私の思いと技術的覚え書き

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NHKスペシャル原発危機を見て(原子炉老朽化など)

2011-07-10 | コラム
 昨夜(7/9)のNHKスペシャル・原発危機の論議を見ていましたが、やはり原子力安全委員会というのは。原子力ありきの推進の立場が極めて強いのだと思わざるを得ませんでした。

 原子力安全委員会・専門委員の奈良林直氏は、「日本という1億3千万人が乗る飛行機は、原子力というエンジンが止まったら墜落するんです。それでも良いんですか?」などと脅しとも取れる言葉を吐きます。

 また、原子炉老朽化の問題については、米国などでは30年で廃炉にしている様ですが、日本では30年を越えて使用している原子炉が20基前後あり、中には40年を越えるものも数基がある様です。これら古い原発の老朽化問題について、同氏は「人間の老化とはまったく違い、適切な設備更新などしております」などと説明します。しかし、原子炉本体となる原子炉圧力容器や格納容器の交換は、事実上できないものです。
 そんな中、原子炉圧力容器を形成する厚板鋼板は、中性子照射を受けることによる素材劣化、すなわち脆性破壊を生じる温度の上昇(NDT温度)が危険視されているのです。再稼働が問題となってる玄海原発1号機では、NDT温度が90度Cを越えるとか・・・。この様な原発で、緊急炉心冷却(ECCS)を作動させた際の熱ショックにより、原子炉圧力容器に致命的な破損が生じる恐れは高いと思われます。

・溶接と熱処理のこと
http://adjster.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/04/post_5448.html

・脆性破壊と延性破壊
http://adjster.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/04/post_914a.htm

・安全係数とはl
http://adjster.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/04/post_2140.html



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