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 私の思いと技術的覚え書き

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名古屋高速でバスが横転炎上の惨事 その2

2022-08-23 | 事故と事件
名古屋高速でバスが横転炎上の惨事 その2
昨日(8/22)午前の名古屋高速での大型バス横転火災事故だが、合計死傷者7名、内2名死亡の大惨事となったが、この続報として若干事故解析的な視点での要素を入れてお伝えしたい。

1.事故の直接原因
 事故の直接的な原因としては、名古屋高速の豊山南出口が右側にあるのに対し、バス前面の中央より右側を出口側道との中央分離帯に激突させ、そのまま中央分離帯を砕きながら車体右右側を持ち上げ、バス左側面を下にして横転したものであることが確認できる。

 このことは、中央分離帯前に設置のエアックション残骸が側道前方10mほどの位置にあることや、中央分離帯の上部角が欠けていることや、該当ガスの車体変形状態から間違いのないところであろう。

2.事故運転車の問題
 何れにしても当該事故は、運転操作の不適切により起きたものとしか考えられないが、報道の中には、事故の前から「バスが、ふらふら走行していた」という目撃情報が記されているが、運転手の病変(脳もしくは心臓系だろう)による疑いが強い。このことは、名古屋県警では、今後死亡したとされる運転者の司法解剖を行うことになりもしかすると明確な病変痕跡が判明する可能性もあるだろう。

3.火災原因について
 本事故の横転後の出火は、エンジンなどの発熱体のある後部でなく、車両前部より当初の出火が始まったことが、報道写真を時系列に眺めると明確である。この出火原因についても、昨日予想した通り、「事業用自動車事故調査委員会」を立ち上げるとのことであり、今後調査がなされるであろう。

 ただ、私見で述べれば、最近の大型観光バス系は、このふそうとJバス(日野といすゞ)の2社しか製造していないが、何れも現行型になってから、バッテリーとか燃料タンクを車両前部側に移していることが気に掛かる。

 バッテリーについては、このふそうもJバスも、右前部(右前輪の前)の位置に搭載している。また、燃料タンクは、左右前輪後方直後の位置に移動している。これらは、旧世代車は何れも車両の中央より後方寄りの位置にあったのだが、排ガス対策で重量を増したエンジン関係重量から前後重量配分の関係で前方へ移されているのだろう。

 今回事故で、直接バッテリーを損壊させる様な車体変型は見受けられないが、バスの車体前部というのは、電装系の制御機器が集中する部位であり、事故による大変形で、それが車体下方にまで達した関係で、バッテリーからスターターモーターへ繋がる極太ケーブルのショートを生じさせ、それがケーブルの溶損とかバッテリーの発火に結び付いた可能性を想像するところである。

 このことは、自動車工学および火災のそれなりのスキルがある専門家が検分すれば、判明できるところではないかと思える。しかし、過去の「事業用自動車事故調査委員会」の報告書の幾つかを見ているが、委員長こそどこぞの大学の教授を置いているものの、その調査報告書の中身は、おそまさつさが目立つところである。だいたい、大学教授にそもそも、こういう実務としての鑑定能力を期待する方が間違っている様に思える。こういうのが典型的な権威主義と云うものだろう。

4.その他
 昨日の記述で、この重大事故では近日中部運輸支局による該当旅客運送会社への立ち入り監査が実施されるだろうと気したが、昨日午後には実施されたとの報であった。場所が名古屋市内であり、近いこともあり即日実施となったものであり、今日も引き続き、あらゆる業務報告関係書類について落ち度がなかったかを調べているところであろう。ただし、最大の核心は、運転者の健康管理と過重労働の有無がポイントとなるだろう。報道では運転者の年齢は不明だが、勤続し始めて3、4年とか記してあったが、この手の大型観光バスの運転者で数年とは短過ぎると感じる。従前何処か他のバス事業者に勤務していたとか、その時の勤務実態とかその他要因まで遡って調査を行う必用があるのかもしれない。






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「事故の前から、ふらふらと走行」 高速道路でバスが横転して炎上する事故 2人死亡7人けが
国内
CBCテレビ
2022年8月22日(月) 13:26

 22日午前、名古屋市北区で県営名古屋空港に向かっていたバスが、高速道路上で横転し、炎上しました。2人が死亡し7人がけがをしています。
 事故が起きたのは名古屋市北区の名古屋高速道路・豊山南出口付近で、22日午前10時10分ごろ、名古屋の栄発・名古屋空港行きの高速バスが横転・炎上しました。
 この事故で乗用車1台も事故に巻き込まれ、警察や消防によりますと、バスの運転手と見られる男性と乗客とみられる1人の死亡が確認され、他の乗客や乗用車に乗っていた人など7人がけがをしました。
 バスは豊山南出口と本線の間の分離帯に突っ込み、その後に炎上したとみられ、捜査関係者によりますと、事故の前から「バスが、ふらふら走行していた」という目撃情報が入っているということです。
 事故を起こしたバスは愛知県小牧市の観光バス会社「あおい交通」が運行していたもので、高速から降りてすぐのところにある県営名古屋空港に向かっていました。
 あおい交通によりますと、バスを運転していたのは55歳の男性で、出勤した際のアルコールチェックで異常はなかったということです。

(あおい交通  松浦秀則社長)
 「今、状況を把握していない。(運転者は)3、4年バスのドライバーをやっていた。
とにかく事故は申し訳ないこと。解決しないといけない」

 警察が過失運転傷害の疑いも視野に、事故の経緯や運転手の勤務状況などを詳しく調べる方針です。


#名古屋バス横転火災の重大事故


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