徹夜明け新幹線で熟睡。渋谷で打ち合わせ。魔の5時間コース。するすると絵が見えてくる。それから池袋。デパートの屋上で白塗りの男女の群舞とラップと光と影。デパートの屋上は小さい頃はアイスを食べるところで、青年期はひとりで他人を観察する場所で、今は維新派。現実を白塗りするパフォーマンス。もうひとつの2011年がそこに現れる。架空の電車と本物の電車が何度も交互にやってきては去っていく。見えない飛行機も夜間飛行を繰り返す。これをファンタジーと言わずして。終演後振り返ると、夜空に一年で一番小さい満月があがっていた。その月が本物なのか書き割りなのかもはや誰にもわからん。村上春樹の世界だね。それから若旦那とラーメン屋捜しの旅の末、大塚の路地裏までたどり着き、そこは上海の路地裏とつながっていた。そこで食べた担々麺、いままでの担々麺がウソのような味。パクチーやナツメグや、知らない香辛料たっぷりで、それを徹底的に練り上げられた胡麻のスープがひたひたに。麺はもちろん縮れている。店員ももちろん全員日本語は片言で、おそらくここは上海と日本をつなぐ秘密のトンネルなんだと思った。