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特定認証は作る意味があったのか?(特定整備にレベル3以上は対応不可?)

2021-09-15 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
特定認証は作る意味があったのか?
 国交省ではR2年4月より「自動車特定整備事業」という従来の分解整備事業とは別となる新たな認証制度を施行し実施されたところだ。

 この新たな認証について、国交省のHPでは以下の様に説明しています。

自動車特定整備事業について
 自動車整備制度は、これまでのエンジンやブレーキなどを取り外して行う「分解整備」から、その範囲を取り外しを伴わなくとも装置の作動に影響を及ぼす整備又は改造等(電子制御装置整備)に拡大するとともに、対象装置として、自動運転レベル3 以上の自動運転を行う自動車に搭載される「自動運行装置」を追加し、その名称を「特定整備」に改め、新たな制度として令和2年4月からスタートします!

 と云うことで、「取り外しを伴わなくとも装置の作動に影響を及ぼす整備又は改造等(電子制御装置整備)に拡大するとともに、対象装置として、自動運転レベル3 以上の自動運転を行う自動車に搭載される「自動運行装置」を追加し」と記されている様にASV(自動ブレーキや車線逸脱防止装置)などの電子制御装置が対象となる事業内容であることが判ります。

 また、自動運転についてはレベル3以上を対象とすると説明しながら、未だ市販車がレジェンド以外にないこともあるのでしょうが、レベル2までしか整備基準は策定されていないことがあります。また、特定整備事業として新たに作られた看板には、「電子制御装置整備(自動運行装置を除く)と記してあることに注意が必要だ。

 ここで、レベル3以上の車種が販売され始めたとして、その整備基準を作ろうとした時、種々の困難さが想像されることを予見しなければならないと感じる。

 それは、レジェンドの場合だが、現在はディーラーにしか対応できないのだが、そのディーラーであっても、総てのホンダディーラーが対応できる訳ではないということがある。つまり、テクニカルセンターなどの大規模整備拠点であって、その設備と教育を受けた者が存在することが必須だということがある。

 それと、今の電子制御部品は、ソフトウェアで制御されており、リコールでなくとも何か不具合が出る都度、ソフトウェア(ECU本体に組み込まれたソフトウェア=ファームウェアと云う場合もある)のバージョンアップ(更新)が行われている。このバージョンアップは、実務的には車両に装備されたOBDソケットと専用診断機を介して、車両メーカーのサーバーとの通信回線をネゴシエーション(通信の約束事を取り交わす)を確立し、車体番号やその他データの一致を見て、バージョンアップができるということになる。従って、このECUのバージョンアップを、車両メーカーは傘下ディーラー以外の、分解整備事業者や特定整備事業者に開放することは、そのセキュリティだとか著作権の問題から困難だろうと予測されることなのだ。

 最後に、結論として記さずにいられないのだが、レベル3以上の車種は、ディーラーのみが対応可能で、街の一般分解整備事業者や特定整備事業者は、ディーラーに出す以外に対応が困難となるであろうと想像せざるをえないのだ。

【参考過去記事】
分解整備+特定整備を加える改正案のこと
2020-01-26 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/86c5862f97eb88e0f992df3835d87b32

OBD車検、OBD定期点検、特定整備認証のことなどの整理
2021-09-09 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/5f2e7bb1cec757bcbba03cf6b1e29d82


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