私の思いと技術的覚え書き

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ベルハウジング破壊事故

2018-04-30 | 事故と事件
 PC内の古い写真を見ていたら、おそらく20年ほど前のベルハウジング(クラッチハウジング)の破壊事例の写真があったので紹介してみたい。この事案は、当方が直接対応したものではないが、当時の部下より報告を受け、そんなことが起きるのかと驚いたものだった。しかも、それから数年を経て、ふそうの大量リコール隠しの一件として、該当リコールが報知されたのだった。なお、該当写真の車両がふそうであったかは、今となっては明確な記憶はない。

 ふそうのベルハウジングの運転手死亡事故の概要を記してみる。
 事故車両は、2002年10月19日、山口県・山陽自動車道、野毛IC料金所を減速せず爆走通過し、その先の県道脇の歩行者用地下道のコンクリート壁に激突して運転手が死亡した。この事故直後に実況見分調査した警察は、車両側の問題を疑い、メーカーの三菱ふそうに構造的問題がなかったかの調査の依頼した。これは後になって判ることだが、該当車のクラッチハウジング(通称ベルハウジング)が全面的に破壊され、後輪からの減速トルクで振り回されたトランスミッションが、フレーム内面のブレーキ配管を断裂させていたという車両自体に起因する事故であったのだ。恐らく、ベルハウジングは、予てから疲労破壊が着々と進行しており、該当IC料金所手前でシフトダウンを行った瞬間、最終破断という死への道が開かれてしまったのだろう。なお、事故直後に車両の調査を行った三菱ふそうは、当然ベルハウジングの破壊を気付いたはずだが、何ら警察には異常はなかったと報告していた様だ。そこで、警察では当該死亡運転者を安全運転義務違反として起訴していた。







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