media_shougai-01.html#01

メディアと障害

知的障害者と新聞~『ステージ』の編集から
毎日新聞科学環境部次長(現・社会部次長) 野沢 和弘さん

(4)バリアを解く

 知的障害者は抽象的な概念や論理が苦手だということはすでに触れたが、
 彼らのコミュニケーションの特性は、
 知的障害に由来しているものだけでなく、
 生育歴や生活歴の中で環境から学び取ったものも
 大きな比重を占めていると思われる。

 勉強がついていけないことへのコンプレックス、
 いじめ、抑圧や孤立という心理的体験を積んでいる知的障害者は多く、
 こうした体験のために少しの成功でも満足する傾向が見られる。
 能力的には完全にできることでも、少しできればそれで満足してしまい、
 それ以上の達成を求めない傾向があるといわれるのだ。
 このため、質問をされたときに、質問の内容よりも、
 質問者の方に意識を集中させ、質問者から肯定的な反応を導き出せば、
 そこで満足して反応が止まってしまうということがよくある。

 また、だれかの指示を受けたり、
 他人の判断に依存して生活している傾向が強い知的障害者は多く、
 質問の意味がよくわからなくても肯定する反応を示したり、
 誘導に乗りやすいとも言われている。

 一度出した答えを確認されることも苦手で、
 「本当ですか」「間違いありませんか」などと繰り返されると、
 前の答えは間違っているのだといわれていると思い込み、
 前言を撤回することがよくある。

【引用終わり】

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 知的障がいのある本人たちにとって、他の人とのコミュニケーションにも配慮しなければならない。
 どうしても相手のペースにのってしまう面がある。
 これも今まで依存的な生活が中心だったからといえる。
 自己選択・自己決定といったことがかけ声だけでなく、実質的に行うことが求められている。
 家庭、学校、施設、職場といった多くの場面において、こうした行動様式が適切に取り入れられる必要がある。
 知的障がいのある人たちにとって、自己選択・自己決定は権利擁護の大きな要素である。
 (ケー)


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