石山通(西11丁目通)と、JRの高架の脇にお地蔵さんが鎮座しています。
「桑園延命地蔵尊」
札幌市中央区北6条西10丁目 地図はこちら
なぜ、ここにお地蔵様が祭られているかといいますと、鉄道に由来します。
以前にも取り上げましたが、石炭を小樽まで輸送する目的で、明治13(1880)年
札幌~小樽間に鉄道が敷設されました。
この鉄道(現・函館本線)は、ここ桑園地区を横切る形で建設されました。
現在は、民家やマンション・ビルなどがびっちりと建っていますが、その昔は
ヨシや大木が密生していて、その中をカーブしながら線路が敷かれたので、
とても見通しが悪く、踏切事故が多発していたそうです。
特に、北7条西11丁目の踏切では、鉄道死亡事故が多発して「魔の踏切」と
呼ばれていたそうです。
昭和2年までに、死者は364人にも上ったそうです。
↑ 現在の北7条西11丁目付近
大正15年、地元の方たちが死者の供養と魔除けの為に、地蔵尊を建てる
為の組織「北門倶楽部」を結成しました。
関東方面の地蔵尊を調べたところ、大型のもので1.7m程で通常はそれより
小型の地蔵尊であることから、日本一大きい石仏像を製作することになりました。
制作は、札幌で天才的な石工師と言われていた阿部独海(あべどっかい)に
依頼しました。
昭和2(1927)年8月に全長2.6m、重さ3.5tもある桑園延命地蔵尊を
無事に建立することができました。
地蔵尊の加護があったのか次第に事故が少なくなり、昭和63(1988)年11月
鉄道開通108年目にして鉄道が高架化され、鉄道事故の問題もようやく解消
されました。
鉄道が高架化された今でも、毎年7月24日には、地蔵尊への感謝と死者
の供養、地域の交通安全のために慰霊法要が行われています。
かつての線路跡は、「札幌桑園停車場緑道線」という、遊歩道が整備され
通勤・通学にも使われています。
行き交う人の交通安全も願っているのですね・・・。
私も、お参りをして自らの交通安全を願ってきました。
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