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桑園のお地蔵様

2007-07-21 20:16:12 | 札幌・歴史探訪


 石山通(西11丁目通)と、JRの高架の脇にお地蔵さんが鎮座しています。
     

          「桑園延命地蔵尊」
          札幌市中央区北6条西10丁目 地図はこちら
     
          
 なぜ、ここにお地蔵様が祭られているかといいますと、鉄道に由来します。


  以前にも取り上げましたが、石炭を小樽まで輸送する目的で、明治13(1880)年
 札幌~小樽間に鉄道が敷設されました。
  この鉄道(現・函館本線)は、ここ桑園地区を横切る形で建設されました。

   現在は、民家やマンション・ビルなどがびっちりと建っていますが、その昔は
 ヨシや大木が密生していて、その中をカーブしながら線路が敷かれたので、
 とても見通しが悪く、踏切事故が多発していたそうです。
  特に、北7条西11丁目の踏切では、鉄道死亡事故が多発して「魔の踏切」
 呼ばれていたそうです。

     昭和2年までに、死者は364人にも上ったそうです。
     
      ↑ 現在の北7条西11丁目付近

  大正15年、地元の方たちが死者の供養と魔除けの為に、地蔵尊を建てる
 為の組織「北門倶楽部」を結成しました。
      

  関東方面の地蔵尊を調べたところ、大型のもので1.7m程で通常はそれより
 小型の地蔵尊であることから、日本一大きい石仏像を製作することになりました。

  制作は、札幌で天才的な石工師と言われていた阿部独海(あべどっかい)に
 依頼しました。
 
  昭和2(1927)年8月全長2.6m、重さ3.5tもある桑園延命地蔵尊
 無事に建立することができました。
     

 地蔵尊の加護があったのか次第に事故が少なくなり、昭和63(1988)年11月
鉄道開通108年目にして鉄道が高架化され、鉄道事故の問題もようやく解消
されました。


 鉄道が高架化された今でも、毎年7月24日には、地蔵尊への感謝と死者
の供養、地域の交通安全のために慰霊法要が行われています。

  かつての線路跡は、「札幌桑園停車場緑道線」という、遊歩道が整備され
 通勤・通学にも使われています。
     

   行き交う人の交通安全も願っているのですね・・・。

   
私も、お参りをして自らの交通安全を願ってきました。
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