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エアバックの作動の不思議その2

2018-04-28 | 車両修理関連
 昨日のBMWミニと反対に、これでエアバッグが作動するのかというBMW・E91の事例を紹介してみます。車両損傷は、たぶん前走車に追突した様な損傷状態ですが、バンパーリインホースメントの右前部の衝撃吸収部位が座屈していました。しかし、車両本体のサイドフレームなど、骨格の強度部位には変形がないがエアバッグが作動したというものです。なお、パッセンジャー側は乗員がなく、乗員センサー付きなので作動はしなかったというものです。

 ついでに、ご存じの方も多いと想像しますが、BMWは昔からバッテリーを右後部に搭載して来た歴史があり、スターターまでの極太ハーネスを長大に引き回しています。事故の形態によっては短絡から火災の恐れを意識してのことでしょう、エアバッグ作動と共に+ターミナル部の起爆剤点火(スクイブ)によりターミナル接続を開放する仕掛けが付いています。開放された端子をムリやり戻してやればスターターモーターは廻りますが、スクイブオープンによりエアバック警告灯のリセットはできません。ということで、バッテリー+ターミナルの交換が必要になります。

 板金修理も終わり試走したところ、DSC(ESCと同じ)ランプが点灯と共に、電子式のターンシグナルランプが直進状態でも消えません。スキャンテスターでは、ステアリングアングルセンサー異状と出ますが、リセットしてもしばらく据え切りを繰り返すと、エラーが再発します。このセンサーは光学式で、LEDの光源をたぶん8ビットのライン受光素子で読み取り、デジタル値としてST角を検出している様です。ステアリングアングルセンサーは、ステアリングの直ぐ下に装着されますが、分解してみると細かい微粒子状の異物が内面に観察されました。内部を清掃し、アングルセンサー円盤のスリット部も、コンパウンドで磨いて、再度組み上げ、据え切りテストではOKでした。しかし、しばらく試走するとエラー再発です。アングルセンサーのリペアキットを交換すると、完全に完治しました。想像ですが、エアバッッグのスクイブ電流により起爆剤が燃焼した際の高温ガス微粒子が、アングルセンサー部に流入したことによる現象と思います。しかし、アングルセンサーリペアキットには、薄いビニール手袋やヘアキャップまでが同梱され、極めて防塵が必要だと感じさせますが、アングルセンサーのハウジング合わせ面だとかシャフト部には、Oリングなどの気密構造も取られておらず、なんか矛盾を感じるところと思わざるを得ません。





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