私の思いと技術的覚え書き

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MRJの新技術

2011-02-04 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 開発中の国産ジェット旅客機であるMRJ(三菱・リージョナル・ジェット)ですが、従来機比で燃費を30%程改善すると伝わっています。この理由には、カーボン素材を胴体や主翼に大幅に採用して軽量化することの他、新型エンジンの採用にあると伝われます。今回は、この新型エンジンについて記してみます。
 MRJに採用される新型エンジンは、ギヤード・ターボファンエンジンと呼ばれるものです。従来の旅客機にはターボファンエンジンが使用されていましたが、燃費改善のため年々改良される都度に最前部のファンが大径化され、いわゆる高バイパス比化されて来ました。しかし、ファンを大径化し過ぎると、ファンの外周部の周速度が音速域に近づき、大幅に効率が低下してしまうのだそうです。また。ファンを低速にするためファン後方に位置する5~7段のコンプレッサーの回転数を落としてしまうと、これまた効率低下となってしまうのだそうです。
 そこで、ギヤード・ターボファンでは、コンプレッサーの回転を同軸上のプラネタリ・ギヤ(遊星歯車)により減速し、コンプレッサー回転を落とさずにファン回転を落とし、より大径ファンによる高バイパス化を図るというものだそうです。
 なお、大戦中のレシプロ戦闘機でも、エンジンのクランク出力でダイレクトにプロペラを廻していたのではなく、セロ戦の様にプラネタリギヤで減速していたり、飛燕とか彗星の様に、ヘリカルギヤで減速していたものが多かった様です。


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